『明日のナージャ』がとても好きという話
『明日のナージャ』という、かつて日曜朝に放映されていたアニメがあります。
私は当時小学校5年生で、その枠を見るにはちょっと対象年齢から外れているかもしれない、と思ってヒヤヒヤしつつ観ていました。当時はなるべく大人びていたかったからね。
そして2023年、20周年記念の朗読劇に参戦したのをきっかけに再燃しました!配信サイトで全話観ました。素晴らしいアニメだった・・・
このページでこの作品の素晴らしいと思ったポイントなど書きます。
※ネタバレ含みますので、ご容赦ください。
明日のナージャってどんな話
一言で表すと、孤児院で生まれ育った13歳の少女が、母が生きていたことを知り、必ず会いたい、その想いを胸に世界を巡って探しに行く物語です。
時代は20世紀初頭、まだまだ身分制度があり、職業選択の自由がない時代。ナージャは孤児院を出て旅芸人の一座に加わり、世界(ヨーロッパ)を旅します。その中で色々な人(イケメン含む)に出会って縁を広げ、あたたかい出来事もあれば、困難に打ちひしがれることもある。何があっても明日を信じて希望を胸に進んでいく物語___という、歴史に社会に恋愛ありの盛りだくさんなアニメです。
ナージャの前番組がおジャ魔女どれみで、女児向けアニメ枠でした。とはいえ、物語の趣旨やちりばめられたメッセージは子供には重たい要素がありありだと感じました。小学校高学年以上くらいから観るといいかもしれない。ドレス着て舞踏会で王子様と踊ったりするクラシックなテイストで、好きな人には刺さる作品だと思います。
好きポイントは?
・ナージャの明るさに救われる
なんといってもコレです。ナージャは、どこまでも明るく、たとえ雨に打たれ泥にまみれても、けって染まらない、輝く太陽の様な子なんです。彼女は困っている人がいたら、自分のことを顧みずに人に分け与えることができる人です。
その一方で、よく悪い人間に騙されるのが心配なところです。旅先でスリや強盗に遭ったり、友達に騙されたり。ダークサイドに利用されちゃうんです。彼女はそんなことされても、何一つ誰かを恨まない。そんな彼女が私はまぶしい。でももう少し性悪説な部分を育ててほしいなあ・・
ブローチやオルゴールなど小物が素敵
女児向けアニメ枠として、オモチャ化される用のオシャレ小物の数々のラインナップがあります。ブローチと指輪、オルゴール、万華鏡、バトン、ドレス・・などがあります。ピンクと金に彩られた、素敵な品々。アンティークな小物の数々。これがまた、素敵。魔法のステッキはありませんが、由緒正しい古典な品、私は好きです。個人的には、ナージャのブローチ、指輪を収納するならもう少し小さいサイズがリアリティあるかなと考えています。指輪、でかすぎませんかね?あんな宝石大きかったらそら色んな人に狙われるわ。現実に即するとソラマメ大くらいがちょうどいいと思います。それとも、家紋を記すならあのサイズは適切なんでしょうか。海外ドラマで、印鑑機能を持つ指輪が出てきたのを覚えています。それを考えると妥当かな。その辺の知識がない。プロペリカで商品化されたら買います。ブローチもオルゴールも・・当時買えなくて悔しい。
こちらの動画で小物の一つ、オルゴールが出てきます↓
・(個人として)そもそも海外ドラマなどの西洋テイストなものが好き
ナージャは20世紀ヨーロッパが舞台。日本とは全く異なる街並み、暮らし、故郷を異にするキャラクター・・とても惹かれます。元々私は海外ドラマが好きです。全く知らない新しい街並みや風景が展開されるナージャは海外ドラマに近い楽しみ方ができます。スペインやフランス、エジプトなど世界の絶景や観光名所の風景なども丁寧に描かれていたりして、清々しい気分になります。
・いろんなイケメンキャラがいて少女漫画的恋愛が楽しい
もう一つ大事な要素といえば恋愛です。少女漫画色がやや強いので、イケメンが各地で出てきて、ナージャに夢中になってくれます。
メインはイギリス貴族でナージャの命の恩人の、フランシスとキース双子の王子様ですね。金髪で青い目の、誰もがカッコいいとため息を吐くほどのイケメンです。
その他は孤児院の幼馴染や一座で寝食を共にする日本人ケンノスケ、考古学博士のタマゴのクリスチャンや、女性に甘い言葉を投げるのが得意なレオナルド・・OPの舞踏会で色々な男性と踊っている場面ありますが、あんな感じでナージャは各地で男をたらしていきます笑 ナージャの心にいるのは双子なのですが、かっこいい男性キャラいーっぱいでてきます。誰とくっついても面白そう。ケンノスケとかもずっと一緒にいて味方になってくれて、いい奴だとおもうよ、ナージャ!
