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RTA in Japan Summer 2024にロックマンX コマンドミッションで出ました[後編]

後編です。
主に深堀りした話がメインです。

前編はこちら

そもそもコマミのRTA始めたきっかけ

  • RTAを始めたきっかけはカジュアルプレイして面白かったからです。

    • 元々アクションゲームのRTAが好きで、ターン制RPGはかなり苦手でしたが、コマミはRPGにしては面白かったなぁと思ったのです。

  • コマミをそもそも知ったきっかけは、スマホのロックマンX Diveでフェラムとシナモンを見て「こんなキャラ本編にいたっけ?」と調べたのがきっかけでした。
    ロックマンの外伝シリーズで「ロックマンエグゼ トランスミッション」という作品があり、これが思いのほか面白かったので、外伝にあたる作品もきっと面白いに違いない!と思ったのがあり購入まで行い遊んだという経緯があります。

出場が決まってから実際に走り始まるまで

コマミのRTAは私が今までやっていたゼルダの伝説シリーズ(4剣+、神トラ2、ふしぎのぼうし、トライフォース3銃士などなど)に比べれば相対的にめちゃくちゃ簡単でした。
それゆえ技術的にやらかすとかはほぼないという確信があったので、懸念事項は走りではなく「解説も一緒にできるかどうか」でした。

解説してくれる人がいてくれたらいいなぁとか浮かんでいたものの、解説をお願いできる条件はコマミRTAをやっていることに加え、自分と会ったことがあるor自分が長いこと実績を知っている人であるということでした。
しかし5秒考えた結果、1人も該当者がいませんでした。解説を申し出された場合は例外なく断る予定でしたのでこの時点で1人でやることがほぼ確定しました。

走者がしなければならない事務作業はさすがに何年もRiJを見ていますし、過去の走者やボランティア経験談など一通り見ていたので概ね想定はできていて、実際想定外に時間がかかったものはありませんでした。(前編参照)

告知動画を出した

  • 正直ショートで出せばよかったよね。

バグの解説動画を宣伝

  • Youtubeにしては多くの人に見られたようでした。(X経由は強い)

  • 知識ひけらかしたい変な人が現れたので変なコメントを消しました。

コマミRTAのチャート変化や世界記録の変化など

当選が決まってからRiJで走り始めるまでの1カ月半の間に、チャートの更新があったり自分の記録抜かれたり、改修案取り入れたり1位取り戻すのに苦労しました…。これが最も想定外な作業でした。
経緯は下記(ゲームやってないとわからない内容かと思います)

  • 7月頃 コマミの有識者(元走者)がチャート改修や検証をスタートさせる

    • この時はグッドラックというアイテムをJOKER経由でアイテム変換バグと増殖バグを使って増やし、低確率ドロップアイテム(パワーアップとリミッター解除)を大量獲得し、ハイパーモードをなるべく使わないようにするチャートでした。
      グッドラックを取得するまでに時間がかかりすぎるので採用しなかったとのことでした。

  • 7月末 コマミの有識者がはんがおの世界記録を6分近く更新する(1時間51分)

    • 短くなった大きな要因は、ハイパーモードを使う戦闘が少なくなったことです。ハイパーモードは変身演出、毎ターンの残りターン数の表示が地味に時間がかかります。ここを戦闘中のみのパワーアップアイテム使用に置き換えることにより、結果としてかなりタイムが早くなったのです。(他にも細かい短縮の積み重ねがかなりありますが)

  • 7/31~8/5 身を削って走り、コマミRTAの世界記録をさらに4分更新した(1時間47分)

    • 上記戦略を取り入れてかつ、エンカウント数や各種運要素、攻められるところは全て攻めたところ試行回数の果てに更新できました。ほとんど運だったと言ってよいです。

    • この時も走りながら解説する練習をすればよかったですが、ずっと無言でやってました。(ロード時間にポチポチやってるFGOがめちゃくちゃ進みました)

