サブ3市民ランナーの箱根駅伝2024直前予想
箱根駅伝が目前の大晦日、区間エントリーが出そろいいよいよ本番目前というところで、今年の箱根駅伝の予想をしてみたいと思う。
と言っても私は陸上部経験者でもない、単なる市民ランナーで大学の陸上競技は出雲、全日本、箱根駅伝を見る程度なので、あくまで報道されている情報ベースの話ということでご容赦いただきたい。
誰が駒澤をとめるのか
さて、2024年が第100回記念大会となる箱根駅伝ですが、誰が駒澤を止めるとなということになるだろう。
出雲、全日本と2023年の大学駅伝では駒澤が圧倒的な強さを見せており、どちらの大会も1区からゴールまで一度もトップを譲らず、他大学を圧倒している。
順当にいけば駒澤優位は揺るがないだろう。
何しろ大学駅伝トップクラスの実力を示す基準と言われる10000メートル27分台を持つ選手が鈴木、篠原、佐藤と揃っており、そのほかの選手も駅伝で好記録を残している安原や花尾がいる。
山登りには前回好走した山川、前々回好走した金子、山下りには前回の区間賞の伊藤ということで特殊区間にも人材がそろっている。
しかも、選手層が厚いので体調不良の選手が出ても控えの選手が出て、それなりに走ることが出来るだろう。
実際、前回大会では佐藤が胃腸炎のためエントリーしたものの走れなかったが、その不安は特に感じさせない展開だった。
近年の箱根駅伝はブレーキが出たチームは取り返すのが難しく10区間そろえてかつ、どこかで爆発力を見せたチームが優勝していることが多い。
そのため、エースがいて、かつ、選手層が厚いというのが優勝の条件になってくるが、それに最も近いのは駒澤であることは間違いないだろう。
ということで、どこが駒澤を止めるかというのを現時点のエントリーを見ながら、予想してみたい。
区間別の展開予想
1区、三浦龍司は躍動するか
出だしの1区は過去に何度か大逃げした選手はいたが、それを除くと終盤までは集団走が続いて、六郷橋でスパート合戦になるというパターンが多かった。
今年は大会前のインタビューでは駒澤の佐藤が1区で区間新を狙いたいと言っていたので、そうなるかと思ったが、結局エントリーは無難に3区となった。
そうすると注目は順天堂の三浦龍司だろう。
3000メートル障害で東京五輪日本代表で世界選手権でも入賞している日本長距離界のエースだが、箱根駅伝は過去3年間は2桁順位が続いている。
夏場に走り込みをやる選手が多いなかで、距離が踏めないためハーフマラソン前後の距離を走る箱根では苦戦が続いている。
そういう意味では集団走になりけん制すればペースが上がりにくい1区か、前半が下り坂でスピードランナー向きという3区に適性があると思われるが、今回は1区投入となった。
5000メートルは13分26秒と学生トップクラスのスピードがあるだけに、ラスト勝負になれば三浦が箱根で初めて輝くときが訪れるかもしれない。
また、1区には東海大が今季好調の兵頭ジュダを投入してきており、東京農大もスーパールーキーの前田が当日変更で入るのではないかとも言われているので、この辺りの選手も1区を盛り上げる候補になってくる。
いずれにしても、この辺りの選手がかき回して駒澤の対抗馬が1区で先行するということができるかが、駒澤を止めるのには大きいだろう。
2区、鈴木芽吹は真のエースになれるか
各校のエースが揃う2区。
駒澤も当然のようにエース鈴木が投入されるが、ここが駒澤の中では1番のポイントではないかと思う。
というのも2区は区間距離が長い上に終盤に上り坂がある難コースである。
後半を心配して抑え過ぎればタイムは伸びないが、オーバーペースだと一気に失速する危険もあるため攻略が難しいと言われている。
しかし、鈴木は去年まで大エースの田澤がいたこともあり初挑戦ということになる。
もし1区で出遅れていたりしてペースを誤れば、逆に引き離されるということもあり得るのではないかと思う。
