ドクター・ストレンジ2の曖昧な感想【ネタバレあり】 2022年5月4日
とくに予定のないのGW。そんな自分にとって、唯一の楽しみが本日公開された「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(ドクター・ストレンジ2)」だった。
別に公開日すぐに観に行くほどのMCU信者でもないが、特に予定が無く暇だったことや良くも悪くもGW気分を味わいに行くかということで映画館に足を運んだ。
やはり公開日に加え、GW真っ只中ということもあって、レイトショーだったにも関わらず、ほぼ満席。久しぶりに前後左右の席に人がいて、肩身の狭い思いをしながら映画を鑑賞した。上映中、前席に座っていたカップルが両手を上げて、ちょくちょくストレッチをするのがストレスだったが、これもGWを体験できたとして良しとしよう。
率直に感じたことは「知らないキャラや分からないワードがちょくちょく出てくるなぁ」ということ。ディズニープラスで配信されているドラマ版を観ていないと、何だかよく分からないシーンも多々ある。ある程度のマーベルリテラシーがないと、完全に理解するのは難しい。
もしかしたら、前席のカップルは途中で話について行けず、飽きてしまっていたのかもしれない。「なんか最近、話題になっているアメコミヒーローものの映画だし、とりま観てみるか」みたいな軽いテンションで、MCUをよく知らずに観にいくと痛い目に遭うタイプの映画だと言えるだろう。
自分はマーベルコミックの原作もディズニープラスのドラマも一切見ていない。だけどMCUの映画は一応全作観ており、よく分からないシーンはテキトーに脳内補完をするクセが身についているのでなんとか乗り切った。それでも途中、マルチバースに理解が追いつかず、自分の脳内が別の次元(眠気)に行っちゃいそうになる。
そんな感じでたぶん内容を完全に理解しきれていないが、自分なりにこの映画を考察するならば、テーマは「夢ばかり見てないで現実と向き合わなきゃダメだよ」ってことなのかなと。
この映画内でワンダは愛する人(AI)を失ったことで闇堕ちしている。今の人生を受け入れられず、本来自分が歩みたかった理想の世界線へ行きたいがためにアメリカ・チャベスの命を奪おうとするだが、結局はそんなことをしても理想は手に入らないということを思い知る。
自分も今の人生から目を逸らしたくて、現実逃避ばかりしているので、ワンダの気持ちは共感できた。もし理想の世界線があって、そこに行けるのなら行ってみたい気持ちは大いにある。
実際に(面白みのない人生を送っている自分の)唯一の趣味が妄想だったりする。良い歳こいたおじさんが何かしらのジャンルで成功者になっている自分を想像し、悦に浸っている。
頭の中に理想の自分が存在する世界線があって、その自分に憧れを抱いている。
文章にすると、すごく気持ちが悪い話だ。アメコミ映画が好きなのも〝しがない人生を送っている自分〟を劇中に活躍するスーパーヒーローと重ねて合わせることで満足感が得られるからなのだろう。
でも「そんな妄想ばかりしてちゃダメだよ」ってことを、皮肉にもアメコミ映画を観ながら感じさせられた。妄想中にいきなり現実へと引き戻されるような感じがして、ある意味マルチバースを体験できたと言えるのかもしれない。
このあたりの理解を深めるために、もう一度ドクター・ストレンジ2を観に行こうかな。とりあえず自分の映画鑑賞能力では1回で理解するのは難しかった。ただ後日、配信や円盤化を待って家で観るタイプの映画でもないので、もう一度映画館で観てみたい。
ただし今度はストレッチで視界が遮られないように客足が減ってからにしよう。映画館には申し訳ないが、やはり基本的にぼっちな自分はガラガラの映画館の方が性に合っている。今更ながらそんなことを再確認したGW真っ只中での映画鑑賞だった。