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多様性について考える

今年は猛暑ということで、マスク着用をしていると熱中症が増大しないか心配です。

東南アジアは気候的に日本より暑いところが多いですが、個人的には、日本の夏が最も過酷な気がします。

2022年3月の訪日外客数66,000人と発表されました。
前年2021年3月が12,000人でしたので、回復してきました。

現在ではオミクロン株の流入リスクなどから、世界を赤黄青に色分けして、入国管理を行なっていますが、青色の国では、ワクチン証明や、事前の検査などを行えば、入国後の検査も隔離の不要となりました。

私が海外出張に行った5月と比べてもかなり緩和されてきました。
緩和に全振りすればいいというほど、単純な状況ではありませんが、国際的な往来は日本にとって、重要な戦略の一つなので、少なくとも日本にとってプラスの効果はあると思います。

日本でも世界でもダイバーシティを推進する動きが高まっています。ロシアのウクライナ侵攻やミャンマーのクーデターなど一部逆行する動きはありますが、世界で最も深刻な人口問題を抱える日本では特にダイバーシティの意識が強くなってきています。
ダイバーシティは文化、宗教、言語、国籍などの違いを理解し、その違いを受け入れて、お互い成長していこうと言う考えです。

そのためには、日本の事だけを考えるのではなく、外国人や外国側のことも考えて、双方がプラスになるようにしていかなくてはなりません。

ダイバーシティを考える大きな基本的な要素として、宗教と言語があります。

全世界インターネット利用人口の中での言語別ランキングを調べてみました。(インターネット上での利用人数なので、言語人口とは一致しません。)

英語 10億5,276万人(25.3%)
中国語 8億463万人(19.4%)
スペイン語 3億3,789万人(8.1%)
アラビア語 2億1,904万人(5.3%)
ポルトガル語 1億6,915万人(4.1%)
インドネシア語 1億6,875万人(4.1%)
フランス語 1億1,862万人(2.9%)
日本語 1億955万人(2.7%)
ロシア語 1億801万人(2.8%)
ドイツ語 8,470万人(2.2%)

この上位の言語で、インドネシア語、日本語だけが、ほぼ一国で使われており、使われている国の人口が直接影響しています。他の言語は世界的に様々なところで使われているグローバル言語で、どこか特定の国だけで使われているわけではありません。インドネシア語、日本語は世界的に使われている言語ではありませんが、どちらも人口の多い国で使われている為、トップ10に入っています。

このような非常にローカルな言語である日本語を学ぶ外国人に対して、日本人は、どの様に考えたら良いのでしょうか。

ちなみに、日本の受け入れ機関が一般的に求めるN3に合格するための学習時間は600時間です。N3を要求すると言うことは、本人に600時間の学習時間を投資してもらうことを意味します。1日2時間であれば、300日もかかります。
通学するとなると、その費用も通学時間もかかります。この600時間を当たり前と考えるか、特別なものと考えるかどうかです。ちなみに、この600時間を英語に費やした場合、言語別世界人口で英語は日本語の10倍も使われているので、日本語の10倍ものチャンスがあるとも言えます。英語は日本語のように日本という特定の国だけではなく、様々な国で使うチャンスがあるので、さらに差が出ると思います。

それでも、日本語を学んでくれた外国人に対して、我々日本人が当然と思ってしまうと、ダイバーシティどころではなく、専制的や独善的、あるいは支配的な考えに陥る発端になりかねません。 このような事に留意して、日本の政府や、各自治体でも、取り組みが強化されています。外国人本人に日本語力を強制するだけではなく、学ぶ環境を整備していくための支援策が行われています。下記は東京都の一例ですが、各地で、様々な施策がありますので、ご関心のある方は確認をしていただければと思います。 https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/jinzai/kakuho/gaikokujinkenshu/

言語のついでに、日本人の意識が低いと言われている宗教についても考えてみたいと思います。世界の宗教別の人口は以下となります。

キリスト教24.4億 31.3%
イスラム教19.5億 25.0%
ヒンドゥー教11.6億 4.9%
民俗(伝統)宗教4.4億 5.6%
仏教4.9億 6.3%
無宗教/その他5.2億  6.7%
無神論7.9億 10.1%

ちなみに、無神論は、神の存在自体、宗教自体を否定する立場なので、無宗教とは大きく違います。共産主義は無神論となります。

私はインドネシアで、大きなモスク(イスラム教)と教会(キリスト教)が、道を挟んで向かい合っている姿を見て、本当のダイバーシティを感じました。
宗教を認め合うと言うのは、言語よりも、より深い次元の話だと思います。言語は本人の努力で、バイリンガルでもトリリンガルにもなれますが、宗教はそうはいきません。
基本的に人は無宗教や無神論も含めて自分で自分の宗教を特定しているからです。

そして、宗教は大抵の人にとって唯一無二のものだからこそ、自分と他人の宗教を認め合うことが、ダイバーシティの根幹にあると思います。日本人は無宗教が多数派を占めるので、宗教的な考えが顕在化しづらい為、意識的になった方が良いかもしれません。

数年前に世界的なベストセラーになったサピエンス全史で、著者であるユヴァル・ハラリは
人間が他の動物を支配できたのは、能力や体力が優れていたからではなく、血縁関係を超えた巨大な協力関係を築けたからだと述べました。
この協力関係の構築には言語や宗教も重大な役割を果たすのですが、実は動物も言語と似たような機能は持っているのです。

しかし、どの動物も宗教だけは持っていないのです。この宗教によって、人間は巨大な集団的な仕組みを作ることができたと言えます。例えば、宗教は何かを集団的に信じることと定義するならば、お金は最大の宗教だと言えます。

お金の価値を人間全体が盲目的に(笑)信じることによって、人間は血縁関係を超えた巨大な協力関係を構築することができ、肉体や能力に優る動物を超えて、支配的な存在になりました。

話が拡散しましたが、外国人と、ダイバーシティを形成するにあたり、宗教や言語などの大事な要素について、ゼロベースから改めて考えてみることで、本当の共存共栄が生まれると思います。

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