ここで欠かせないのが「星の瞳の騎士」というパワーワードです。1話でナージャが、危ない所を助けてもらった王子様(キース)を形容する言葉。当然のように生成するこのワード。私これを観た時は11歳だったのですが、恥ずかしさとカッコよさに、わああああ・・!!と心が弾けたのを思い出します。忘れられない・・・少女漫画的にベタでありつつ、確かにそうなんだよね。っていう。
恋愛描写がとても濃いです。女児向けには濃すぎると思うくらい。ナージャ13歳で気持ちもはっきり確かめ合ってないのにキスしちゃったりします。26話の「フランシスの向こう側」回の脚本が私大好きで、改めて見直したときはドキドキしてしまって。この26話は、作画や背景の素晴らしさが評価されて話題になっている回ですが、私は脚本が一番好きです。乙女心をくすぐるストーリーです。この話ではスペインでナージャがキースと出会い、観光デートをします。ナージャは彼に対して何かの違和感を感じながらも、「今のあなたが好き」と伝え、いい感じになって2人はキスをします。そこで終わるかと思いきや、最後には・・・語ってしまうとネタバレ進むんでやめます。恋愛描写好きな私にはとても刺さりました。なかなかあんな心にくるお話、味わえないと思いました!
・音楽がたまらない。
何といっても、ダンスシーンで使われる。ワルツですね。切なく心に響く一曲。ナージャが母の思い出の品に触れたり、恋のお相手フランシスと踊るときなどにBGMかかります。私はピアノが弾けるので、いつか楽譜購入して弾きこなしたい・・
・困難と闘って生き抜く話がそもそも好き。生き方のお手本を見せてくれる。
仕事が好きな方ではない私は日曜日の夜が好きではありませんでした。明日を迎えるのが怖くてたまりませんでした。でも、このアニメを見てからは変わりました。
上手くいかないことがあっても、希望を胸に、挑戦を続ける。大事なのは、生きよう、前に進もうとする意思だということ。・・このように書くとベタですね。
ナージャは旅の過程で災難な目に沢山遭います。大好きな親友に騙された上、母のドレスを引き裂かれたり、大切な人を亡くし、育った孤児院は廃墟になっていたりする。乗客の喧嘩の仲裁に入り、せっかく得た列車のチケットを紛失してしまう・・などなど困難が容赦なく彼女を襲います。
それでもナージャは人を恨んだりはせず、突破口を探して、がむしゃらに進むのです。けして絶望して手を止めない。「お人よしすぎる」「愛されてるだけじゃ生きていけない」とか批判は浴びるけれども、そんなこと本気にしない。「お母さんに会いたい」その願いだけで、全てのマイナス要素を吹き飛ばします。彼女から私は学びました。何かを強く願った時、どんな困難があっても人は前に進むのだなと。ナージャは人からどんなに意地悪されようが、否定されようが絶対に諦めません。投げつけられた批判の正当性とか関係ありません。母に会うために、明日も明後日も生きていく、この願いを胸に進む。誰も彼女を止められません。
そして私も、彼女の生きざまを見習いたいと思いました。私はよく日常に疲れ、明日が来なくてもいいと思ってしまうタイプなので。理由の正しさなんか関係なく、強い願いがあれば。明日は超えられます。日常で憂鬱なことはあるけれど、それ以上にやりたいことがあれば、その願いをもっと燃やして、明るく戦っていけるのだ、そんなことを彼女から学びました。
ナージャにおけるヴィラン(悪役)の考察
前トピックと全然繋がらない話!笑 でもこれは欠かせません。
明日のナージャといえば、ローズマリーですよ。本作の悪役です。見た目かわいくて頭がいい子なのですが、中盤にさりげなく登場し、力をつけナージャと敵対、そしてかな~り悪い事をしちゃう子なのです。
彼女の非道っぷりにいい意味で心を動かされまくったので、感想をつづります。
あ、ちなみに彼女が嫌いだからアンチ的な話をしたいのではありません!ここ重要。
ローズマリーって何した人なの?
