研究することの目的は?
研究すること。
このことについて、こんなに考える機会もそうはありませんでした。
なんとなく、研究はおもしろい、とか、探究心や好奇心が強い方だ、とか、楽しいとか。そんな原初的な体験が、紆余曲折を経ながらも、博士課程にまで自分が歩んできた道のりのような気がしています。
はじめは、大学の卒業論文を書き始めたときでした。
「直感に反する問いを立てる」
先生から教わった、この言葉は、未だに胸の奥底に魔法のように息づいています。
正直、意味がわかりませんでした。
チョッカン、ハンスル?
なんじゃそりゃ。
卒業論文執筆は、正直言って、この意味が分かるようになるためだけにただひたすら研究に打ち込んだようなものだったように、今では思います。
それくらい、「問いを立てる」こと、そのものが研究にとって大切なのです。
なぜ、海は青いのだろう?
なぜ、太陽は眩しいのだろう?
こういった、素朴な疑問から、研究は広がっていきます。
その中でも、社会科学を勉強していた僕は、「直感に反する」問いというのが、先生の教えてくれた命題でした。そして今でもその命題は形を変えて息づいています。
「直感に反する」とは、言い方を変えると、次のようになります。
「一見すると、Aという結論になりそうである。しかしながら、実際にはB、Bという結論になっている。そんな社会現象がある。なぜなのだろうか?」
こういった問いです。理論と現実のギャップ、という言い方がされたりもします。
このような、「直感に反する問い」を立てられれば、それは、研究として筋がよい、ということになります。
この学部の卒論を原体験として、今は博士課程で研究の問いを立てようともがいています。
そして、この原体験の学びと、今ここの博士課程での学びが、なんとなく結びついてきそうな感覚があります。
こちらにも書きましたが、研究の究極の目的というのは、一体どこにあるのだろう、そんなふうに考えるになってきました。
Ciao grazie!
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