見出し画像

「ラッテリア ベベ カマクラ」のしらすピザ@鎌倉

 61歳の春からまた仕事をすることになった。しかも月曜から金曜のフルタイムで、毎日出勤している。37年勤めた出版社を定年退職して、もう働かないという選択肢もあったし、一時はそのつもりであったが、すこしばかり経緯があって再就職をした。定年から4か月間の無職の時間があり、このコラムでも書いてきたように、けっこうな日数(合計21泊)の旅をしながらのんびり過ごしていた。環境の変化が大きく、新しい職場の新しい仕事ということで、GWが近づくころにはだいぶ疲労の蓄積を感じていた。前にも書いた鎌倉の定宿、メトロポリタン鎌倉に、GW前半1人で2泊してゆっくり過ごすことにした。
 湘南新宿ライン逗子行きに乗れば、山手線の池袋や新宿などからノンストップで鎌倉に到着する。なんとも便利になった。逗子や小田原などと宇都宮や高崎などがダイレクトに行き来できる。JREのダイヤの組み立ておそるべしだと思う。
 メトロポリタンの部屋に荷物を置いて、これもかならず寄ることにしているコーヒースタンド「THE GOOD GOODIES」で中米のシングルオリジンを楽しんだりしていると夜になる。1日目の夜は人気店の「ラッテリア ベベ カマクラ」にする。チーズ工房を併設していて、自家製チーズを使ったピザとパスタがおいしいと聞いていた。1人なのでいろいろオーダーすることはできない。カウンターで熟考のすえ、グリーンサラダとトマトソースのしらすピザをチョイス。親切なスタッフがサラダがけっこう大きいと教えてくれたので、ピザはすこし小さめでお願いする。グラスワインのラインナップも充実していて、スッキリした白を1杯とレコメンドのオレンジを2杯。石窯でピザが焼きあがる。いわゆるナポリふうの生地にしらすがたっぷり乗っていて、湘南気分満開である。旅の滑り出しとして申し分のないディナーとなった。
 翌日は人混みが予想される鶴岡八幡宮界隈や「鎌倉殿」ゆかりの人気スポットを避けて海沿いに向かうことにする。鎌倉駅東口から京急バスで光明寺まで行ってお参りした後、材木座海岸に出る。材木座から、ビーチと134号線をのぼったり降りたりしながらゆっくりと由比ケ浜まで歩いた。今年のGW、スタートは雨混じりだったが、この日の昼ころから雲が切れて晴れてきた。キラキラした日差しと新緑香るそよ風を満喫する。歩いているあいだ、ずっと波の音が聞こえている。鎌倉の街がゆったりと包みこんでくれるように感じていた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?