その中で対抗馬としては、前回大会で3区まで首位で駆け抜けたメンバーをエントリーした中央大と言いたいところだが、今年はエースの吉居がいまひとつのようである。しかし、ここで吉居がある程度、走らなければ中央大は脱落になってしまいそうである。
逆に、昨年を上回る走りをして大きく駒澤を突き放すことができれば、一気に優勝に近づく可能性はありそうである。
そのほかの優勝候補では青山学院は、当日変更で黒田となりそうだが、2年生で初挑戦ということなので、ここは上位に行くというよりはこらえる区間となるかと思う。
3区に当日変更でエース格の太田、4区に駅伝男佐藤、5区に1年次に山登りで区間3位の若林が控えているので、ここで上位が見える位置にいれば逆転の目もあるかと思う。
3区、佐藤箱根デビュー
3区は駒澤の佐藤が駅伝デビューとなる。
ここまでのトラック、駅伝で実力は証明済みである。
箱根の距離は未知数のところはあるが、スピードランナー向きともいわれる3区のため不安は少ないだろう。
もし、2区までにトップ付近にいて、ここで佐藤が突き放すと今年の箱根の流れは決まってしまうかもしれない。
そういう意味でも2区までに他校は突き放されてはいけないと思う。
そんな中で個人的に注目なのは城西大学だ。
城西大学は今大会のダークホースだと思うが2区、3区はどちらがどちらになるかは分からないが2年生の斉藤とキムタイが投入される可能性が高いのではないかと思う。
2人とも学生トップクラスと言われる1万メートル27分台を記録しており、好走する実力はあるだろう。
そして、何よりも城西大学は5区に前回区間賞の山本が控えている。
復路メンバーも考えると総合優勝は難しいが、往路優勝に向けてはここでトップから1分以内くらいまでに踏みとどまっていれば、山本の走り次第では可能性十分だろう。
しかしながら、5区には駒澤も金子、山川という候補が控えているだけに、優勝を狙うそのほかの大学は3区終了時に先行するか、競り合っていないと苦しいのではと思う。
そういう意味では総合優勝を目指す青山学院は当日変更で太田、國學院は伊地知か山本、当日変更で入ってくると思うが、その仕事が重要になってくるだろう。
4区、つなぎの区間か重要区間か
近年の箱根駅伝は往路は2区がエースで3区にスピードランナーを投入する傾向にあるが、4区に強い選手を入れられるチームが勝ってきているイメージがある。
2019年の東海大学は館沢、2020年の青山学院は吉田、2021年は優勝は駒澤だったが、これは10区での大逆転があった年で、そこまで断トツトップだった創価大学は嶋津、2022年の駒澤は鈴木と主力を投入できてきている。
そういう点で駒澤は、当日変更で篠原が入ってくるのかと思うが、これほどの選手が4区に投入できるとすれば、かなり優位なのは間違いない。
何しろ日本人のハーフマラソンの歴代4位を保持している選手であり、学生では歴代トップの選手であるのだ。(もしかしたら安原かもしれないが、それとて強い選手である)
そのような選手が投入される可能性があることを考えると他校は3区の終了時点で、駒澤と競っていないと、あるいは可能であれば先行していないとかなり苦しいだろうと思う。
しかし、中央大学は全日本大学で各校のエース級が揃った7区で平林に次いで2位、駒澤の鈴木や青山学院の太田に勝った湯浅の投入が見込まれる。
また、青山学院は駅伝男と言われる佐藤(ここ最近はちょっとふるってないイメージですが)
國學院も伊地知、山本の主力のいずれか、あるいは青木が投入される可能性がある。
そのため篠原に勝てるまでではないとしても競り合うことができれば山の展開次第では、というところに持ち込めるという意味で、見どころのある区間なのかなと思う。
5区、山の神は吉田か、山本か、あるいは
山登りの5区は最もドラマティックな展開が生まれやすい区間である。
