押し売りという言葉
「押し売り」とは一般的にそれを買う意思がない者に無理やり商品などを売りつける行為を意味します。
この押し売りの対象は商品だけでなく目に見えないものもあります。
「親切心の押し売り」
「愛情の押し売り」
など
これらも立派な押し売りの対象と言われ、勿論その行為者には押し売りなどという意識はなく真の「親切心」や「愛情」からくるものであると信じて疑わないわけですが、あくまでそれは私たち当人の意識の上での話になります。
「相手は喜んでくれるだろう」
「相手は嬉しいに違いない」
私たちはそのように考え相手に対し親切にし、その愛情を注ぎます。
しかしながら時に私たちが望むことと相手が望むことは異なります。
更に私たちがして欲しくないと思うことと相手がして欲しくないと思うことも異なることがあります。
ここで私たち情緒的に未成熟な人間はそのエゴイズム(自己中心性)から自分のして欲しいと思うことは相手もして欲しいことと考え、自分のして欲しくないことは相手もして欲しくないと考えてしまいます。
それら自分と相手の望むことの違いに気づかず自己中心的な想いから相手に親切にしてしまうことが結果として親切心の押し売りとなり、愛情の押し売りとなってしまうことがあります。
セールスマンの営業は商品を売るというその使命から相手が望もうが望まなかろうがそれを承知で認識しながらも商品を売りつけます。ですがエゴイズムから発せられる親切心や愛情はその行為者当人はそれが相手に対する善行であると信じて疑わず気づかないまま無意識のうちにそれがなされます。
もし相手がそれを望まないと知ることになれば「せっかく〜してあげたのに」と負の感情が湧きそれを相手に向け更に自分自身もその負の感情に囚われてしまうこともあるでしょう。
勿論、受け手側も相手の気持ちを察し感謝の気持ちを返すことが大切であることは言うまでもないことと思います。
親切心の押し売り
愛情の押し売り
それらはいずれも自己中心的なエゴイズムからのものでありますが、私たちは多くの場合それらを自覚することはありません。
それは善行であり相手に対する親切であり愛情であると信じて疑わないものです。そしてそれは時に攻撃性を併せ持つ場合もあります。
本当にそれは相手が望んでいることだろうか
本当にそれは相手のためになることだろうか
もしかしたらそれは自分の身勝手なエゴイズムに基づく自己満足ではないだろうか
自分の気持ちを一方的に相手に押し付けているだけではないだろうか
私たちは日常において今一度それらを考える必要があるのかもしれません。
・・・
end
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