森宮ゆず

舞台俳優と脚本家、時々カメラマン。 日々の心のつっかかりを吐き出す場所。

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最近の記事

「鏡の中のミザリー」について

今回、初めて自主企画というものをやってみてと、それをやるに至った話やら裏話やらを書いてみます。基本的にネタバレや製作話になるので、これから動画や台本読まれる方はご注意を。逆に意図が知りたい!と思ってくださる方はスクロール。 「自殺の話を書いてほしい」というオーダーから、この話は出来上がりました。 元々、私と今回共同主宰をしてくれたArisaちゃんは、配信アプリの「17live」で出会いました。私が去年企画したライブ配信アプリを使った朗読劇、通称イチナナ朗読を見て声をかけて

    • 大人になってしまった少女は、今でも空を飛べるだろうか

      続き。 とはいえ、続きというほどではない。 それぞれが独立した話だ。 そもそも前回の記事から時間経ちすぎてしまったので、もはや続きとも呼べない。 そして前回の話が思ったより反応が大きくてちょっとびっくりしたのだが、やはり皆同じような悩みを抱えているのだと思った。 昔は男の子に間違われてたと書いたが、小学3〜4年生の頃にはそんなこともなくなった。 髪を伸ばすことも違和感を覚えなくなったし、可愛い格好もするようになった。 ただ、今度は逆に「女らしくする」ことが恥ずかしくなって

      • 魔女の条件 上演台本

        魔女の条件 作 森宮ゆず  方言監修 寺田結美 登場人物 キリコ マリアの長女。魔力が弱い。 リリカ マリアの次女。好奇心旺盛で負けず嫌い。 カナト キリコとリリカの従妹。聡明な策略家。 マリア 現代の魔女。かわいい雰囲気だが実はかなり強い。

        ¥500
        • 男の子に間違われても、女の子でいなければならなかった

          私に性別を問われたらおそらく10人中10人「女」と答えるであろう。 それは紛れもなく正解であるし、間違いだとは思わない。 私自身も自分のことは女だと思って生きてきた。毎日水を飲むことが当たり前のように、私が女であるという事実もまた当たり前だった。 その筈だった。 性別なんてものは記号だと、私は思う。 生きていく上で生物学上雌雄が分かれているだけの話だ、他の哺乳類だって同じ。それは人間が動物である以上は変わらないんだと分かってる。 性別というものに対しての意識が変わった

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        • 戯曲
          1本

        記事

          応援は義務ではない話

          「見に行けないけど応援してます」 「見に行けないけど頑張って」 という言葉について、この前議論が上がっていた。 勿論、それについて思うことは人それぞれなので自由だ。その上で私が気になる言葉がある。 「今回は見に行けなくてごめんなさい」 我々は勿論、応援してくれる人がいないと成り立たないわけなのだが、それに対して応援してくれる側が謝る必要性はないと思っている。 そうなってしまうと「義務」になってしまう。 舞台をやる側は「仕事」だけど、見る側は「娯楽」であり「趣味」である

          応援は義務ではない話

          ランチの女王になりたかった

          あまり訃報で泣かない人間です。 多少は動揺するけど、人は天寿を全うしたら召されるものだとどこかで思ってる自分がいます。 親族の時は少し泣いたけど、その後の慌ただしさにかき消されてしまってちゃんと感傷に浸る時間があったのは祖母の時くらいだったかもしれない。 久しぶりに人の訃報で泣きました。 小学生の頃、テレビドラマを見る習慣がなかった私が初めて夢中になって見たのが「ランチの女王」でした。 明るく一生懸命で魅力のある美しい女性が美味しそうにご飯を食べる姿が印象的でした。

          ランチの女王になりたかった

          今、演劇をするということ

          お久しぶりです。森宮です。 相変わらずコロナが猛威を振るう中、出演情報が公開になりました。 10月にヅカ★ガールさんの「妖花迷宮」、11月に表現集団蘭舞さんの「雨の中、もう一度あなたに会いたかった」に出演します。 こんな中で芝居してる場合かという意見があるのは勿論なのですが、でもこんな時だからこそやる意味もあるのかなと思います。 様々な事情でこの先、演劇を諦めていく人は増えていくと思うし、私もそうならないとは言い切れません。 そうでなくても時代は進化するし、舞台演劇

          今、演劇をするということ

          サザン聞いて泣けてきたら大人になったと思う

          母の一人称が、最近「私」になった。 この違和感は何だろうと思ったらずっと一人称が「お母さん」だったのだ。 「お母さんね」「お母さんはね」と言っていたので、なんとなく「私は〜」という母に違和感を感じてしまったのだった。 ちなみに、父も母のことを「お母さん」と呼ぶ。祖母が「お母さんって呼ばれると自分のことだと思ってたけど、今は違うのよ」と笑っていた。 母と私の関係はこれからも変わることなく「母と娘」なのだが、今年一番下の弟が就職したこともあり、一旦「母の子育て」は終了した