    • 4話のDr.サイケ(およびマッドノーチラス)戦はマッシモのハイパーモードを使っていましたが、マッシモの代わりにマリノとアイポイント増殖によるエックスの命中不安解消をした方が早いことが現在はわかっています。

8/10くらいにとったスクショ(speedrun.com)。
  • 8/7~8/10 イベント用チャートにして解説の練習

    • ファンサ用にシナモンとマリノをなるべくパーティーに入れるというチャートで練習していましたが、休み前の時期は色々と忙しくなるもの。通し練習はそこまでできず…。

    • 最終的に解説も定着しきらないまま本番になってしまいました。
      いらないメニュー開閉している場面がちょいちょいあったのです。

解説台本について

詳しい解説があって密度の濃い時間を与えるようなものではなくて、バグ技を強調して、後は失言をしないようにという方針でした。(視聴される方の大半は次のロックマンX6のついででしょうからね)
実際、Youtubeのアーカイブの再生数を見るとコマミはX6の半分以下でした。

とりあえず、「ずっと俺のターン」で行動順がずっと同キャラになる図や、アイテム増殖バグで数の桁がおかしくなるあたりを見てもらえればよいという考えでした。おかしくなる場所は画面少し止めてまでその画面を映すようにしましたね。

あとはストーリー展開やキャラ設定といったツッコミどころや本番ならではのハプニングくらいしか思いつきませんでしたが、事実だけ言って、わかる人に拾ってもらうことを期待しました。

ターン制RPGのRTAは「プレイヤーの技術がすごい!」というポイントが既プレイヤーでない場合はとてもわかりにくいです。
コマミは知名度が著しく低いこともあり、技術的な部分でのすごさはまず伝わらないと思いました。(「ここむずかしいんですよ」とか言うのは恥ずかしかったですし…)

台本の言葉選び・校正

台本に当たっては言葉を色々試行錯誤しました。
チャリティー先の「国境なき医師団」さんはおそらくゲームのことをほぼ知らないです。あくまで人を助けるための活動として会場にいらっしゃっていたはずですので、そういう方々が会場で見ていると考えたら変なこと言えないなという意識になりました。
あとはあまり役に立たなかったですがAIに校正させたりして危険なものがないか確認したりもしました。

台本の校正は主に下のようなチェック項目になったと思います。

  • 説明が簡単かどうか
    中学生レベルでわかる単語を使ったり置き換えたり、ワード数をなるべく少なくなるよう意識しました。

    • アクショントリガー→必殺技みたいなもの

      • ATとか省略して言わないようにした(画面に表示されている文字でなるべく説明するようにした)

    • 公式から引用したような長ったらしいゲーム説明は避けた

    • トリッキーなキャラ→色々なことができるキャラ

    • 確率を高い低いというと人によって認識が違うので、20%とか90%とか明らかだとわかるものを言うようにした。

    • X秒早くなる→かなり早くなる

    • バグの説明は画面見て明らかなところ以外はそんなに言わなかった。

      • 画面少し止めてその画面を映すだけで充分だと思った。

  • 説明が汚くないか・暴力的でないか

    • ×ぶっ殺す→やっつける、倒す

    • ×本拠地にカチコミます→本拠地に殴り込みます

    • ×盗む→奪う

    • ×味方が死ぬ→味方がやられる、倒れる

    • ×ぶっ殺されていました→亡き者にされていました

    • ×クソ→よろしくない
      (AIに校正させたらエクソダスが引っかかった)

    • ×遅延してくる野郎→遅延してくる敵

    • ×ウザい・キモい→不愉快、個性的、趣きがある

    • ×ヤバイ状況→まずい状況

    • ×ナースっぽいキャラ→白いキャラ

      • ナースが万が一差別用語にあたるかもしれない(調べてみると看護婦って言うのがアウトだった模様)ので白いキャラ程度でお茶を濁しました(シナモンのことです)。また、シナモンの帽子に書いてある赤い十字は現代ではNG(スマホアプリでの登場時には色が変わっている)なのでその辺も触れないようにしました。
        などなど

