【読書】『辺境の怪書、歴史の驚書 ハードボイルド読書合戦』 高野秀行×清水克行(2018)集英社インターナショナル
読書会、本を紹介するための本を読むと困ることは、読んでみたい本がどんどん増えてしまうことだ。本書は、『世界の辺境とハードボイルド室町時代』で対談した二人が互いに紹介したい本を選び、読んだうえで対談するという形で進む。
世界を見て、話し、聞いたうえで民俗学的視点からノンフィクションとして仕上げる高野と歴史家で日本中世史を専門として室町時代ブームの火付け役となった清水の対談である。選書が専門書ばかりで、これを読み込み、気になる点について話を続けていくが、まぁ、よくこれだけキャッチボールができるものだ、と思う。
高野はあとがきで、これまでの経験と知識を体系づけることでき、これを「教養」というのではないか、と書いている。
どの本について対談しているかは本書を読んでもらうとして、体系づけられている教養が違う二人の異種格闘技(タイトルは合戦になっているが)を味わってほしい。