柄谷行人『力と交換様式』岩波書店(2022)を読む。その1
最初の記述で、マックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』からマルクス社会編成social formationsにおける上部構造の相対的自律性を議論している。
結局は、マルクスは下部構造である経済的な土台の反映として上部構造を考えていたのではないという、それはアルチュセールからカルチュラル・スタディーズに輸入された文化の問題へも広がる議論だった(文化の相対的自律性は、現在読書会で読んでいる。Victoria D.Alexander.Sociology of the arts.Second Edition.Wiley Blackwell 2021なんかでも重要な議論だと思う)。
柄谷は『力と交換様式』を出版する前に「霊と反復」を『群像』に書いていて(2021年10月号)、そこではウェーバーは教科書的に触れられていた。このエッセイはわりと衝撃的な内容で、書店で売り切れていたのをAmazonで買ったと思う。
「しまいには、何も仕事ができず、タイガーマスクの面をかぶって、近所を徘徊したりした。」柄谷行人「霊と反復」『群像』2021年10月号68ページ
これから柄谷を読んでいきたい。
つづく