#34 世界遺産訪問記(ボローニャのポルティコ群・2024/2/2)
こちらも2月初めのイタリア出張の際に訪問したボローニャの記事です
時間が限られていたので一日でラヴェンナとボローニャとを巡るという強行軍だったのですが、街の雰囲気だけでもお伝えできればと思います
■ボローニャってこんな街
ミラノとフィレンツェの間辺りに位置していて、人口39万人、面積140㎢の街です
人口規模でいうと神奈川県横須賀市、面積でいうと同じく神奈川県の川崎市と同じくらいの大きさです
11世紀に創立されたボローニャ大学のある街ということで多くの学生が暮らしています
産業ではマセラティ、ランボルギーニ、ドゥカティといったモーター産業の創業地としても知られています
また、一方で美食の街としても有名で、日本でもなじみの深いパスタ「ボロネーゼ(ボローニャ風)」の発祥の地でもあります
■ボローニャのポルティコ群
屋根付きのポルティコ(柱廊)が市内各所に見られ(総延長では62kmほどもある)、その内の12箇所の街区を構成資産として、2021年に文化遺産として登録されています(登録基準ⅳ)
構成資産の構造や建造年代、様式等も非常に多岐に渡っていて、幅の大小や天井の高低、支柱となる柱の様式や素材等が異なるポルティコ(柱廊)が点在しています
今回の訪問では12箇所全てをまわることはできなかったので、そのうちの5箇所のポルティコをご紹介します
■マンボ(ボローニャ現代美術館・Edificio porticato del MAMbo)
MAMbo(マンボ)と呼ばれる、ボローニャ現代美術館(Museo d'Arte Moderna di Bologna)の入居する街区のポルティコが構成資産の一つとなっています
石積みの重厚な柱に支えられた平たい石の梁が特徴的ですね
もともとはパン工場だったところに建物の再利用として現代美術館が入居したところということなのですが、今後もし美術館が移転した場合にはこの登録名称も変更になるのだろうかと気になってしまいました
■パヴォリオーネとバンキ(Portici commerciali del Pavaglione e dei Banchi)
ボローニャの街の中心となる王宮や宮殿、サンペトローニオ聖堂などが立地するマッジョーレ広場などの街区が構成資産の一つとなっています
(正確にはマッジョーレ広場の東辺から南に延びてサンペトローニオ聖堂の東側を抜ける通りからガルヴァニ広場までと途中から東に延びるムゼイ通りが登録範囲になっています)
広場を取り囲む建造物群のポルティコは様々な様式で作られており、広場をぐるりと一回りするだけでも充分に楽しめる街区となっています
訪問した日も観光客というよりは地元の方々が集っているという感じで活気のある広場でした
■サンペトローニオ聖堂
こちらは正式には構成資産の範囲から外れているのですが、せっかくボローニャを訪れたのにどの施設も見学せずにポルティコだけを歩き回るというのももったいないので、見学させていただきました
こちらの聖堂は街の中心にあるのでボローニャを代表する聖堂のようにも思われますが、司教座聖堂はこちらから少し北にあるサン・ピエトロ大聖堂になります
建設は14世紀ごろから始まって、1929年に市から教区に移管、1954年に奉献されました
ボローニャの守護聖人である聖ペトロニウスの聖遺物などがサントステファノ教会から移されたのも2000年になってからです
目を引くのはなんといっても前面(ファサード)部分ですね
1954年に奉献されてはいるもののファサード部分は未完成となっており、下部の4割程度のところまでのみが大理石で装飾されています
今の状態でも幅66m×奥行132m×高さ51mとヨーロッパで7番目の大きさを誇る教会なのですが、当初の計画通りであればヨーロッパ一の大きさになっていたはずだそうです
(続きます)
■この記事の動画はこちら
この記事の動画がYoutubeチャンネル”世界遺産研究所"にてご覧いただけますので、是非そちらもご覧ください(公開は2月28日18時となります)
■ラヴェンナ訪問記も併せてどうぞ
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