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バレンタインの恋物語-少年Yの後悔

どーも、Yoshiです。

今年も「バレンタインデー」って日が訪れましたね。


僕にも一応良い思い出はありますが、人生をトータルして考えれば毎年あまり縁がないイベントです。現在ではバレンタイン前後に音楽イベントがあったらその時にお返しが必要な物を貰える事もありますが、本命ってやつは当時のお相手を除いて貰った覚えがありません。

だがしかし。

そんな僕も実は一度「本命」を貰った事が…

いや、僕の思い違いかもしれない。

だけど、今思えばそうだったんだと…思いたい。

もう真実は闇の中だ。だけど、もしそうだったなら…


そこに気付けなかった鈍感な男が、男を見せられなかった結果だよ?


では今回は、そんな淡いバレンタインの恋物語って趣旨で当記事を記していこうかと思います。

普段の趣旨、音楽の話しかしないってコンセプトは破壊しました。実はnoteを始めたての時に書こうと思い付いた事があるのですが、いかんせん当日に思い付いてしまった為文章が纏まらず頓挫してしまいましたので、今年は思い付いた瞬間から準備しました。

早速とんでもないことに、前置きで400字使いました。
なのでそろそろ本編に移りたいと思います。
では、是非お付き合いください。



時は2003年。

当時高校2年生の少年Y()はこの年の9月、ドラマーとして初めてステージに上がった。そしてこの日をきっかけに新しいバンドを始めたのであった。なんとそれから間もない2004年に入ってすぐのライブが凄く盛り上がり、彼は気分が高揚している状態だった。

だが、そんな彼には深い悩みがあった。ここまでの人生、1人の彼女も出来ないのである。

高校に進学し携帯電話も手に入れ、時には好きな女の子、気になる女の子とメールが出来た。そして時にはデートに行けた。けれど、そこからの関係は発展しない。
周りにはどんどん彼女が出来るし、お前はまだなの?って何度も言われていた。

1人だけ取り残されている感覚が心を支配する毎日。
バイト先やバンドのライブで出会う可愛い子には、必ず彼氏がいる。高校のクラスでは男女比率が7:3。好みの子がいないとか、それ以前の問題でクラスの女子とはほとんど話す事も出来ない。

ようやく中学生の時から憧れていたドラムを始め、つい最近の盛り上がったライブで出会った女の子からは「カッコいい!」って言われた。だがその後、それでも進展はなかった。あの雰囲気から何もないって…いったい俺は何がダメなんだ…

彼はずっと悩んでいた。


だがそんな彼に、ようやくチャンスが訪れた。

ある日友達が「女の子に会いに行くけど、来る?その子の友達もいるみたいだし」と言って来た。

Yは一緒に向かった。そしてその場で意外にも話が盛り上がり、Yは「その子の友達」のアドレスをゲットする事が出来たのだった。

彼女と話が通じた大きな理由。それは彼女もドラマーだった事だった。彼女は現役で吹奏楽部でドラムを叩いている。Yがその子のドラムプレイを初めて観るのはそれから数年後の話になるが、その当時から相当な技量を持っていたのは間違いなかった。

今考えれば始めて半年で、それも勢いとノリだけでやっているYが同じ土俵で話せるような相手ではない。だが彼は、その時の引き出しでずっと彼女にドラムの話をしていた。そんな話をずっと楽しそうに聞いてくれて、仲良くしてくれる彼女。そんな彼女と話せる時間は、Yにとって幸せな時間だった。その後も連絡のやり取りをしたり、2人きりではないけど顔を合わせる機会もあった。


そして、あの夜が訪れるのであった。

2004年2月14日。

いつも通り、学校が終わってからはアルバイトがあった。バイトが終わってからYは携帯電話を取り出した。

「1件のメッセージがあります」

Yが思ったのは、どうせ親が何時に帰ってくるのかと聞いてくるメールだろう、だった。だが、メールの送り主はなんと彼女だった。

「友達同士でチョコ作ったんだけど、作りすぎて余っちゃって。Yくん、いらない?」

Yは嬉しくてすぐに「食べたい!」と連絡を返し、着替えを大急ぎで済ませ待ち合わせの場所に向かった。

バイト先から向かったのは彼女の家の近くの公園。自転車を漕ぐスピードは普段の3倍増しだ。夜の寒さも、学校とバイトの疲れもどこ吹く風。公園に着くとすでに彼女が待っていた。

こんな寒い中、僕を待っていてくれたんだ。まずそれが本当に嬉しかった。そして、何を話したのかはあまり覚えていない…けれど、彼女が作ってくれたチョコはその場で食べた。それは今まで食べた中で1番。本当に美味しかった。そしてその夜、Yは彼女を初めて「可愛い」と思ったのであった。

彼女の家は歩いて3分。そこまで送って帰った。
帰りの自転車で、彼の表情からは笑みが止まらない。
もう、付き合うのは時間の問題だ。すでに付き合った気分である。

しかし、その数日後、彼を絶望が襲う事になる。

Yは当時のバンドメンバーの家に泊まりに行っていた。気付けばお互いの好きな相手の話で盛り上がり、彼はそのテンションのままに彼女にメールを送っていた。

その時、返ってきた返信で彼は絶望の淵に立つ事になったのである。



「彼氏…出来たんだ」


さっきまでのテンションが嘘のように、彼は意気消沈していた。

聞けば、少し前まで好きな人がいてその人に告白され、やっぱり好きだったから付き合ったとの事だった。

「何であの状況から…」

そうは言ってももう遅い。
Yにとっての初めての彼女は、またお預けになってしまった。彼はこの時「裏切られた」って気持ちでいっぱいだった。周りにも「付き合えそう」って言ってしまった…そしてまた彼は彼女がいない事をネタにされてしまうのであった。


20年後の2月14日。

Yはもう37歳。あの時と何も変わらないあの公園の前を通り、あの事を思い出した。

あの真実は闇の中だ。

でも一つだけ…間違いないと言い切れる事がある。




「あの場で告白しなかった俺の負け」だと。




最後まで読んで頂きありがとうございます。

今まで人にこの経緯を話す事もなかったのですが、20年が経った今ネタに出来ると思い記しました。

今思うと、本当に何してたんだと(笑)
まぁとりあえず一言で言うと凄い奥手で「男らしさ」ってやつはなかったように思います。

僕の恋愛事情を辿るとこの年にようやく初めての彼女が出来るのですが、それもまた短命で…そういえばその思い出も記してました(笑)


では、現在はどうなんだって?

それは僕のプライベートって事で、今は秘密にさせて貰います。
ドラムって恋人には、年中片想いしてます(笑)

それでは皆様、幸せなバレンタインデーをお楽しみ下さい。
最後まで読んで頂きありがとうございます!

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