達成感が一瞬にして危機感に 2022年5月7日
Amazonの配達を初めて1ヶ月が過ぎた。もともと宅配経験者だったこともあってか、これまで大したトラブルもなく順調だ。Amazonフレックスを始める前に懸念していた「オファーがとれない問題」も今のところは問題無く、想定していた額は稼げている。今月中には新しい車(中古)も納車されるし、1ヶ月前の自分が想像していたよりも遥かに軽貨物業にどっぷり浸かっている。
今日も朝からAmazonの配達。雨が心配されていたが、あまり降らなくて良かった。しかも今日は幸運なことに、不在などでの持戻りが1つも無かったので、現場から直帰。全ての荷物を配り切ったことに多少の達成感を抱きながら、帰路に着いていると、ラジオから気になる話が耳に入ってきた。
運転中の〝ながら聴き〟だったので、ざっくりとしか聴きとれてないのだが、J-WAVEの番組で脳科学者の中野信子氏が「休むこと」をテーマに脳科学の観点から話していて、「働くって、実は脳が楽している場合もある」みたいなことを言っていた。
これは〝指示に従っていればいいタイプ〟の仕事の場合に当てはまるらしいのだが、今の自分にはタイムリー過ぎて、荷物を全て配りきったことで抱いていた達成感が一気に吹き飛んだ。
確かに最近は休んでいる時より、配達の仕事をしている時の方が楽だ。それはとりあえず「今日はこの荷物を配ってくださいね」っていう、Amazon側の指示に従っていれば、なんとなく〝やってる感〟が出るからだろう。
ただこれではフリーランスとしては失格で、指示に従っているだけではフリーターとなんら変わりはない。〝指示に従っていればいいタイプ〟の仕事は、自分の怠け癖をうまく見えづらくする麻薬のようなものかもしれない。
ある程度のお金は入るし、指示をこなし切った時にはそれなりの達成感がある。短期的に見れば一石二鳥だが、長期的に見ると、実は何もなし得てない。自分は高校を卒業してから20年間、この沼にハマり続けているのではないか。
確かに仕事が終わって、ホッとするのは束の間で、その直後に少し寂しさのようなものを感じることもしばしば。これはもしや禁断症状なのか。「もっと指示をくれ〜」と、まるで薬物依存者が麻薬を欲しがるかのように〝指示を欲している〟のか。
最近、世間を賑わせた某牛丼店の「シャブ漬け」発言ではないが、自分はすっかり〝指示を従っていればいいタイプ〟の仕事にシャブ漬けされていたのかもしれない。そんなことを思うと達成感が一瞬にして危機感に変わった。そんなゾッとするような体験をした土曜日の夜であった。