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【モンゴル南部】ドンドゴビライフ2日目
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チンギスはすっかり息子くんに懐いて、昨夜は「寝かせてくれ」と言われているのにずっとちょっかいをかけていた。
私はあまり息子くんとは会話をしなかったけど、踊り狂ったりホラ話で息子くんをからかっているチンギスを見て「こいつぁヤバイ」っていうアイコンタクトで繋がり合えた気がする。
トゥブでもここでも、同じ何かを見て同じ事を感じる事が大切なのかなーと思った!
息子くんは15歳ながら手先が器用かつ趣味で、トレーラーハウスのベッドやキッチン周りの戸棚を作ったらしい。
調理器具や調味料、寝具は全部その収納スペースに入っていて機能的だと思ってたから、本当にモンゴルの子どもはすごい。
モンゴルに来てからずっと、鼻の中の汚れがすごく気になる。
砂漠に来てからはなおさらかもしれない。
すぐ風邪っぽい症状も出て、風邪なのかアレルギーなのか、乾いた空気のせいなのかわからない。
昨日の夜なんて、顔や耳を拭いたら砂が吹きつけられていたせいかウェットシートが茶色くなった。
今日は国政選挙の日らしい。
とんがった帽子を被ったホストファザーとマザーが10:30にやって来て、遅く起きてしまった息子に少し怒っている。
ラクダに水や食事をさせるため移動しなければならないのに、昨夜チンギスに遅くまで付き合わされたせいで起きれず、手伝えなかった事が理由みたい。
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とりあえず、みんなで朝食。
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朝食の後はラクダに乗った。
コブに掴まると、後脚から立つから前へ大きく傾いた後に水平に戻った。
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ラクダの手綱は鼻の穴に通した木の枝に繋ぐらしい。
チンギスに交代してラクダを見上げたら、普段とぼけた顔が怒り顔になっているのに気づいて面白かった。
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毛はすぐ抜ける。ラクダの毛は衣類などに使われ、カシミアより高級とのこと。
通称ホワイトストゥーパことツァガーンソブラガは、予定していたラクダではなく息子くんのバイクで行った。
行きは荒地をゆっくり、帰りはハイスピードで荒れた道を走って帰った。
パンクしないのが不思議なくらい揺れて視界がバグるレベル。
とてもエキサイティングだった!
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現地にはたくさんの韓国人が観光に来ていた。
チンギスは「ヤツらは観光客になりすました北朝鮮人のスパイだ」と言う。
帰ったら帰ったで、訪問して来たオックスフォード大の学生達を「野生動物に危害を加えるのはほとんど外国人で、ヤツらも動物を盗むためにやって来たんだ」と言う。
かなり過激な思考をしている。
細かい粒子の砂が坂になってて、トレッキングシューズでも一苦労。
モンゴルの少年達はクロックスとサンダルなのに、あっという間に登り切っていた。
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道端にラクダの糞が落ちていて、チンギスは「昔の人は普通に食べてて、今でも稀に美味しいと思う人が存在するんだ」と言って口に含んだが吐き出していた。
私も試してみようかと思ったけど、チンギスの後ろで息子くんが「騙されるな」みたいな顔とジェスチャーをしていたので、とりあえずやめておいた。
いろんな地形がある。穴には様々な動物が住んでいて、チンギスは今回キツネを見たと言っていた。
アイスが売ってて買おうと思ったが「水以外は手ぶらで良い」と言われ財布を置いてきた!
少年2人は市街地の2倍価格で売られているアイスに引いていたが「ボッタクリでも連れて来てくれた御礼として買いたい」と伝えると、チンギスがヤンジッドルマさんにオンラインバンキングで融通してもらって買う事ができた。
帰ってチンギスにお金を返すと、マザーが昼食としてまたレーズンごはんを作ってくれていた。
食べていたらイギリスから他のお客さんが来て、みんなでナンや麺を食べた。
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レーズンごはんで満腹感があったので困ったが「韓国風にした」という豆板醤が入った肉うどんのような麺はとても美味しくて、あっという間に完食してしまった。
チンギスにとっては慣れない味だったのか、また残してアスカーに食べさせていた。
チンギスは「モンゴルとイギリスは仲が悪く、ヤツらは難癖を付けて我が国に侵攻して来ようとしている」と主張してお客さん達と居たがらない。
残飯をアスカーに食べさせるついでに息子くんと抜け出して行ったので、私も家畜の世話について行った。
トゥブでの牛と同じく、ラクダも捕まえるのに苦労した。
掴んだと思ったら抜けた毛だけが手に残って逃げられたり。
ラクダは鼻先を撫でられるのが好きらしい。
息子くんが撫で方を教えてくれて、その通りに撫でていたら何頭も寄って来て囲まれた。
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さっき麺類を食べたばっかりなのに、もう夕食として、来た日に出たのと同じ蒸し焼きそばが出た。
これはめちゃくちゃ美味しいんだけど、そんな連続では食べられない…
そして来客のため、この家で初めてスーテーツァイが出た。
どの家の物も美味しい!
今回は中国茶みたいな香りがして、味もミルク感がない。
色は白いのにお茶の味だけがして不思議。
明日には別の場所に移るのに、料理も住環境も素晴らしすぎて移動がもったいなく感じる。
マザーは綺麗好きで、よく拭き掃除をしている。そしてしばしば上手な鼻歌を歌っている。
ファザーはモンゴル語しか話せないが、お茶目な事をしてコミュニケーションを取ってくれる。
息子くんはチンギスにどんなにしつこく絡まれても怒らないし、誰に対しても親切。
アスカーは人の善悪を見分けられるらしく、悪人だけを噛むという優秀な番犬。
書ききれないくらい魅力的な人達で居心地が良くて、ゴビが大好きになった。
今日は初めて郊外で洗濯をした。
トゥブで子ども達がやっているのは途中から手伝ったけど、より水のない砂漠で洗濯するのは大変で、日本の環境がどんなに恵まれているか痛感した。
チンギスは訪れたイギリス人が嫌いらしく一緒の空間に居ようとしない。
ツァガーンソブラガでの言動といい今回といい、大陸で他国と繋がっているから外国に対する警戒心が強いのかな?
明日の目的地は一緒だと聞いたし、私にとってはフレンドリーな良い人達だから、みんなで仲良くなれたらいいな!