平たく言うと、ナージャが母親と再会するのをめちゃめちゃ邪魔してきた女の子、です。
ナージャとは同じ孤児院で育った友達同士にも関わらず、「自分こそがナージャ」だと名乗り、ナージャの母親および家族、地位、名前までもごっそり奪おうとしました。ちなみに本人は罪悪感とかありません。終盤で口では「悪かった」と言ってましたがたぶんそこまで悪いと思ってないでしょう。そんな悪役です。
ネタバレ込みでローズマリーの経歴を事実ベースで紹介しますね。
1.孤児院でナージャと仲良しこよしで育つ。
2.貴族のお屋敷に奉公に出される。
3.ナージャと再会、近況報告をしあう。
4.ナージャが貴族の娘と知ったことで彼女の敵に近づき、ナージャになりすまして生活する。
5.最終的にバレて、ナージャの実家のお屋敷を出ていく。
事実ベースに書くとこんな感じです。これでは彼女の輝きが伝わらない!さあ次のテーマで深堀る!
ローズマリーによって投入される物語のスパイスとは?
①友人(ナージャ)を平然と利用しちゃう
ナージャとローズマリーは孤児院で共に育った姉妹のような友人関係でした。孤児院で別れてから再会するまでは、お互い平凡な友情を保っておりました。しかし、ローズマリーはナージャが貴族の娘であると知ると、ナージャになりすまして生きることを画策し、ナージャを母から遠ざけるのです・・友達なんだよ?ナージャと心理的な縁を切る部分については「ナージャ悲しませることになる・・!」とかの葛藤描写は一切ないので、当然のごとくやっちゃえる人ということです。
私は幼少期の2人の回想シーンから、「ローズマリーはナージャのことをはじめからなんとも思っておらず、利己的な人」だと考えています。孤児院で暮らす回想シーンでローズマリーの心の声が聞けるのですが、ナージャに親切にされても「都合のいいヤツ」としか考えてないコメントをしていました。小さいころ初見で観た時は、普通の女の子だと思ってたんだけどな・・
ローズマリーには夢があります。「プリンセスになること」です。これ以上具体的に言語化されていないものの、キラキラして社会的に地位を得た女性になること・・と読み替えられます。この夢を叶えるためには、どうしてもお金が要ります。しかし彼女には身寄りがなく、任せてもらえる仕事はメイドなどの下働き。そして20世紀ヨーロッパ、身分制度バリバリの社会。ここから這い上がる手段なんかその辺に転がっていません。そこで彼女は意を決し、手を汚すことを選びました。
倫理観を捨て、ナージャを利用して夢を叶えるか、このままメイドや下働きで人生を終えるか・・といったら後者を取るのは理解できないでもありません。どうしても叶えたい夢があるなら、人は倫理や道徳を捨ててしまうのはあるのかなと思ってモヤモヤを整理しました。
②素手で友人母のドレスを引き裂いてしまう(彼女は10代女子)
友人がそれはそれは大切にしている、お母さんのドレス。それを彼女は本人の目の前で物理的に引き裂く。
38話「ローズマリー笑顔の陰謀」にて、ローズマリーはナージャの目の前で、彼女母のドレスを手ずからビリビリして、お屋敷の窓から眼下のナージャにポイと放って投げてみせるのです!!!!おいおい、ドレスってティーン女子の素手で切り裂けるもんかい?は考えてもいい。残酷なシーンが和らぐ。
