古典と現代のクラッシュ、『カクシンハンのシェイクスピア』 2
舞台演劇を見てきました。シェイクスピアの戯曲『ヘンリー六世』です。
クラシックバレエや英文学が好きな妻に誘われ、半ばついていこうくらいの気持ちで見に行った舞台芸術シロウトな私。はじめは、「古典だし、きっとよくわからなくて眠くなっちゃうのかなぁ」と、夏休み初日を半ば昼寝しにいくくらいの感覚で見に行ったのですが、その感覚が見事に裏切られる衝撃の作品でした。前回、『人間の放つエネルギーとパワー』のテーマに続いて、今回は「舞台演出」について書いてみようと思います。
完全に「素」の舞台演出(1):
「シェイクスピアの演劇『ヘンリー六世』を見に行かない?」
そう誘われたら、あなたはどのような光景を想像しますか?
シェイクスピアといえば、言わずと知れた、イギリス文学の大家であり、劇作家・詩人。イギリス・ルネサンス演劇を代表する人物です。演劇や舞台芸術に完全にシロウトな僕でも、その名前くらいは知っています。「ロミオとジュリエット」はあまりにも有名で、そこまでファンでもなかった私でも、イタリアのヴェローナを訪れた際には、ジュリエッタの家に足を運び、前庭にあるジュリエット像の前で記念撮影をしたのもです(典型的な観光客!笑)そんなルネサンス期の作家が描いた作品の一つ「ヘンリー六世」。きっと中世-近世のヨーロッパの王族や貴族の物語で、舞台演出もきっと当時の舞台を模したものなのだろうな、となんとなくイメージしていました。
荘厳な衣装を身にまとった俳優たち。
ヨーロッパの当時の町並みを模した舞台の背景パネル。
情緒と詩情に満ちた言葉のリリック。
こんなイメージを持ちながら、舞台の開場を待ちながら入った「シアター風姿花伝」。そこで見た光景は、私の想像を見事に打ち崩すものでした。
(完全に「素」の舞台演出(2)に続く。。。)