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メンヘラを自称する人たち

メンヘラを自称する人たち

 唐突な話になるが、メンヘラという言葉も、それを自称する人たちも好きではない。
 そもそもメンヘラという言葉の発祥というか、語源も知らなかったので調べてみると、2ちゃんねらーの間で「メンタルヘルス板にいるような人」のことをメンヘラーと略して呼ぶようになったことがそもそもの始まりだそうだ。

 もともとは「精神的な病を抱えている人、その傾向のある人」を表すこの言葉が、どのようなきっかけでここまで一般

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いちばんいい時計の話

いちばんいい時計の話

 彼女はそのとき僕に、「いちばんいい時計」の話をしてくれた。
 それは彼女が以前テレビか何かで見た話で、なんでそんな話になったのかは忘れてしまったけれど、不思議と僕の心にずっと残っている。

 紛争地や戦闘地域で戦う戦士たちは、ときに敵の捕虜となってしまうことがある。捕らえられ、身体の自由を奪われ、暗くて狭いほら穴のようなところに閉じ込められてしまう。明かりなんてものはなく、太陽の光も届かず、見渡

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写真を撮る理由

写真を撮る理由

 何かものを作ったり、表現活動に携わる人たちに昔から憧れていた。ミュージシャンや作家、デザイナーなど、いわゆる自分の「作品」というものを持つ人たちだ。

 自分もそうなりたくて、ギターを始めてバンドをやったり、絵を描いてみたり、建築を学んだり、デザインの学校に行ってみたりしたけれど、どれひとつ、何ひとつ続けることができなかった。ほんとうに、何ひとつかたちにすることができなかった。

 それでも、「

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笠井爾示という写真家

笠井爾示という写真家

 東京から戻る新幹線を待つ間、少し時間があったので銀座の蔦屋書店に立ち寄った。蔦屋書店はいちばん好きな本屋で、普通の本屋ではまず目にすることができないマニアックな本も取り扱っているし、何よりお店の雰囲気が良い。特に写真集の取り揃えは豊富で、中身を見られるようになっているものも多いので嬉しい。

 時間潰しのつもりで入ったので、特に目当ての本などはなかったのだけれど、たまたま通りがかった棚に笠井爾示

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東京に行ったら必ず訪れたい写真展

東京に行ったら必ず訪れたい写真展

 来週末から仕事がお盆休みに入るので、2泊3日で東京に遊びに行くことにした。6月に行った際はソール・ライター展に行ったので、今回も何か良さげな写真展をやっていないかと調べてみると、2つ気になるものを見つけた。

1.石川直樹 写真展「いつでもどこでも写ルンです」リンク:石川直樹 写真展「いつでもどこでも写ルンです」

 石川さんは極地を旅する探検家なので、そういった極限状態でも問題なく動作し、すぐ

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写真を撮るのが上手い人は文章を書くのも上手い説

 写真家、森山大道の『もうひとつの国へ』というエッセイを読んでいる。
 この本の帯には、こんな一文が添えられている。

「火曜日、記すべきことなし、存在した。」というのはジャン・ポール・サルトル「嘔吐」の中のワンフレーズである。

 僕はもう、これだけでご飯3杯くらいいけてしまうくらいこの一文にやられてしまった。
 これは森山大道がフランスの哲学者の言葉を引用している文章であり、彼自身の言葉を

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精神を落ち着かせるための具体的な方法

精神を落ち着かせるための具体的な方法

 清潔にするという行為は、集中力を高めたり精神を鼓舞する効果があるのだと、作家の村上龍が小説やエッセイの中で何度か書いていた。なんでも、軍隊やゲリラのマニュアルにも書いてあるのだそうだ。

 僕はこのエピソードというか考え方が好きで、普段生活する中でも意識するようにしている。例えば、何だか無性に気持ちがざわついて落ち着かないときや、わけもなく不安になったりするときには、掃除をしたり、洗濯をしたり、

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