そしてトドメに「かわいくて愛されてるだけでは生きていけない」「さようなら、どこの誰かも知らないお嬢さん」など役どころが光るセリフを言ってのけるという・・
この段階のローズマリーは、ナージャにバリバリなりすましてすっかり貴族のお嬢さんです。ナージャ本人には「貴族のおじさんに唆されてこんなことをしてる、助けて」とか泣いてみせる始末。クライマックスシーンだけ紹介すると作中ではそこがイチバン、非道なシーンだと私は思います。
この後ナージャはドレスを拾い集め、貴族のお屋敷から雨に打たれて帰路につくのですが、私だったら立ち直れませんよ・・(´;ω;`) だって大好きな友達がとても酷いことをしてきて、その上自分の名前と身分、家族を奪ってヘラヘラしている。自分は貴族の屋敷から不審者として追い出される。これ以上悲しい事って13歳くらいの子にないと思うんですよね。こんなことがあっても、ナージャは絶望しないんですよね。
③ナージャの前で平然と嘘を吐く
「私はナージャ(ホントはロズマリ)、庶民のあなたなんか知らないわ♪」的な態度をご本人の前でしちゃいます。貴族特権とかわいさをフル活用して大人を動かし、ナージャに容赦ない世界の厳しさを突き刺す。真っ赤な嘘を平然とついてナージャを悲しませ、周りの大人たちを信頼させるという技を使います。
ローズマリーがナージャと友達設定なのがキツイ!知らない人同士なら「ふざけんな」で済みますが、友達です。ナージャは輪にかけて天使の様ないい子なので、ずっとどこかで彼女を信じています。それが傍から見てると辛い・・
そんなわけで、ナージャを観るにあたっては降りかかる困難な運命を観ることが辛いかもしれません。ナージャ視点に立つと、もう憎らしくてモヤモヤして・・・。
そこで私がしたことは↓です。
視聴が辛いので、ローズマリーのいいところを探してみた
①作中でダントツで頭が良く、現実を分かっているところ
ローズマリーは利口で、どう振る舞えば貴族社会で信用を勝ち取れるか、常に考えて適切な行動がとれます。貴族の親戚には礼儀正しく愛想よく振る舞い、ナージャが近づいてきたときは、けして慌てず慎重に、周囲から本物だと認められるにベストな振る舞いをやってのけます。ナージャの母親探しが新聞記事になるときには、敢えて取材に応じて写真も撮ってもらい、自分こそが本物だとアピールしました。メイド時代に「仕事ができない子」と周りから思われてたのが嘘みたいですね。
このアニメのはじまりの敵は、家督と財産相続を狙うナージャ叔父のヘルマンなのですが、ヘルマンを上回る頭の良さでしたね。ヘルマンがローズマリーを援助するの図だったのに、終盤は彼女に支えられて、最後は利用価値なしと見捨てられていました。やっぱり貴族は温室育ちで、生き抜く力はロズマリには勝てないのかな。
「ナージャに成り替わった!これで貴族やって優雅な人生♪」で満足し何もしない子なら、こんなに活躍できていないでしょう。地位を得ても、努力し続けなければ居座ることはできません。それをしっかり理解している子なのは素直に尊敬です。
②人を愛せない分、憎みもしない?
