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「書く」という仕事

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文字を並べるという仕事についてつらつらと。
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What’s in my bag?

昨年の9月から10月にかけて、我が家は大規模な断捨離を行いました。最終的に45Lゴミ袋で50個分のモノを処分。家や部屋は、自分の心の中を表すといいますから、そこにかなりの空間ができると、さすがに色々な物事が動き出したような気がします。家の居心地が良いだけじゃなくて、仕事が一気に舞い込んできたり(汗)、プライベートも何かと変化がありました。 今回の断捨離のきっかけは何だったかと言えば、「カバンの中身を整理する」ことでした。カバンの中身がすっきりすると、今度は机の上のカオスに耐

自立こそ成長戦略なのか

「営業はしない」というスタンスでフリーランスを続け早8年。ほぼほぼ来た仕事を受けるという形なので、その時期に話題になっている案件が集まりやすい。 基本的に政治、経済、企業、インタビュー等が中心だから、ビジネスというジャンルでホットな人物とお会いすることが多い。ここ4〜5年を振り返ると、あるジャンルで大きな成果を収めた人は、その資源を使って「地方創生」に注力しだす傾向があるということに気付いた。 例えば、ある出版社の敏腕編集だった方は、埼玉県某市の市長になった。あるファンド

3年3カ月

その方と初めてお会いしたのは、2015年10月のこと。季節は秋に移り変わっていたけれど、暑さの残るよく晴れた日だった。彼はテレビで拝見するよりも小柄で、静かで、しかしその眼光は非常に鋭く、底知れぬ雰囲気を漂わせていた。当時、御年81歳。現役のジャーナリストだ。 彼はゆっくりと椅子に腰掛け、じっと私の方を見た。 「今日は、TPPの話をしようと思う」。 静かに、はっきりとした声で話し始めた。   彼は若い頃から報道のタブーに果敢に挑み、時代の寵児からマフィア、宗教法人、

オウム真理教、なぜ若者はハマったのか

ずいぶん長い間、型にはまった文章を書き続けてきたせいで、自分の文章というものが書けなくなってしまったばかりでなく、思考そのものも停止してしまったなぁと感じるので、まずは何も考えずに書く、というところからリハビリを始めようかと思う。 ライターというものは、本来独自性や専門性が武器になるものだが、私にはどちらもない。ただ、人より器用だったから、大手町に勤務するおじさま方が好むようなテーマ、つまり、一般的なライターが選び難いような分野でやってこられた。自らのスキルの程は分からない