父親。

「松岡先生職員室まで来てください」
夏休み、吹奏楽部の練習中に放送が流れた。
いったん、練習わ止めて先生は職員室へ行った。
私はその時、中学1年生。
先生が戻り、いつも通り練習をを終え自宅へ帰った。
自宅は山の上。「何でこんなところに家があるんだ」といつも通り思いながら、汗びっしょり自転車を押して帰った。
家の駐車場には、母、父、父方の祖父の車があった。私は「いよいよ離婚か」と思った。
玄関から中へ入り、リビングに向っているとトイレから出た母に後ろから両肩を持たれ、「父さん死んだんよ。」と言われた。
あの放送は、父が亡くなった事を母が学校へ連絡したからだった。

あれから20年、父親の事誰も話さないし夢みたいな感覚だけど毎年亡くなった頃にその日の事を思い出す。父親が生きてたら今の生活は無かった。
ろくでなしで、大変な存在だったけど、父親に甘えてみたかったな。



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