  • 味方キャラを馬鹿にするようなことを言わない

    • そのキャラを好きな人がいるのでダメ。仕様を述べるだけならOKとした。

  • ネガティブな反応をしすぎない

    • これはイベント時は正直守れなかったです。序盤はかなり運が悪くてためいきとかしてしまったので…。ヘラヘラ笑いながらやりたかったですね。

  • ゲームに関係のない作品の話はしない

    • 関連シリーズの話は文脈が大きく外れていなければOKだが、ネタバレはしないこと。

    • コメントが勝手に拾って展開する分の配慮まではしなかったです。

  • ミームはわからない人が多いので基本使わない。

    • 知っていれば盛り上がるかもしれないですが知らない人には冷めるし、ミームは人を馬鹿にしたようなものや下ネタのようなものが多いのでなるべくなら使わない方がよい。

    • ナナの話をしたときにコメントに「へえ、あんたもナナって言うんだ」(全然違う少女漫画のミーム)がこすられてて笑ってしまいました。

    • タイチョウは自然な流れでいえる場面があるのでそこだけ使った。

  • フェラムのネタはこすらないようにした

    • 〇〇〇ムと伏字になることで有名だったが言わなかった。におわせなどもせずキャラ名しか言っていない。

  • 開発会社さんに最大のリスペクトを

    • 一番すごいのはゲームを作った方達です。

    • 移植出してほしいなぁ。

本番

  • カンペはiPadにnotion入れて、それを見ながらやる形でした。

    • 折りたたみ機能など便利だと思ってnotion使ってましたが、スプレッドシートの方がシンプルでよかったかもしれなかったです。

  • ストップウォッチ用にスマホのタイマーアプリを使用していました。

  • 途中暇な時にチャットにコメント打つつもりでしたができませんでした。

    • iPhone7を変えなければならないと思った瞬間でした。

  • 運営さん側で用意していただいたRetroTinkとディスプレイの性能が高すぎて、ダッシュのタイミングが合わず下手になってました(笑)

  • 普段配信時はあぐらかいてやっているので違和感がすごかった。

  • ワイプ見ていただけるとわかりますが、イベント用チャートが定着していなかったこともあり、本番中かなりの頻度でカンペ見ています(顔を左に向けた時が見ている)


アーカイブのコメントと反省会の振り返り

気になったコメントや反省会配信での質問などをピックアップ。

  • 笑いやコメントが加速するだろう点は概ね予想通りでした。

    • バグ技のところとフェラム、タイチョウのくだり、ゼロ全般、キーファ現象。

  • ムービーがスキップされるまでに発するわずかなセリフでも拾ってくれている方々が多くてあったかかった。

    • ゼロの「ふざけるな!」が一番ウケてましたね。

  • 思った通りにゃんこグローブに言及している人は多かった。

    • 治療するキャラだったので、チャリティーイベントの話をすればよかった。

  • ブ ウ バ 暴

    • シルバーホーンド戦は案の定説明が多すぎて全然入らなかったので言えなかった説明ですね。コメント兄貴が補足してくれてて助かりました。初見だと分かるわけないですよね…。(ラインド・イルス・インド・走)

      • やられると困る攻撃・ファイナルストライク・マッシモのハイパーモードの説明・パワーチャージの重ねがけによる最大火力・単体攻撃されると困る理由(反撃しちゃうから)などなど多かった。

  • 走者の声が小さい

    • これは私の地声が小さかったので本当に申し訳ない…。

    • 思い当たる節としては、マイクテスト時に「本番と同じ感じでしゃべって下さい」と言われたときそのときだけ私の声が大きくなっていた可能性があるのも後で気づきました。しゃべって下さいと言われると普段より声大きくなりませんか?