過去、今井正人、柏原竜二、神野大地と3人の山の神が生まれてきたが、4人目はまだ誕生していない。
最も近い存在と思われるのが城西大学の山本で、現在の区間記録保持者だ。と言ってもコース変更が何度か行われているため、現在のコースでの区間記録保持者というだけで過去の山の神を上回っているというわけではないが、神に最も近づいた男と言えるだろう。
これに対抗しそうなのが創価の吉田だ。
東海大学に所属していたが、退学して創価に移ったということでも話題になる選手だが、1年の時に5区で区間2位で走った選手であり実力は折り紙付きだ。
3区で述べたように城西大学は山本まで良い位置でつなげば往路優勝が見込前れると同様に、創価大学も吉田まで良い順位でつなげば往路優勝もあり得るのかなと思う選手である。
そのほかの大学でも思わぬ選手が好走する可能性もあるが、サプライズがない限りは駒澤に対して大きなリードを奪うのは難しいと思われる。
というのも駒澤はエントリーしている金子と補欠の山川と、そこそこ走れそうな選手を抱えていて優位に見えるからだ。
ということで、4区までに1分以内につけていないと逆転は厳しいだろうし、もちろん差を付けられる、あるいはリードしても逆転されるという可能性もあるかと思う。
まとめ
以上の考察をまとめると優勝候補の他大学が打倒駒澤を実現するためには
1区、三浦などの実力者や今季好調の選手の仕掛けを利用するなどして駒澤からリードを奪うことができるか
2区、鈴木が2区初挑戦ということで思いのほか伸びない、あるいは他のエースクラスが区間賞レベルの走りをしてリードを保つ
3区、2区までのリードを失うも競る位置で4区につなぐ
4区、後塵を拝するとしても1分以内にはつける
5区、逆転をねらう
という戦略かと思われる。
往路優勝だけを考えると城西、創価も可能性があるため、もう少し遅れてもとは思う。
最後に各校のキーマンと思われる選手について触れてみたい。
駒澤、4区に入る篠原、あるいは安原。1区から3区でミスがあって出遅れがあった場合に限るが、ここである程度は取り返せれば、十分に優勝は射程圏だろう。
中央、2区吉居、今季はいまいちなレースが続いているが、去年以上の走りをして後続を突き放せば主導権が握れるかと。
青山学院、4区佐藤、当日変更が予想される2区黒田も重要だが、どちらかと言えば今季はいまいちな佐藤が気になる。しかし、ここで好走すれば優勝もある?
國學院、5区上原、計算通りに進めばだが國學院も4区までは好位置につける可能性はあると思う。が、5区については初挑戦の上原となるので、この走りが結果を大きく左右するか
城西、2区キムタイ?、当日変更で2区には斉藤か、いずれかが入ると思われるが他のエース格に比べるとやや実績が乏しい印象はある。しかし、ここで好走してうまくつなげば5区山本で逆転の目もあるかと。
創価、4区の選手、創価についてはあまり詳しくないので具体的な名前が出せなくて申し訳ないが区間エントリーを見ると1区から3区までは28分台前半の選手を並べていて、そこそこ走れば上位が見る位置には来る可能性はある。そうすると4区でもしっかりつなげば5区の吉田に希望がつながる。
と、素人の勝手な予想を並べてみたが、こういう予想ができるのは駅伝のだいご味の1つだと思う。
実際の結果は分からないが、選手がしっかりと走り、良い記念大会になることを祈っている。
追記
当日のエントリー変更を見ての追記です。
駒澤が篠原を1区にもってきたので、エース3人を序盤に並べてきました。
ということで、優勝争いは3区までに駒澤が突き放すのか、それとも絡んでいけるところがあるか、という見方に変わるかな、と。
2、3校が1分以内につけて3区が終われば、面白そうですが、それ以上に離れると駒澤の圧勝に終わるかもしれないな、と思う。
後は、4区に吉岡を持ってきた順天堂も展開次第では、面白い位置に行くのかな、と思う。
いずれにしても