親友と結婚式を挙げた話
というのも少し前の、1年ちょっと遡った話。
「今年で出会ってから10年になるけど何かする?そろそろ縁切る?」
なんて話を親友と飲みながらしてた時にふと思い立ったのだ。
「じゃあ、結婚式しようか」
親友ちゃんとは高校1年生の時に、高校演劇のワークショップで知り合った。学校は違う。彼女と家と私の家は電車で2時間ほどの距離だったので、月に一度彼女は高速バスに乗って遊びにきていた。
私が引っ越し、彼女が引っ越し、何かと波乱万丈な10年を乗り越えて今はお互い電車で30分くらいのところに住んでる。
結婚式、といっても実際に式場を借りるわけじゃない。よく行く近所のカフェバーを借りた。共通の友人を10人くらい呼んだ。日付は私の誕生日の次の日。(本当は当日が良かったけど、当日はお店が休みだった。)友達には結婚式に行くような格好で集合、というLINEを送った。
お店の人と打ち合わせして、迎えた当日。平日の夜なのもあり、仕事終わりに直行する子もいたけど、みんな思い思いに着飾ってくれていた。
私達は、楽天で色違いのウェディングドレスを買って揃えて着た。ちゃんと美容院で髪のセットもしてもらった。
特に特別なこともない、結婚式という名目で集まってもらったけどなんてことない普通の飲み会だ。でもちょっと可愛い格好して特別な名称のある飲み会が楽しかった。
お店に頼んで2人のイメージのカクテルを作ってもらった。
チェリーの甘酸っぱいカクテルがなんだかふと照れ臭くなった。(美味しかったです)
10年続く友人って今でこそSNSの普及でだいぶ珍しくなくなったんだろうけど、それでも頻繁に連絡とることって少なくなるもので今会う友人が1年後、2年後も遊んでる確証はなくて、そう思うと10年一緒にいられるということは凄いことなのではないだろうか。
そんなこんなでそろそろお開きの時間である。
会計をしようとしたら、店員さんから「相方さんからですよ」と差し出された。
「誕生日おめでとう」
そういえばそうだった。
誕生日は、1年で1番自己肯定感が高まる日だと思う。誰でも無条件におめでとうと言ってもらえる日だ。だから、この日を選んだ。私の誕生日に10年を祝いたかった。
いつもありがとう、今日は集まってくれてありがとう、祝ってくれてありがとう。これからもずっと一緒にいてください。
その後、ドレスはちゃんとスタジオを借りて後撮りをした。
その場の思いつきでよくここまでやったなぁと思うけど、全力の遊びはやっぱり楽しい。