          サザン聞いて泣けてきたら大人になったと思う

          「恋」の意味を考える

          タイトル詐欺かもしれないが、今日する恋の話は恋愛の話ではなくて「恋」という字についての話である。 私の親友は、所謂文学オタクだ。学生時代の話だが、彼女が友人と喧嘩したと言ってきたことがあった。理由を聞くと、「そんなことでって言われると思うんだけど」と前置きし、こう言った。 「恋、って漢字は下に心があるから、恋には下心がつきものだっていうのね」 「でもさ、旧漢字の恋の字、分かる?」 「いとしいいとしいと言う心って書くんだよ」 「戀って字を作った昔の人は、絶対そんなこと

          「恋」の意味を考える

          家にいる今だからやれることを探す

          明日を生きるのを精一杯の人がいる中で、自分はまだ恵まれた環境にいると思います。暇だなと思えることは恵まれてるんだと思うんです、まあお仕事ないのは困ってるんですけどね。 そういう中でも時間は有効に使いたいと思うので、この機会に今までちゃんと出来てなかったことをやろうと思いました。 まず心身共に健康に過ごすために ・3食食べる(自炊) ・換気して掃除 ・なるべく昼寝はしない ・1日最低10分の筋トレ ・お風呂に浸かる なるべくこういう生活を心がけてます。 まあで

          家にいる今だからやれることを探す

          死してなお、美しい人の話

          私の祖母は魔女だった。 家に遊びに行けばいつだって綺麗に化粧をし、いつでも同じ髪型をし、黒を基調とした派手やかな服を着て出迎えてくれた。薔薇柄のティーセットにお茶を入れて、アイスクリームを用意してくれた。キティちゃんが好きな私に、箱いっぱいのキティちゃんを用意していてくれたこともあった。幼少期の私から見た祖母は、どこかこの世のものでないような雰囲気を持っていた。 彼女は、自分を魔女だと言っていた。 母や叔父も面白がって便乗し、ヒルを煎じて飲んでいるだの、背中に炎を纏って

          死してなお、美しい人の話

          チヂミとスマブラで世界は救えるかもしれない

          引き続き、楽しかった時の話をする。 3月になったばかりくらいの時期に、久しぶりに高校の友人グループで旅行に行こうとしていた。が、世の中はこんな状態なので旅行はやむなくキャンセル。 しかしながら、せっかくの機会なので何かしたいと思った結果「家で遊ぶ」ことになった。 日曜の朝、友人宅の最寄駅に集合した。ピザをとって、家でみんなでチヂミを作ることにしていたので後は好きなものをスーパーで買おうということで、各々好きなお酒やお菓子等を買って家に向かった。休日の朝から快く迎え入れてく

          チヂミとスマブラで世界は救えるかもしれない

          親友と結婚式を挙げた話

          というのも少し前の、1年ちょっと遡った話。 「今年で出会ってから10年になるけど何かする?そろそろ縁切る?」 なんて話を親友と飲みながらしてた時にふと思い立ったのだ。 「じゃあ、結婚式しようか」 親友ちゃんとは高校1年生の時に、高校演劇のワークショップで知り合った。学校は違う。彼女と家と私の家は電車で2時間ほどの距離だったので、月に一度彼女は高速バスに乗って遊びにきていた。 私が引っ越し、彼女が引っ越し、何かと波乱万丈な10年を乗り越えて今はお互い電車で30分くらいの

          親友と結婚式を挙げた話

          最新の自分を1番好きでいたい

          オタク垢抜けた選手権 というタグをツイッターで見た時、時代は進化してるなと感じた。批判的な意見も見かけたが私としては凄く良いものだと思った。 承認欲求という言葉は主にマイナスな意味で使われることが多いけど、別に承認欲求が強くて何が悪いというのだ。自分に自信が持てることは素晴らしいことだし、そういう自分を作り上げるために努力したってことだ。それを認めてもらいたいと思うのは当然だろう。そしてその努力は、その人が今後生きていく上で絶対にプラスになる。 私は表現者である以上、自

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          何にも思ってないわけないんだよ

          どうも、こんばんは。 世の中がこういう感じなので、あまりその話題に触れないでいようと思ってたの。 でもやっぱり、どうしても言わなきゃいけないなって思ったので今日はそれについて。 日々めちゃくちゃ考えてて言いたいことありすぎるからいつも以上に纏まってない。ただの独り言です。 まずは、平和な時にしかエンターテインメントは楽しめないというけれど、エンターテインメントは常に存在していていいと思っているし、エンターテインメントを提供する側はそれが生きるための仕事である。そんなこと

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          推しについて本気出して考えてみた

          色々なことが起きたせいでプチパニックを起こしつつもなんとか生きてます。とりあえず平和に生きたい。 普段から病みやすい自覚があるのですが、最近病んだことの一つの原因に「推し」というものがあって、まあ推しの状態は私の健康状態を大きく左右するので常に原因っちゃ原因だけど。 ちなみに色んな界隈に色んな推しがいるので、軽率に色んな人に「推しです❤️」という私ですがちゃんと皆さん全員本当に推しです。ご了承ください。 今回の推しは、別に演劇関係者でもなく芸能人でもなく、私の友人です。

          推しについて本気出して考えてみた