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『キノの旅』を読んだ感想
みなさん、こんにちは。ゆーかです。
見ていただき、ありがとうございます。
今日は、本の感想を投稿します📖!
最後までお付き合いいただけると幸いです。
読んだ本
『キノの旅』
作:時雨沢恵一
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どんな本なのか
主人公の人間キノと言葉を話す二輪車エルメスは、世界のあちこちの国を旅している。 基本的に3日間だけ滞在し、また次の国へと旅立っていく。
1話完結型のお話。
読もうと思った理由
大学生の同級生が勧めてくれ、貸してくれたから。
感想・考えたこと
まず、私はキノと聞いて男の子だと思っていた。でも、最後らへんで、そのキノが女の子を庇って死んでしまい、その女の子がキノになった。性別による固定概念(旅をするのは男の子だなど)があることに反省させられた。
2つ目は、キノの行く先の国々がどこか現代社会の破片、歪み、そうしたものを内包しているように感じた。
人の痛みが分かる国。私たちは人の痛みを分かる人になりなさいと言われて大人になる。他人の考えが分かれば、便利で素晴らしいと思っている人もいるだろう。でも、そうなると、伝えたくないことも伝わってしまう。自分が痛くない時に、痛みが伝わってしまう。それって本当にいいことなのか。考えさせられた。
多数決の国。正しいことは全部多数決で決まる。数の利だ。少数派の意見は埋もれてしまう。現代社会もその部分があるように思えてならない。少数派が生きやすい社会とは、私には思えない。必ずどこかで邪魔が入る。それは必ず、人間だ。それは時に形を変え、人間が作った、法律だったり、憲法だったり、モノだったりする。人間はそれに気づかない。人間が他の人間を生きづらくしていることに。なぜなら、多数派だからだ。また、もしも、正しいことが全部多数決で決まったら、怖いと思う。その悪い例は、戦争だ。戦争を望まない人がいたとしても、戦争を望む人が多ければ、戦争をしてしまうだろう。多数派が正しいと思うような風潮は直すべきだと思う。
平和の国。何かを得るためには何かを犠牲にしないといけないという言葉がぐっとくる。隣国同士で戦争をしていたふたつの国。その子供たちが戦争に行き、死んでしまったと悲しむ館長はある考えを思いつく。それは、タタタ国の人たちを撃つことで、その数をカウントし、勝ち負けを決めることだった。その国の人たちの犠牲と引き換えに、自国、敵国の人たちは死ぬことなく、生活を続けられる。いい方法だ、と言う。でも、タタタ国の人たちはどうか。キノとエルメスが出国した時、彼らに怒りをぶつけられる。僕たちはただ見ているしか出来ない。何も出来ない。だからほんの少しだけ、鬱憤を晴らすためにあなたを殺す、と。弱い立場にある人々の苦しみが垣間見えるシーンだった。平和の裏には、何か大きな代償があるという点では、現代社会も同じように思う。日本は平和だ。でも、平和と引き換えに安保理条約がある。そのせいで、沖縄に基地が置かれ、レイプ問題や飛行機の部品が落ちてくる問題など多くの問題に直面している。沖縄が犠牲になっているという見方をされても仕方ないだろう。現在社会では、何かを犠牲にして得るものが多いように感じる。例えば、服。先進国は発展途上国の工場から輸入しているが、そこでは大勢が低賃金で働かせられている。本当に何かを犠牲にしないと、何かを得られないのだろうか。考えさせられる。
この本では全部で6国めぐるのだが、特に印象に残った国をあげた。
文章が拙く、伝わりきらないところもあるだろうが、許してください。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
それでは、次回またお会いしましょう!またね!