読書感想:徳川慶喜は多才な学者肌の変態である(個人的見解)切れ者で懐深い上司かもしれないが…
今日の本は、絵本じゃない💦 この本の主人公は、今、放送中の大河ドラマ『天を衝け』でも出てくるあのお方…主人公渋沢栄一が仕える『一橋慶喜=徳川慶喜』です。 私はまだ『天を衝け』を見ていないのですが… 多分ですが。この本を読むと、大河ドラマで描かれている徳川慶喜とは違う、びっくりな面を見られると思われます(笑)
おススメ度★★★
深いぃ度★★★
本:新装版 最後の将軍 (文春文庫)
作:司馬遼太郎 さん
出版:文芸春秋
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お話
江戸幕府第15代征夷大将軍の徳川慶喜の
幼少期、一ツ橋時代、将軍時代、倒幕後、すべての幕を下ろすまでを描いた
あの有名な司馬遼太郎さんの歴史小説。 慶喜の性格や考え方が詳細に描かれているのと同時に、江戸幕府、幕末の政治的攻防が描かれているお話。
感想
この手の歴史小説を初めて読む方へ
この本、幕末好きにはたまらないお話なんだけど…日本史を苦手に思う方は少し、入り込むのに、苦戦しそうな感じ(笑)言葉も昔の話し方だし、役職名や、藩の名前の下にさらに人物名が来るので、主語が長い(笑)
私的な、読み方のおススメは、ヒトの名前がむつかしく書いていると思ったら、それは「絵」として認識してみてはどうだろう。
井伊直弼だったら…このかくかくした型の名前の人は、「でっぷり太った、ブルドック顔のおじさん」とかって思えばよい(笑)司馬遼太郎さんの人物描写から、かなりイメージできると思う(笑)
慶喜に色々いわれ、顔を真っ赤にして頬っぺたをフルフルさせてる井伊直弼のシーンとかを想像するのよ(笑)
あとは…今なら、大河ドラマの「天を衝け」を少し見てから読み始めてもOKかも、または、竜馬がゆくとかを読むとか…そのあたりの時代のドラマを少しでも覚えているなら入り込みやすいと思う(笑)
さて私の感想…
周りは全部敵!という四面楚歌、孤立無援、しかも幕府内も自分の敵ばかりと分かりながらも徳川幕府を終わらせるために将軍になった男の物語だった😵💨
慶喜は、いわゆる殿様になるために英才教育をされた人でした。でもね。殿様教育された、全員がこうはなれないよね…ここは、慶喜が天才だからかもと思ったよ。
これまで、司馬遼太郎の作品は食わず嫌いでほとんど読んでこなかったけど…慶喜への愛(?)を感じたよ。幼少期の逸話とかめちゃ詳しく書いてるの。しかも、その情報「ダレトク?」ということまで、
どこまで実際の慶喜公に寄せてキャラクターを描いているか、本当に気になる。
ちょっと、ふつうの人の感覚・常識では考えられない言動をさらっと行える天才肌…うーん。学者肌といった印象の人物でした。
この人…
なんと、本人はなーーんにもやっていない罪で、1年以上罰せられてる。しかも文句も言わずに罰を受けてるんだよね。この方には、自分がどうみられるかなんてなーーーんにも考えてないことがうかがえたよ。
ううう。14代の家茂の代から、幕府を支え続け…「いよいよだめだよね。」と思われるタイミングで無理やり「全身に転移している末期がん」の体を押し付けらるの。しかも、その体は自分のいうことを聞かないとききた。
そんな体・・・ 私ならいらない。
そして、しかも…この本、開始から199ページまで将軍になっていないのである、そして結果的に将軍職から降りる(降ろされる)のは266ページ。参考までに…この小説は278ページである。
余りにも短いよね…
しかもだよ…慶喜さんどうやってこの厄介な徳川幕府終わらせるか考えると同時に、いよいよ事態がにっちもさっちもいかなくなれば…
政権という荷物を御所の塀のうちに投げ込んで、帰ってしまおう。
と考えていた。
その時に、朝廷にいうセリフとして
「あとは朝廷にてご存分になされ」
と考えていたんだと書かれててさ。
「お前ら、言いたいことだけ言いやがって!!」と腹の底から思っていたんだなぁ。泣きそうになちゃった(笑)
この人、自分の好きに生きる選択肢があったとしたら…どう生きていたのだろう。とても興味深い。
ただ…好きに生きる選択肢を見つけることはできなかったかもしれないが…
「平賀源内さん」のようなマルチな人物になっていたのかも。なんて詮のないことを考えたりしてる(笑)
ここまで、慶喜公のキャラの事ばかりの感想になってしまった😨
幕末のイメージは、新選組とか、長州や会津なんかの軍隊の活躍が華やかに描かれている感じだったんだけど、 ドロドロした策略が張り巡らされている事も描かれていて、敵を味方に取り込むための策略とか・・策謀家たちの胸の内は…読んでてワクワクした! これまで、薩摩、長州、土佐の竜馬なんかの情報が私の耳には多く入ってきていたけど、慶喜の考える戦略、幕府側の攻防も面白かった!合わせて考えるともーほんと楽しかった♪
どっちもわかると、楽しさ倍増です。近代史の登場人物がオンパレード♪
なので、1冊しか読んでない「竜馬がゆく」も読もうと心に決めました(笑)
けがれた大人の感想
この、素晴らしく、頭が切れ、弁がたち、責任感がある慶喜公として描かれている。最高の人物のように感じますが…
正直なところ、少し離れた部署の上司。くらいならありだなと思った。
この人の側近3名が有名ですが‥絶対にこめかみをもんだり、「殿…(もしくは若)突然、突っ走るのはやめてください」とか、「ここは、もっと怒るところです」とか、「部下の気持ちも酌んでください」と懇願しているシーンが目に浮かびます。
しかも…暗殺されるというオチも(涙) まぁ本人たちも覚悟の上だったろうけどさ。
そして…
私なら、この人をパートナーに選ばない!!!どんなに偉くっても、お金持ちでもさ。
お母さんのおなかの中に常識とか、ヒトとして大事なナニかを置き忘れて生まれてきた感じです😨
変態さんです。しかも、それのどこが悪いか全くわからないという「不治の病」を持っています。
私は、自分の姿(裸体)を詳細に描かれて、さらに部下に見せて、お前のとこと違うか?一緒か?
なんて、聞かれていると分かったら。説教です。もしくは問答無用で、首を絞めます…😁
サイテーです。 そりゃー京都のお姫様を奥さんにもらったら、あんたも大変だったろうけど、奥さんももっと大変だったわ😁
まぁ。これは、歴史小説=フィクションとはわかっていますけどね(笑)
どうでしょう? 「最後の将軍」読みたくなりましたか?
あっ! 一番の見せ場であろうことが全然紹介できずに終わってる気がしてきた💦
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