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#123. 木こりの話と読書

イソップ童話の「木こりと旅人」という話があります。

木こりは、毎日6時間かけて木を10本切り倒していました。
しかし、だんだん斧の切れ味が悪くなって、切り倒すことができる木の数が減っていきました。
そこで、減った分をなんとか取り返そうと、1日8時間木を切る ようになりました。それでも、やはり切り続けるうちに8本、7本… と、倒せる木の数は減っていきます。
木こりはさらに1日10時間働くようにしました。そして、さらにがんばって木を切ろうとします。 そんな彼の道具を見て、通りかかった旅人は、木こりに声をかけました。

「木を一生懸命切るのもいいんだけどさ、その前に斧の刃を研いだらどうだい?」

しかし、木こりは答えました。
「わかっちゃいるんだけどね。今は木を切るのが忙しくてさ、それどころじゃないんだよ」

「木こりと旅人」の話 『イソップ童話』から


この「木こりと旅人」の話と似たような話ですが、「奴隷解放の父」と呼ばれたアメリカの元大統領、リンカーンにこのような名言があります。

木を切るために6時間もらったら、斧を研ぐのに4時間、切るのに2時間使う

エイブラハム・リンカーン


木を切るときに刃を研ぐことの例え話で、限られた時間の使い方を考える大事さを伝える言葉ですね。

ただただ一生懸命に体を使うよりも、少し頭を使って取り組んだほうが結果に繋がるという意味が含まれているように思います。


読書も、まず「全体を見渡してから」

先述の「木こりと旅人」の話や、リンカーンの名言に触れたときに思うことなのですが、私が読書をするときに心がけている方法にも通ずるような気がしています。

それは、いきなり最初のページから読み進めて最後まで読み切るのではなく、まず最初に本をパラパラとめくって全体像をつかむこと。
そして、目次を見て気になるワードがあるページから読んでいくというものです。

もっぱらこれはビジネス書に限った読み方で、小説やエッセイなどは基本的には最初からじっくりと読んでいきます。

リンカーンが木を切るなら与えられた時間すべてを切る作業に充てないということと、読書をするとなったときに何となく最初のページから読んでいかないということが、何か通ずるように思えるんですよね。

読書だけの話ではなく、例えば資料を見るときもまず全体を俯瞰して要点をつかむようなことや、例えば買い物でもまずは店全体を見るようにしてから何を買うかを決めることなど、「まず全体を見通す」ことって大事だと思います。

どちらが良い・悪いということではないですが、私は木を切るのに6時間を与えられたら、最初の4時間は斧を研ぐという思考をする人でありたい。

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