今年読んだ本、良かったもの5選
年末なのでいろいろ振り返っているところなのですが、とりあえずひとつは、読んだ本かなと。
毎年、100冊読むというを目標にしているのですが、残念ながら今年2018年は今日(12/28)時点で読了数70冊ほどでした。
なぜ目標達成ならずだったのかはまあ、別の機会に振り返るとして、とりあえず今年読んだ本の中でよかったなあと思うものを挙げてみたいと思います。
会社のボスであるまりこさんのこちらの記事のフォーマットをパクりまして・・・
とりあえず5冊選んでみました。ジャンルはいろいろです。あんまり新しい本はないのですが、新しいから良いってわけでもないですからね。
1.私とは何か――「個人」から「分人」へ
今年一番良かったな、と思う本。2012年の本なので、全然新しくないんですけど。
なんとなく哲学的な気配のするタイトルではありますが、読んでみるととても平易な言葉でわかりやすく、「分人」という考え方について説明されています。
超、雑にまとめてしまうと、ひとりの人間って、相対する人やシチュエーションによって振る舞い方や考え方が変わるもので、そのひと場面ごとに「分人」ができている、そして個人はその分人の構成割合によって変わるのだ、という考え方。
家族と過ごす自分、仕事をしている時の自分、昔からの友達と一緒にいる時の自分・・・たぶん、けっこう振る舞い方が変わるという人も多いと思います。この本を読むと、そのうちどれかの自分は嘘で、どれかが本当なんだ、みたいな話じゃなくて、どれも自分だよね、と受け入れていいんだ、と思えて、すっきりします。
そんでもって、自分を変えたければ、分人のあり方を変える、つまりは付き合う人や所属するコミュニティを変えるということなんだな、というのがすっと腹落ちする。
内省的な、自分という人間について悩むことが多い人なんかに、おすすめです。
2.フィードバック入門 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術
7月に会社でマネージャーになりまして、いろいろ学ばねばならないなと。先輩マネージャーがこの本は良書、と言っているというのを聞いて読んでみた本です。
「耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す」という表現はけっこうピリピリしますが、まあ別に、チームの環境がそんなに悪いというわけではないです笑
ネガティブなフィードバックは、S(シチュエーション、どんな状況についてのことか)、B(ビヘイビア、その状況でどんな振る舞いをしたか)、I(インパクト、その結果どんな影響があったか)を具体的に定めて伝えることが大事、みたいな、納得感があり「実践してみよう」と思えるハウツーがていねいに説明されている良い本でした。(どれくらい実践できてるか?は、課題ですが!)
マネージャーの役割のひとつは人材育成なのだと思いますが、実はチームで自分が年齢としては一番下だったりして、「育成する」みたいな視点はちょっとおこがましいというか、自分の中でしっくりこないんですよね。立場として言うというより、みんながうまくフィードバックしあうチームになったらいいなーと思います。(けっこう難しいけど)
3.暗号解読(上下巻)
なんか鉄板やろそれって感じですみません。
仮想通貨(暗号通貨)が流行ってた名残で読んでみるかーと思って手に取ったら、知的好奇心がバリバリに刺激される感じでめちゃ面白かったです。
古代からのさまざまな暗号化の試み、そしてその暗号を解こうとする試み、結果より難しい暗号が生まれていく、その過程がすごくワクワクします。
第二次世界大戦時に生まれた「エニグマ」という暗号(・復号)機の仕組み、そしてドイツのエニグマによる暗号メッセージを解読しようとしたイギリスの取り組み、さらにその中には今日のコンピュータの基礎を作ったアラン・チューリングが・・・というあたりも胸熱。
あ、あと一緒に紹介してしまって大変に恐縮ですが、同じ作者の『フェルマーの最終定理』も最高でしたね・・・
数学がそんなに得意でなくても、ドラマとして胸熱なので、教養書として読んでおいて損はないと思います。
4.うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間
プロ棋士、仙崎学九段がうつ病にかかってから寛解するまでの日々を、本人が振り返って綴ったもの。
とにかくご本人のうつ状態だった時の描写がリアル。空気を吸うように解いていた詰め将棋が全然できなくなって、3手詰めくらいの超初級のものからリハビリとしてやり直していく様は、読んでいて眉間に皺が寄ります。
そして回復期、周りの棋士の方々と将棋のトレーニングを重ね、力を取り戻していき、ご自身の自信も取り戻していく様子が、心を打ちます。
棋士にとって将棋は単なる仕事ではなく、その人そのものなんだろうなと、熱い気持ちになりました。
5.人間のように泣いたのか? Did She Cry Humanly?
森博嗣が好き、というか森博嗣の描く未来がけっこう好きで、このシリーズはまさにそれな感じです。
講談社タイガという新しいレーベルで、なんと文庫を3ヶ月に一冊刊行するという、相当速筆な作家さんじゃないとできない変態プレイに乗せられ、毎回新刊をわくわくして待っていました。
いわゆるアンドロイド(作品中では「ウォーカロン」と呼ばれています)と人間が混在する近未来の世界で、ウォーカロンや人工知能を巡ってさまざまな事件が起き、主人公たちがそれを解決・・・というか体験、考察していくシリーズ。
最初に書いた通り、技術の発展によってアンドロイドや人工知能が普通になった未来を、工学博士で大学准教授でもあった森博嗣のなかの「リアル」で展開してくれて、ファンにはたまらないです。
もし読むなら、シリーズの第1作から読んだらいいかも。
そんでもってこのシリーズ、『人間のように泣いたのか?』で完結してしまいました。めちゃ悲しい。今年イチ悲しい。
そんなわけで、ジャンルごちゃごちゃでしたが、いろんな本読むのは楽しいですよね。来年もいっぱい、本を読みたいなと思います!
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