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Assemble活動記 「心理業界の構造と向き合う」 -9月-

こんにちは。Assembleの活動記、6記事目になりました。
読んでいただいたり感想をいただいたりして、続けてよかった、と感じています。

9月は1回のイベント開催のほか、稼働時間をほぼ、広報業務に費やすことにしました。
今までと違う動きになったのには、とある友人心理職にされた相談が関係しています。
最初に少しだけその話をさせてください。

心理職につきまとう悩み

友人の悩みは、心理職あるある、という感じで、僕が経験したものに近いものもありました。
詳しくは書きませんが、感情労働のケアの少なさ(ケアできる構造やリソースの少なさや甘さ)、キャリアアップの機会の少なさなど。
専門家の方であれば、馴染みある(?)内容ですよね。

引っかかったのは、本来労働内で発生した悩み事や課題は、上司やチームが支える(=構造が支える)ものなのに、その友人が、周囲からほとんどサポートを受けていなかったことです。

今回は、友人の相談がきっかけで考えた、業界の構造についてと、今後の活動について、考えていることを書いてみます。

構造が心理職にもたらすもの

心理職の現状(特に若手)をざっくり説明すると、研鑽やキャリアアップのための研究会所属、熟練専門家への師事などがスタンダートです。勝手な所感ですが7割以上の方がそうしています。
こういった形式は業界独特の文化だと思います。

貴重な学びが得られ、また、行き届いた指導や後ろ盾は、心理的安全性にも繋がり、メリットの多い文化だと思います。
(仕事とかももらえます)その反面、所属コミュニティ内部の摩擦や、他領域コミュニティ同士の摩擦(領域同士近いほど摩擦が大きいという噂も)や分断など、枠組みを設けている分デメリットも存在します。
つまり、文化的に当たり前になっている構造によって、メリットもデメリットも手に入れていると言うことになります。

友人からの相談(ケアの少なさ、キャリアアップ機会の少なさ)は、間接的なものも含め、構造によってもたらされるデメリットの影響を強く受けているように見えました。

素晴らしい支援をクライエントへ届け続けているその友人の心理職が、「カウンセラーを辞める」と言い出さない保証がどこにありましょう。
その友人が支援を届ける予定だったクライエントは、もし友人が心理職を辞めてしまった場合、どうなっていくのでしょう。
心理職の離脱によって、多くの機会損失があることを忘れてはいけないです。

心理職の役割は、本来、クライエントに一つでも良い支援を届けていくことなのに、構造のエラーによって機会損失を生み出していること、そして、エラーが起こっていることを認識しながら構造をアップデートしない姿勢に、強い違和感を抱きます。
友人からの相談は、そのことに気づくきっかけになりました。

(ちなみに先日のAssembleFMで「派閥」をテーマにしたのも、これがきっかけでした↓ よければ聞いてみてください)

ということで、もともと取り組んでいたキャリア支援や学びの場の拡張についてもっとブーストをかけることを決意し、広報活動に力を入れることに決めました。
効果が不透明で踏み切れていなかった、各機関へのDM送付を行おうと、めちゃめちゃ修正しまくり作成した宣伝用チラシがこちら。

結構良くないですか、かなり頑張りました笑
頑張って良いものを、と思っても、届かないのではもったいないです。
やれるところから少しずつ拡大していきます。
(配ってもいいよ〜配りたいよ〜という方はご一報ください)

長くなっちゃいましたが、今月表立った活動は以下です
なんだかんだ色々と動きました。

9月やったこと

①心理職のキャリア2.0 〜自分で創るキャリア観〜

自分らしいキャリアを歩む心理職3名の、働き方の苦悩や工夫について対話するイベント
キャリアのロールモデルが一つでも増えれば、と企画しました。
このイベント、実はちょっとした仕掛けがありまして、それは、心理職/コーチのファシリ森山さんの、思考を深めるコーチング的な問い
これまでの活動の紹介はもちろん、至った思い、葛藤などを振り返ってもらうことで、深みのあるアウトプットが起こることを目指しました。
パネラーとして参加した側もエンパワメントされる、暖かくも本質が語られるような鋭い会になりました。面白かったです。

②マインドフルネス研究会スタート

現在Assembleで、初めて月額制のサービスに挑戦しています。
定期的にご登壇いただいていたカウンセリングルームLe:self藤本先生を専任としてお招きし、月1回の音声や動画のコンテンツ更新、限定イベント開催がパッケージされたサービスです。

1ヶ月運用してみて思ったのは、共通の目的がある小さなコミュニティの緩やかなつながりは、精神的な健やかさを補助してくれるな、ということです。

先日行った限定イベントでは、共通の目的を持った緩やかなつながりの中で、マインドフルネス関係の豊かな質疑が行われました。自分自身の悩み、また普段の仕事の悩みをアウトプットできる機会が多くない支援職にとって、こういった場につながることは有益だなと感じました。
少しずつ育てていきたいと思っています。

現在は新規登録者を一旦ストップしていますが、近日中に募集再開予定です。

関わる人たちの利益の循環

やれることから少しずつ実施している現状は変わらずですが、今後、Assembleで、若手/中堅心理職を中心とした利益の循環を目指します。(もともと目指すものでしたが、より注力していきます)
例えば、研修事業では、講師⇆Assemble⇆参加者 で利益を循環させていく。
講師は、講師実績と経験値を積み、Assembleは、イベント開催実績と、収益、参加者リストが得られます(一つ一つ頑張って開催すれば、リピーターさんは増え続けてくださる)。
参加者さんには機会のなかった学びを得ることが利益となるし、参加者さんから講師活動をしてくださる方が出てきてくださるとさらに嬉しいです(最近少しずつお声掛けを始めています)。

登壇経験や研究実績のない方でも、深く学び、素晴らしい臨床を行なっている方はたくさんいらっしゃいます。
そして、その方が努力し学んだ知識や経験を必要としている人も、きっとたくさんいらっしゃると思い、現在そのマッチングに注力しています。
(余談ですが、いずれは、カウンセリングを受けたいと考えている一般の方を巻き込んでいきたいと思っています。)

これから進んでいきたい未来

団体運営活動、また活動を通した出会いで、心理職の取り巻く現状と、課題の解決策について考え続ける機会を得ています。
どうすればいいのか、いろんな考えを行ったり来たりしています。
正解はきっとないので、少しずつ変えていくことになるのだと思います。

やっぱりシンプルに目指したいことは、今ある構造をより適切な形に変え、必要な支援を必要な人に少しでも多く届けることですね。
今の想定上だと、実現を目指す過程自体も、また達成した状態も、いずれもメリットだらけなんです。
やらない手はないので、引き続き邁進します。

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