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みんなで駅弁食べるんだッ

新幹線での出張を繰り返すうちに現地の仕事場で仲良くなれたひとたちがいる。彼らに会うとめちゃくちゃ元気が出るので毎回会える時を楽しみにしているのだが、この会合、唯一問題があった。

それは、現地の食の選択肢がめちゃくちゃ少ないということだ。近隣に食べるところはあるがめちゃくちゃタバコフレンドリーだったり、夜から開いたり、カウンターしかなかったり、、といった具合で、「ちょっとランチでも行ってさ〜おしゃべりでもしな〜い?」といった需要をなかなか満たしづらい。

たびたび悩んだ挙句今回提案したのが、「私が新幹線の駅で種類の違う駅弁を人数分買って持っていく」というものだった。これが大成功大好評大満足で、やはり駅弁は良い…となったと同時に、駅弁の非日常を日常の中で味わうそのギャップにもワクワクするなぁと思わされた次第だった。電車の中で食べないのは不思議な気持ちだったが、別に電車の中で食べなくたって美味しいのだ。その固定観念を取り払った時に楽しいランチタイムが爆誕して、たいそう嬉しい日になった。

駅弁大好きだ。出来立て熱々とはまた違う喜びがあるので、駅弁を食べるチャンスをいつも楽しんでいる。
私の駅弁における最古の記憶は淡路屋さんの『ひっぱりだこ飯』である。どこかへの旅行の際に両親が食べていて、その旅以来この壺がペン立てとしてずっと家にあった。重さがそこそこあるものではないのでよく持って帰ったなぁと思ったりもするが、原風景である。


次に思い出深いのは、荻野屋さんの『峠の釜飯』である。容れ物の可愛らしさはさることながら釜飯そのものとしての味わいも本当に大好き。くったりと煮られたしいたけがもうほんとにほんとに好きですね〜〜

この容器で母がご飯を炊いてくれたこともあった。吹きこぼれるのをチョイチョイと布巾で拭きながらやったわよ〜とのことだったが目が覚めるくらい美味しくて、1合くらいだったがペロリと食べてしまった。植木鉢やスピーカーとして活用する方もいらっしゃるらしくて、うーん、手頃な容れ物というものは活動範囲を拡張するものよ…としみじみ思ったりする。

大人になったいま、出張となったときいつも選ぶのは柿の葉寿司なのである。メーカーさんを問わず愛していて、ついこの間このnoteにもその話を書いたくらいだ。昔お世話になったかっこいい上司の影響で好きになって、いつ食べても嬉しくなってしまう


ときどき幕の内なんとかとか、季節のなんとかとかに心ときめいて、そういうのを選ぶのも楽しい。普段家でも外食でも食べないメニューを選ぶからワクワクするのだろうか。スーパーやコンビニのお弁当も好きだけど、駅弁はやっぱり特別だ。そう沢山巡り合わないだけに、旅の味がするのだ。ちょっとだけ硬いご飯の感じとか、味がビビッドなおかずとか、「「「これはデザートとして入っていますよ」」」と見るからに伝わるお菓子的立ち位置のやつとか、全部が愛おしい。

次に現地のなかよぴ達に会えるときも駅弁を買って行けたらいいと思うし、とはいえ食中毒とかなりませんように…とこわごわしていたところもあったので、願わくばそのときはこんなに暑くないといいなとも思っている。

駅弁、大好き。

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