ローズマリーって人を愛せないんですよ。ナージャのことも気に入ってはいるけど、ナージャ好き、私が幸せにしてあげたい的なことは思わない。自分にとっていかに利用価値があるか、という方向で世界を捉えている印象です。彼女は人を愛せないんだと考えています。愛している風には振る舞えるけど、それはフリです。
でも、その一方でローズマリーはナージャのこと嫌いか、というとそうではないかなと思いました。嫉妬して、酷い事を沢山しましたが、嫌いではない。その証拠に、ナージャの命や大切なもの(お母さんの思い出の品々)は奪いません。ドレスだって燃やしてもよかったはずだし、ナージャが逮捕された折には釈放願いを出しています。ここが彼女の倫理観を感じますね。命だけは許してくれる、目的が果たせればそれ以上は危害を加えない。それが彼女の超えない一線でしょう。
私は海外ドラマで、お金や地位のために毒殺や暗殺事件が茶飯事の、激しい政争ドラマを観てきたので「これがあの海外ドラマならロズマリはナージャ暗殺してるよな・・」と思ってしまいました。そのドラマでは自分ののし上がりのために、お金を積んで犯罪することも厭わない世界観なのです。日曜日の子供向けアニメだから絶対それはないけど。
そんな彼女を見ていたら、「人を愛さないなら、憎みもしないんだな」という一説を見つけました。ローズマリーは己の野心のため、それだけを軸に生きています。気に入らない他人をボロカス言うけど、嫌いを理由に危害を加えたりしません。好きな人もいないだろうけど。
③「もしナージャがスンナリ母に会えていたら?」ルートを肩代わりしてくれた
ローズマリーはヘルマン叔父の協力を得て、「私がナージャです」とナージャ実家の当主の公爵(祖父)の元へ、門の真ん中を潜り抜けて会いに行きました。そして貴族として少しの間生活します。さて、こんな風に正面から迎え入れられたらナージャはどんな生活をするのか。そのIFルートの切り込み隊長をしてくれたわけです。それに感謝。
貴族といっても、遊び暮らしているわけではありません。家を引き継ぐために幼いころから勉強漬け、自由に外に出かけられない。遊びに行ける場所も限られている。行動制限が多々あります。確かに上等な暮らしはできるけれども、果たしてそれがナージャの幸せなのか。違うのではないか。私はナージャがまっすぐ実家に帰ってこれたとしてもこの窮屈な家では、ナージャはとても満足できず、飛び出したくなってしまうに違いない・・と思いました。それをローズマリーは先行で見せてくれた。
知識がないからなんとも言えませんが、ローズマリーがナージャとして生きて公爵家を継いだとしても、成人する前に誰かと結婚することになったと思うんですよね。貴族の子女は結婚して家を継いでいくのが当然のルールです。ローズマリーは金持ちやイケメンと結婚したいとかそっち方面の夢は持ってない女の子ですから、絶対途中で逃げ出すか、自分が裁量権を得られるように裏から支配していくかのどっちかをしていくだろうと予想しました。「常識や伝統に縛られず、一人の女性として人生切り開いていきたい」という想いは、ナージャもローズマリーの共通点です。2人は結婚して子供産んで家を継いで・・なんて決められた人生レールはまっぴらごめんでしょう。自分の意思で世界に向かって羽ばたいていきたい子たちですから。
全話観て回収されていないポイント
まだ伏線や闇が拾いきれてないかな・・と思う部分について語ります。
・ローズマリーの因果応報的展開
ディズニー映画などではお決まりの、悪役に降りかかるバッドエンド。悪い事をしたら災難が自らに降りかかってくるという、フィクション上の世界ルール。それが、なんとこの作品にはないのです。ローズマリーは偽装がバレると、とっちめられる前に自ら豪邸を後にします。それだけです。ナージャに散々非道なことをしたのに、彼女が窮地に立たされる場面は特になし。美しい幕引きを見せてくれましたが、なんだか物足りないです(おい ナージャのシーズン2以降があれば何か描かれるのでしょうか。主人公は何があっても生き残るというお約束がローズマリーにもかかってる気がします。個人的にはすっきりしません。どこかでペナルティを負ってるところが見たい(悪い趣味ですみません