  • ティアナ海底収容所の光る音床ギミックがロックマン&フォルテのアストロマンステージと似ていることに気づいている人が思ったより多かった。

    • よく覚えてるなぁ。(自分はニコ動のコメントで知ったなんて言えない)

    • 無印とXシリーズ好きな人は知識も半端ないイメージ。

  • ダイナモに言及している人が多い

    • スパイダーのじゃあな!とダイナモのじゃあな!がかなり似ていたからみたいでした。(スパイダーは神奈延年さん。ダイナモは森久保祥太郎さんなので演じている人は違う)

  • ロックマンX Dive(スマホアプリ(2023年にサービス終了))をやっていた方がかなり多かった

    • マッシモが登場した際にDiveで使ったというコメントがかなり多かったため意外でした。いや確かに強かったんですけども(最低レア度なのにバリア持ちだったし)。

  • ブレスオブファイアのことには言及しなかった

    • コメントだとBOFと言っている人が多かったですが、これは同じカプコンさんが作っていたブレスオブファイアというシリーズのことです。コマミはBOFの開発メンバーが関わっていたため、アクションから急にRPGにしたのにRPGとしてのレベル・ゲームデザインは非常に完成度が高かったです。

    • しかしながらBOFは近年の作品はあまり評価が高くないです。ク〇ゲーというコメントを打たれるのを避けるため、今回は触れないでおくことにしました。(同じカプコンさんとはいえ他作品ですし、ロックマンより知らない人も多いでしょうと判断したためです)

  • 寄付額投票でナインテイルズ撃破を入れようと検討はした

    • 自分の持ち時間が2時間10分で自分の平均記録が2時間前後。ナインテイルズ撃破はあらかじめセーブデータを作っておけば14分かかるものが10分ほどで終わります。(スタッフロールと一番近いセーブポイントまで移動する時間をスキップできるため)
      少し時間をオーバーするリスクを負えばいけそうではありましたが、時間内におさめて何事もなく終わる方が大事だったので断念しました。

その他

  • コマミの認知度は上がったので自分の役割は充分果たせたと思います。

  • コマミのRTAはナンバリング本編や私が今までにやったRTAに比べるとマジで簡単なので、Switchなどに移植してくれると走者は増えてくれそうではあります。まだまだ早くなる余地はありますし。

  • 自分のチャンネルのゼルダRTAの動画が明らかに再生数増えました。

    • 4剣+が走られたので、日本唯一の解説動画であろう私のところにたどり着いた人が多かった感じでしょう。
      なんて皮肉なんでしょうか。


コマミに関する今後の活動予定

  • 1時間47分(Any%)と2時間1分(DefeatNineTails)の動画作成

    • ナインテイルズ撃破RTAはまだ動画にしていなかったので、再走も兼ねて作っています。(分割かまとめてかは未定)

    • 1時間58分の記録出した時に作った解説動画は下の再生リストにあります。

  • 100%RTAの可否の検証

    • プレイ時間20時間(WEゲイン+25)とプレイ時間25時間達成の実績がでてくるため、それも含めてしまうとみんなタイムが同じになってしまいます。それでは競う意味がないので省かないとならないなと思いました。(100%じゃないやん!!)

    • 他にも考慮すべき点(GC版とPS2版といったハード違いの点など)があるか全要素のチェック。

    • 現在は100%RTAで最も大きな比率を占める「派遣」コンプがどれくらいで終わるのかの調査が最も大きな課題です。

      • 送り出すロボットの組み合わせや成功率、帰ってくる時間など意外と仕様が複雑なので、かなり検証が必要なところです。

    • 進捗は…このnoteですることにします。(毎月の活動報告)

  • バグなしカテゴリ(Glitchless)

    • 現時点だとやるかどうか迷っています。(今割と燃え尽きているので…)


長々とご覧いただきありがとうございました。

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