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徒然草 冷蔵庫に居る鰹のタタキにたどり着くまでの話

仕事で凡ミスをした。情けなくてむっちゃ凹んだ。
ミスの回収のために、現業でもパンパンなのに自分で自分の仕事を増やす始末。

起こったことは仕方ないのでせっせと前に進めるも、その分、ところてんのように仕事がニュルニュル溢れて間に合いやしない。

アー、何やってんだ、情けない情けない情けない。。深夜会社で残業しながら、あぁもう終電だ。

無事に終電に乗る。お腹が空いたなぁ。家に帰ったら解凍してる鰹のタタキを食べなければ。早く帰りたいなぁ。乗り換えのためメトロ池袋で降り、JRに乗り換え高田馬場を目指す。

…と思ったらまさかの人身事故。
「この電車はここで止まります」
おいおい、嘘だろう?

仕方なしに池袋でタクシーを乗ることに。はぁぁ、とことんついてないナァ。。

と思った時に、彼から電話が。そういえば一人で飲みに行くと言っていたなぁ。電話に出る。

「聞いてよー、池袋で降りなきゃでさぁ」
「あらま。大丈夫?帰れそ?」

声が酔っている。ヨシ、家に帰るまでお耳のお供をしてもらおうと電話を続ける。
足は池袋のロータリーに向かう。でもどうせ混んでるから途中で見つかれば飛び乗ろう、と考えてたら個人タクシーを見つけたので、ヘイ、タクシー。

車中での電話の許可をとり、彼との電話を続ける。他愛もない話をする、なんだか心が落ち着いてくる。
すごいなこの人のチカラは。あれだけ今朝から落ち込んでいたのにみるみるうちに軽くなる。

「お客さんごめんなさい」と声が聞こえる。airpodsを外して聞いてみる。

「ナビが壊れて、ずっとグルグルしてるんだよ、ごめんね、一度メーター止めてやり直すよ」

…次はナビかぁ。とことんついてない。確かにgoogle mapを開くと結構乗ったのに池袋からさほど離れておらず、池袋周辺をぐるぐる回っていたようだ。
ナビがうんともすんともだが、頭に地形が入っていた人なので、口頭で道を伝えて理解してもらった(最初からそうすればよかった)

彼との電話に戻る。流石にタクシー運転手の前では文句は言えない。他愛もない話を続ける。また心が落ち着く。すごいなこの人のチカラは。

無事に家前に着いた。結局、領収書が2枚になった。合計4,000円だったが、3,500円でまけてくれた。500円で明日のコーヒーでも買おう。

タクシー降りた瞬間から、愚痴爆発…と思ったけど、心が落ち着き過ぎてしまったからか、特にぶちまける必要もなく、穏やかな心で1日を終えることができた。

冷蔵庫を開ける。鰹のタタキを取り出す。
耳の中にいる彼と、鰹のタタキを食べた。

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