野球トレーニング #8 上体トレーニングの基本種目:ストレッチ3種
今回は、野球選手の上体トレーニングにおける、基本のストレッチ3種(3パターン)について紹介します。
なお、その前提となる考え方について、以下の投稿でまとめていますので、宜しければ併せてご覧下さい👇
さて、上記の投稿の中でも述べていますが、野球選手の(上体)トレーニングの基本コンセプトは、
〝強く柔らかく•柔らかく強く″ です。
つまり、柔らかさの伴わない強さも、強さの伴わない柔らかさよも(この場合は、柔らか過ぎる、あるいは弛緩性が高いことが多い)、野球においてはマイナス(怪我やパフォーマンス低下)に働くことがあるということです。
特に、投げる動作はどのポジションにおいても必須であり、その数は膨大なものになります。
そして、姿勢不良や可動域,柔軟性が不足した状態で投動作を繰り返すことで、動きのエラーや代償動作が生まれ、マイクロトラウマを引き起こし徐々に不調や痛みが発生していくケースが多く見受けられます。
そのため、日々のストレッチを中心としたセルフケアが大切であり、またベースの柔軟性が不足している選手はそれを高めるためのアプローチが必要となります。
そこで、以下に、必要な柔軟性の要素とそれに対応するストレッチを紹介します。
①反る/胸を張る:胸椎伸展
まずは、胸周りを中心に体幹部を弓なりに反らせること、つまり「しなり」があるかどうかが最重要課題です。
「しなる」ことができないと、肩が早くに開いたり、肘が下がったりする為、肩や肘に負担がかかりやすくなります。
したがって、投手・野手問わず、柔らかく反れることは必須となります。
<代表的なストレッチ>
◆肩ブリッジ
◆ハンド•ブリッジ
②側屈:胸郭,肋間部
次は、側屈です。
つまり、身体を前額面上で横に倒す(曲げる)ことができるかどうかで、腕をスムーズに挙げられるかどうかの鍵を握り、また次に紹介する回旋動作のベースとなります。
胸郭,肋間部、つまり体幹の側面に位置する筋群(肋間筋,広背筋,腹斜筋など)の柔軟性が、可動域に影響します。
<代表的なストレッチ>
◆肋間ストレッチ
③回旋,捻り:胸椎回旋
最後は、回旋,捻りです。
上体の回旋のほとんどは、胸椎部で起こるとされ、その上下の頚椎と腰椎の回旋もわずか関与する。もっとも、投げる,打つ,走るなど、野球で起こる全ての動きには、股関節をはじめとした脚の動きも組み合わさって、捻りや回旋動作が起こることは言うまでもなく、そういった前提で、上体にフォーカスすると、胸椎の回旋可動域を高めることがポイントとなる。
<代表的なストレッチ>
◆四つん這い胸椎回旋
◆90/90 オープナー
◆肩入れ胸椎回旋
◆立位WoodBar胸椎回旋
以上が、基本のストレッチです。
先に投稿した自体重種目や、今後投稿していくバーベル種目と、上記のようなストレッチを組み合わせながら、トレーニングを進めていくことで、冒頭に記したような【強く柔らかく•柔らかく強く】を実現させていきます。
JPFストレングス工房
鬼頭 祐介