30分
昨日、テストが終わって、今日は金曜日。
明日は休みだし、なんとなくゆっくりしたくて、
とりあえず、最近書いていなかったnoteを書いてみようか、
そう思ってこのページを開いた。
いつも歩きながら考えていることはたくさんあったのに、
いざとなると書きたいことが出てこない。
いろいろ考えて、このアイディアは誰かと共有したい、
言語化したこの言葉は誰かに伝えたい…
そんな風に思うことは、日常でたくさんあったはずなのに、
いざとなると思い出せない。
(あぁ、どこかにさっとメモを取ればよかった。)
こんな後悔が頭に浮かぶ。
いとも簡単に人は大事なことを忘れてしまうものだ。
『メモの魔力』(前田裕二)
就活前に読みたいと思ってわざわざアメリカ行の荷物にしのばせた1冊。
日本からアメリカまでの飛行機の中で読むことはかなわなかったから、
年末年始でニューヨークに行ったときに行き帰りの飛行機の中で読んだ。
(あぁ、似ているー)
幼少期にご両親を亡くした前田さんの半生が、13歳で父を亡くした自分と重なった。
両親がいない、そろっていないということがハンデになる。
自分の努力とは別のところで、マイナスからのスタートを切ることを余儀なくされる。
どんなに努力しても、両親がそろっていて、裕福な家の子には勝てない。
成人にもなっていない子供が背負うには大きすぎる不平等。
義務教育によって逆転できるかのように見えても、
結局、そのハンデはずっとついて回る。
前田さんが、そのハンデを乗り越えるために用いたのが「メモ」だった。
具体的なことを抽象化して、名前を付け(言語化し)、転用できるレベルまでもっていく。
前田さんのアイディアの多くは、このメモををもとに生まれている。
また、この本の中には、前田さん自身の就活の経験も書かれている。
前田さんは、就活生の中で上位1%に入るために本気で自己分析をしたという。
自分を徹底的に深掘りするために行った自己分析。
それをまとめたノートは30冊にも及ぶそう。
今まで、自己分析の大切さを教えてもらっても、なんとなく納得がいかなかった私。
でも、この本を読んで、企業の方に自分のことを伝える面接で、自分のことを理解できていない就活生が、自分のことをプレゼンできるわけがないと感じた。だから、自己分析なのだ。
自分の良いところも悪いところも理解したうえで、
自分がいかにその企業に適した人材なのかをプレゼンする。
そのためには、自分のことを”言葉で”理解する必要がある。
面接で自分のことを伝えるツールは”言葉”だ。
自分のことを伝える言葉を十分に持たないまま、面接に臨むのは、
武器を持たずに戦争に加わるのと同じだ。
面接官にこてんぱんにされて、ぼろぼろになって帰る羽目になる。
同じ轍は二度と踏みたくない。
就活に対する思いを新たにさせてくれる一冊だった。
「本を読む」ことは、「誰かの人生に触れること」、「誰かの考えに触れること」だと私は思う。
「何事も先達あらまほしきことなり」
高校生のとき、幾度となく読んだ徒然草の一節。
自分より長く生きている人、自分とは違う経験をした人の知恵を借りる、そこから何かを学ぶ。
読書は、それを可能にする最も簡単で、でも、自発的な行動だ。
時間がないことを理由にせず、これからもちゃんと読みたい。
そう思わせてくれる2022年最初の1冊だった。
30分、とりあえず書いてみようと思って開いたこのページ。
スマホのタイマーがもうすぐ30分を告げようとしている。
書くことが思い浮かばないと言いながら、案外書けるものだ。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。
またのお越しをお待ちしております。
ちえりん
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