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日本に住んで27年目にして出会うはじめましての食材たち

はじめまして、夕顔。

夕顔(ゆうごう)ってなんやねん。
答えは、野菜。

この年になって、生まれ育った日本で、はじめましての食材とたくさん出会うなんて思ってもみなかった。

持ち寄りでお昼ごはんを食べていた際、煮物を一口食べて
「この煮物なんですか?冬瓜ですか?」
と聞いたら
「ゆうごうだよ」
という、聞きなれない答えが返ってきた。

「はじめて食べました」と言ったら、
なんとも有難いことにおばあちゃんが家まで戻って夕顔という野菜を持ってきてくださった。

「大きすぎても食べられないと思って、1/3にしたよ」

と言ってラップに包んで渡された夕顔は、それでも十分大きかった。
まさかのわたしの顔サイズ。

さて。どうやって食べようか。
食べた感じ、冬瓜のような、とろっとした柔らかい大根みたいな感じだったので、いつも大根で作っている煮物を作ることにした。

下ごしらえは・・・

いただいた方に方法を聞いたら、皮をむいて、南瓜のようにワタを取るらしい。
やってみる。
が、ワタと食べられる部分の境目がなく、いったいどこまで取ればよいのかわかならい。さらには、皮の境目まで曖昧で、分厚くむかなくてはならないのか、少しばかり残っていてもよいのか、そんなことまでわからない。
このままでは初めて玉ねぎをむいた時のように、いったいどこまでむけばよいのかわからず、食べる部分がどんどん小さくなってしまう。
だからといって、余分な部分を残しすぎて、蕪のように皮が固かったりして美味しく食べられないのも悲しい。

考えてもわからないので、フィーリングで下ごしらえした。
うん、きっと大丈夫。

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あとは、大根と同じく乱切りにして、いつものように豚肉とともに煮込む。
途中で、別途茹でておいたゆでたまごも投入する。
さらに煮込めば・・・
いつもの大根と豚の煮物、ならぬ夕顔と豚の煮物の完成。

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さっそくひとくち。

・・・おいしい!!!
とろっとした触感、ほのかな甘み。
個人的には、大根よりも好きかもしれない。
そして、いただきものの煮物も美味しくてとても有難いが、見知らぬ土地で暮らしていても自分の味、すなわちお袋の味はすっーと胃にやさしく落ちてゆくなあと実感。

ああ。それなりに料理ができて、ほんとうによかった。
なにもかも初めてでとまどいに溢れていても、「いつもの味」というのはこんなにも心を落ち着かせ幸福をもたらしてくれるのか。

外食をするようなお店も近くにないし、そもそも友だちもいないし、できたものを買うようなお店もほとんどないので、これからも自分の食べたいものを作って、ほそぼそと生活していこう。
きっと体も健康で、料理の腕も上がって、いいこと尽くしなはず。

ちなみに夕顔以外にも、日々はじめましての食べ物には出会いがちである。

セリで出会って、職場近くのお惣菜屋さんで買ったカナガシラのフライは、あまりに美味しくてお惣菜屋さんの店内で揚げたてを完食してしまった。

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ぽんだらバーガーは、今まで食べてきたフィッシュバーガーと比べて魚の味が濃くて食べ応えがあった。

エゴ(イゴ?)は、おかず寒天みたいで不思議な感じがした。

町で育てているというハックルベリーで作ったジャムは、白Tシャツにこぼしたら死にたくなるくらいの蛍光紫色だった。(味はとてもおいしい)

まだ移住して一か月。
季節の移り変わりとともに、まだ見ぬ食べ物との出会いがあるんだろうなあ

楽しみにして、それぞれの季節をじっくり味わいながら日々を過ごしていきたいと思う。

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Yu Ishisaka
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