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海辺の可不可

みなさんは可不可、ご存知ですか?
かの大作家フランツ・カフカではなくて、可と不可で可不可。

【可不可(かふか)】
大学における学業の評価については、通常単位ごとに「秀」「優」「良」「可」「不可」「無欠」の六段階で評価されることが多く、評価の大半を「可」と「不可」が占めている状態を可不可と表現する。要するにその程度の成績しか取れないボンクラ大学生の総称。(大辞林より)

私の通っていた大学はその当時、大学2年生の秋にそれまでの成績順で専門の学科を決める仕組みでしたが、可不可な私には「もう(選択の余地が)ないじゃん…」というわけで、閉店間際のスーパーのお惣菜売り場みたいにぽつんぽつんと残っていた(不人気の)学科の中から「農学部 農業工学科 農業機械学専攻」を選んだのでした。

コンピューターとスキーが好きで、夏はプログラマー、冬はスキーの先生として二速のわらじを履いて生きていこうと当時本気で思っていた私は「コンピューターからはるか離れたところに来てしまった…」と愕然としつつも、学科に行ってみると農業も農作業も案外面白く、おまけにコンピューターとも深く関わりが。結果、卒業後は農業機械の研究所へ入所→しばらくののち農業情報設計社を起業して農業機械向けアプリを提供、と農業機械の情報化と自動化の周辺で30年近く暮らすことになったのでした。

どこに何が転がっているか、わからないものです。


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