古典と現代のクラッシュ、『カクシンハンのシェイクスピア』 3
(完全に「素」の舞台演出(1)からの続き。。)
完全に「素」の舞台演出(2):
夏の炎天下の中待ちわびて、入場した「シアター風姿花伝」。そこで見た光景は僕の想像を大きく裏切るものでした。。。
積み上がった、パイプ椅子、、の山。。。
たったのこれだけ。。!?
間口約8m、奥行き約7mほどの舞台の真ん中に「どーん」と積み上がったパイプ椅子の山。そこにスポットライトが照らし出され、存在感を示すその無機質な金属的な塊。ギラつく光沢感は、そこにこれから始まる人間ドラマ、更には、一切の生命すらを寄せ付けないかのような無骨さの象徴のよう。
エジプトのピラミッドさながらに、ある種、「死」を彷彿とさせる不吉さが、入場前にイメージしていた中世ヨーロッパの町並みや王族貴族の人間ドラマといったシェイクスピアの古典的なイメージをことごとく打ち砕く。これから始まるなにやらただならぬ前兆に、私の心は完全に奪われました。
その安心感とは正反対の、緊張感・居心地の悪さを心に抱えたまま、舞台は始まります。そこでもなんと、さらなるパンチの嵐が訪れ、僕は舞台の「前で」完全にノックアウトさせらられることになります。
(完全に「素」の舞台演出(3)へ続く。。)