[お守り] 宗教法人が「サムハラ」をお守りとして商標登録することは無効ではないのか?
問題
宗教法人さむはら神社は,サムハラという4文字の言葉をお守りとして商標登録しています。これは無効ではないのでしょうか。
サムハラが商標登録されたことは以前にもありました。
宗教法人さむはら神社の前身である,「サムハラ新光会」(昭和7年設立)を作った田中富三郎は昭和元年ごろに,サムハラの文字を商標登録しました(渡邉, 2012)。田中富三郎は昭和10年には岡山県津山市にサムハラ神社を作りますが,岡山県の指導により,昭和11年には神社を撤去しています(渡邉, 2012)。撤去の理由は「畢竟無許可の神社を建設し而も之を販路拡張の営利手段に供しつつあるものと認められた」(渡邉, 2012)とあります。
田中富三郎は,サムハラの文字をステッキなどに刻印し販売していましたが,その販路を拡張するために,サムハラの文字を商標登録し,神社までつくりました。
神社が再び営利手段として利用されてはいないでしょうか。
商標法
商標法の第二条をみてみます。
ここでいう,商標は「商品」に使用するものであることがわかりました。
それでは,お守りは商品でしょうか。
神社が行っている七五三や新車納入時の祈祷は商取引とは言えないでしょう。同様にお守りをお金と引き換えに渡すことも商取引とは言えないでしょう。もしも,これらが商取引であるならば,宗教法人を名乗るのはできないでしょう。
宗教法人法
宗教法人とはなんでしょう。宗教法人法第二条をみてみましょう。
ここで明らかなように,宗教の競技を広め,信者を教化育成することが,宗教法人の主たる目的です。七五三や新車納入時の祈祷は商取引ではなく,宗教的儀式です。お守りを渡し,お金をもらうのは商取引ではありません。お守りの交付はお布施の一種と考えるべきです。
結論
そうであるならば,「サムハラ」という文字をお守りとして商標登録するという行為は無効ではないのでしょうか。
上のキャプチャー画像は本文の内容と関係はありません。
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