だから、もう眠らせてほしい
8冊目
緩和ケア医から見た“安楽死”というものについて。
私自身、安楽死制度は日本でもあったほうがいいと思う。
それはいざという時、自分の死(人生)は自分で決める権利があると思うから。
最後まで私らしく生きたいと考える人が増えてるから。
でも“安楽死”と“尊厳死”の違いをロクに理解せずに、安楽死制度云々について議論するのは、大変危ういと思った。
今の日本の医療(特に寝たきり高齢者の医療)は、老人虐待と言われてもおかしくないケースが多々ある。
きっとそういう現場を知ってる人が、
『自分もあんな姿になってまで生きていたくないから、延命治療もいらんし!それならいっそ安楽死!』って感じで主張してしまってるように感じる。(少なくとも私はそうでした。)
でもそういうケースは、尊厳死を選ぶ事で解決する。
繰り返しになるが、安楽死と尊厳死の違いを理解した上で議論が必要。
ただし結局の問題は尊厳死も、じゃあどの基準で実施出来るの?って所だろう。これが難しいと思う。
【耐え難い苦痛】が一つの基準になるそうだが、苦痛の感じ方は人それぞれ。また判断するのも人それぞれ。
巡り会える緩和ケア医によってバラつきがあるんだろうなぁと本書を通じて感じた。
緩和ケア医に対する知識が深まる本でした。