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今日は何の日?7月31日は,柳田國男の生まれた日!

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概要 このページでは「今日は何の日?」をテーマに,今日生まれたひとは,今日あった歴史的出来事について書いていきます。昔のことを思い出し,それを題材に周りのひとと会話するきっかけづくりにお使いください。毎日提供!(たぶん)

今日は何の日

7月31日は,柳田國男の生まれた日です。

1935年に民間伝承の会を作りました。日本の民俗学の開拓者です。

柳田國男といえば,遠野物語が有名です。里の神,家の神,山神,天狗,カッパ,座敷童など不思議な話が収められています。なかには不思議でもなんでもなく,人間というのは今も昔も同じように,おそろしいものだとわかる話も収められています。たとえば,次の「家の盛衰」と題されたはなし。

孫左衛門が家にては,ある日梨の木のめぐりに見馴れぬ茸のあまた生えたるを,食はんか食ふまじかと男共の評議してあるを聞きて,最後の代の孫左衛門,食はぬがよしと制したれども,下男の一人がいふには,いかなる茸にても水桶の中に入れて苧殻をもちてよくかき廻して後食へばけつしてあたることなしとて,一同この言に従ひ家内ことごとくこれを食ひたり。七歳の女の児はその日外に出でて遊びに気を取られ,昼飯を食ひに帰ることを忘れしために助かりたり。不意の主人の死去にて人々の動転してある間に,遠き近き親類の人々,あるひは生前に貸しありといひ,あるひは約束ありと称して,家の貨財は味噌の類までも取り去りしかば,この村草分の長者なりしかども,一朝にして跡形もなくなりたり。(p.25-26)

柳田國男「遠野物語」

家族が毒キノコを誤って食べてしまい,七歳の女の子をひとり残して,みんな死んでしまった。親類縁者が日毎,貸しがあったから返してもらおう,生前もらうと約束していたからなどと家財道具をみんなもっていってしまった。味噌までもっていったというはなし。

人間のおそろしさがよくわかるはなしですが,実際,こういうことはどこの町や村でも聞くはなしであったり,実際に体験することもありますね。七歳の女の子は,そんな大人の姿をどういう思いで見て,その後生きていったのでしょうか。

なんともいえず,不気味ですが,これが人間のひとつの顔であることは間違いのないことです。

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