無理矢理考察すると、ヘルマン叔父の顛末がローズマリーの因果応報の代替なのかなと思いました。自分の普段の行いによって、いずれ人は味方をすべて失い、最後は独りぼっちで困窮することになる・・ヘルマン叔父はローズマリーの先輩かもしれない。わからんけど。
・ヘルマン叔父救済ルートはあるか
ヘルマン叔父は、ローズマリーから利用価値なしと見透かされた上、悪事と借金をしていたことがバレて公爵から親子の縁切りを言い渡され、普段のモラハラから妻子にも見捨てられ、獄中で絶望するというエンドを迎えていました。まさに自業自得・・・
そんな彼も人生に苦しんでいた描写がちらりとありました。父である公爵から跡取りとなるべく勉強漬けの毎日を強制され、成人になって自由を手にした瞬間羽目をはずし、散財や享楽にふけってしまったと。これ、公爵って毒親なんじゃね・・・?もちろん普段から行いの悪いヘルマン叔父が原因だけど、公爵の毒親っぷりも原因の一つなのでは?彼に救いはないのかな・・・と思ってしまいました。貴族は世襲ゆえ、将来の職業選択の自由がなかったヘルマンは、自分に向いてない仕事を担う責任感に押しつぶされ、自信をなくし、不良やってないと生きていけない人間になってしまったかもしれませんね。
彼は相続争いの敵:ナージャを消そうとする黒幕でしたが、ローズマリーに雑談を振ろうとするなど、人間らしい愛嬌を持ち合わせた人物だと感じました。すべてを失った彼ですが、それでも何か生きる道を見つけて幸せに生きれるといいなと願います。
・プレミンジャー家を継ぐの大丈夫そ?
ナージャ祖父の厳格さによって息子のヘルマン叔父は不良になり、ローズマリーは「貴族なんて窮屈でやってられない」と未練なく出て行ってしまいました。このことから、ナージャ、跡取りやれそう?やばくないか・・と心配になりました。ナージャ祖父が厳格なのは当初から変わっていませんからね。ナージャ祖父は家族の絆より、一族の繁栄と存続を願っていますから。それを優先するあまり、不肖の息子より、消息も生い立ちも不明なナージャを跡取りとすべく探していたわけで。
アニメ続編として出た小説では仲良くやってそうな感じだったのでちょっと安心しています。ナージャの性格からして貴族ではいたくないかもしれないけど、今後彼女がどう実家と向き合って生きていくかは気になるポイントです。
・あのイケメンどうなった
星の瞳のナイト以外にも世界各地のイケメンは何人も登場しつづけました。そしてナージャにお熱になっていく。OPのダンス映像でもおわかりのように。
OPに出てきた割には、いまいち出番少なかったのでその後が知りたい。ナージャと接点があまりなかったキャラもいるし。オスカー(ヘルマン叔父の養子)とか。
ナージャは双子が本命で、他の男性は眼中にありません。でもちょっと見てあげてもいいんじゃね?と思います。クリスチャン(イギリスのミイラ博士)は実家の手がかりを見つけてくれたし、ケンノスケだっていつも傍にいてナージャを助けてくれた。ナージャは各地で男をたらしていくけど、双子以外の男性キャラがなんか救われない・・と思ってしまった。
さいごに
ナージャを全話通して観たら、また世界が変わって見えました。
毎日仕事とかでうんざりすることもあるけど、ナージャのように困難を打ち砕き、明るく前に進んでいくマインドを学びました。
ナージャの明るさや世界の美しい風景、人々の優しさから、観た後すっごい空気が爽やかに感じます。
このアニメは「ニチアサにしては重い内容」とよく言われていますが、私は分かります。これは日曜日の朝見て、世界の美しさをより感じられるアニメだって。この清々しい気持ちで、月曜日から勉強や労働に励める。
ナージャを制作してくださった皆さん、ありがとうございました。私はこのアニメが大好きです。
※当記事は私の個人サイトから転載しております。
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