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「バランスシート縮小」って呪文???


最近、金融関係のニュースや新聞記事に「FRBがバランスシート縮小に乗り出す」といった表現が出てますよね。

これは、金融業界の人にとっては良く知っている用語ですが、そうでない方々にとっては、意味が分からず「呪文か!?」と思うことでしょう。

4月9日の「米FRBの金融引き締め加速観測で資産形成どうする?」にもこの用語が登場しました。そこで簡単に説明したいと思います。できるだけ簡単に説明しようとすると文章が長くなるので、その点ご了承ください。

まず「FRB」はFederal Reserve Board(連邦準備理事会)のことで、米国の中央銀行のことです。日本でいう日本銀行(日銀)みたいなものです。ニュースなどで「FRB」と聞いたら、あ、米国でいう日銀のことだな、と思ってください。

ちなみに、厳密にいうと、米国には「FED」(Federal Reserve System:連邦準備制度)という金融システムの制度があって、その意思決定機関としてFRBがあります。ややこしいのは、米国内12地区にある連邦準備銀行もFRB(Federal Reserve Bank)と表記されることです。何が何だか分からなくなると思いますが、基本的には「FRB」も「FED」も全部、米国の中央銀行のことを言っているのだなと思っていただければ問題ありません。

そのFRBが「バランスシート」の縮小に乗り出す・・・???ですよね。

バランスシート(balance sheet)とは「貸借対照表」のことです。ここでいうバランスシートは中央銀行のバランスシートを指します。

米FRBを始めとして、ECB(欧州中央銀行)や日銀など世界の主要中銀は、コロナ禍による景気失速を回避するために、大規模な金融緩和を行いました。いわゆるじゃぶじゃぶマネーの供給です。金融緩和にはいくつか方法があるのですが、主なものは利下げ(政策金利を引き下げてお金を借りやすくしたり、投資をしやすくする)と量的緩和(中央銀行が市中から国債などを買い上げることで、国債の利回りを低下させるとともに、購入資金が市場に大量に供給され、お金がじゃぶじゃぶ状態になる)です。

この後者の量的緩和を行うと、中央銀行のバランスシートに国債などの債券がどんどん積み上がっていき、バランスシート自体がどんどん膨らんでいきます。中央銀行が金融緩和をやめて、金融引き締めに転じる場合、利上げに加えて、この膨らんだバランスシートを小さくする政策に転換します。それが「バランスシート縮小」なのです。

では、どうやってバランスシートを小さくする、つまり積み上がった債券残高を減らしていくのでしょうか。簡単なのは持っている債券を市場で売却することですが、中央銀行がいきなりそんなことをしたら、マーケットはびっくりしてしまい、債券価格が急落してしまいます。ですので、基本的には債券の満期償還を待って徐々に減らしていく方策を取ります。

こうすることで、債券残高が段階的に減少しバランスシート縮小が進むというわけです。

金融政策ってとっつきにくいですが、色々と興味深いことが多いです。皆さまも是非興味を持って見てみていただければと思います。

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