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【神の王国】①神の王国とは


【1】神の王国とは


聖書の主題は、神の王国の樹立であり、神の目的は、その王国にすべての人を(神の民として)導くことです。この王国は、神の六日(六千年)を経て、七日目に千年王国、八日目に永遠の新天新地という形で具現化されます。

シリーズ【神の王国】では、「神の王国とは」「千年王国の統治者」「聖徒と信者」「新天新地の聖都エルサレム」「王国を相続できない者」の5回に分けて、神の王国について考えます。

第1回は、「神の王国とは」として、千年王国と新天新地との関係について考えます。


【2】神の王国と千年王国

1. 千年王国の役割

  • 千年王国は、神の王国が地上的に顕現する重要な期間とされています。黙示録20章に記されており、イエス・キリストが地上で直接統治する千年間です。

  • この千年間は、神の王国が部分的に実現した形として、義と平和が地上に満ちる期間です。

2. 千年王国の特徴

(1) キリストの統治
イエス・キリストは地上における王として統治します(黙示録20:4-6)。
その支配の下、悪は封じられ、平和と正義が実現します。

ヨハネの黙示録 20章4-6節
4 また見ていると、かず多くの座があり、その上に人々がすわっていた。そして、彼らにさばきの権が与えられていた。また、イエスのあかしをし神の言を伝えたために首を切られた人々の霊がそこにおり、また、獣をもその像をも拝まず、その刻印を額や手に受けることをしなかった人々がいた。彼らは生きかえって、キリストと共に千年の間、支配した。 5 (それ以外の死人は、千年の期間が終るまで生きかえらなかった。)これが第一の復活である。 6 この第一の復活にあずかる者は、さいわいな者であり、また聖なる者である。この人たちに対しては、第二の死はなんの力もない。彼らは神とキリストとの祭司となり、キリストと共に千年の間、支配する

(2) サタンの封印
サタンは千年間封じ込められ、人々を惑わすことができなくなります(黙示録20:1-3)。

ヨハネの黙示録 20章1-3節
1 またわたしが見ていると、ひとりの御使が、底知れぬ所のかぎと大きな鎖とを手に持って、天から降りてきた。 2 彼は、悪魔でありサタンである龍、すなわち、かの年を経たへびを捕えて千年の間つなぎおき、 3 そして、底知れぬ所に投げ込み、入口を閉じてその上に封印し、千年の期間が終るまで、諸国民を惑わすことがないようにしておいた。その後、しばらくの間だけ解放されることになっていた。

(3) 聖徒がキリストと共に統治する
殉教者や聖徒が「第一の復活」によって復活し、キリストと共に統治します。

3. 神の王国としての意義

  • 千年王国は、神の王国が地上的かつ限定的な形で現れる段階です。この期間は、神の完全な統治が地上で体験される一方、まだ最終的な完成には至っていません。

  • 千年王国の終了時には、サタンが一時的に解放されますが、最終的には神によって完全に滅ぼされます(黙示録20:7-10)。

ヨハネの黙示録 20章7-10節
7 千年の期間が終ると、サタンはその獄から解放される。 8 そして、出て行き、地の四方にいる諸国民、すなわちゴグ、マゴグを惑わし、彼らを戦いのために召集する。その数は、海の砂のように多い。 9 彼らは地上の広い所に上ってきて、聖徒たちの陣営と愛されていた都とを包囲した。すると、天から火が下ってきて、彼らを焼き尽した。 10 そして、彼らを惑わした悪魔は、火と硫黄との池に投げ込まれた。そこには、獣もにせ預言者もいて、彼らは世々限りなく日夜、苦しめられるのである。


【3】神の王国と新天新地

1. 新天新地の役割

  • 新天新地(黙示録21-22章)は、神の王国が完全かつ永遠に成就する段階です。

  • 千年王国の後、最終的な裁き(白い御座の裁き)が行われ、サタンも死も黄泉も完全に滅ぼされた後に訪れます(黙示録20:11-15)。

ヨハネの黙示録 20章11-15節
11 また見ていると、大きな白い御座があり、そこにいますかたがあった。天も地も御顔の前から逃げ去って、あとかたもなくなった。 12 また、死んでいた者が、大いなる者も小さき者も共に、御座の前に立っているのが見えた。かずかずの書物が開かれたが、もう一つの書物が開かれた。これはいのちの書であった。死人はそのしわざに応じ、この書物に書かれていることにしたがって、さばかれた。 13 海はその中にいる死人を出し、死も黄泉もその中にいる死人を出し、そして、おのおのそのしわざに応じて、さばきを受けた。 14 それから、死も黄泉も火の池に投げ込まれた。この火の池が第二の死である。 15 このいのちの書に名がしるされていない者はみな、火の池に投げ込まれた

2. 新天新地の特徴

(1) 神の完全な支配
神の幕屋が人と共にあり、神が人と共に住み、人は神の民となり、神自ら人と共にいる世界です(黙示録21:3-4)。
ここでは、神の意志が完全に行われます(マタイ6:10の祈りの成就)。

ヨハネの黙示録 21章3-4節
3 また、御座から大きな声が叫ぶのを聞いた、「見よ、神の幕屋が人と共にあり、神が人と共に住み、人は神の民となり、神自ら人と共にいまして、 4 人の目から涙を全くぬぐいとって下さる。もはや、死もなく、悲しみも、叫びも、痛みもない。先のものが、すでに過ぎ去ったからである」。

マタイによる福音書 6章10節
御国がきますように。みこころが天に行われるとおり、地にも行われますように。

(2) 完全な回復
死もなく、悲しみも、叫びも、痛みもすべて取り除かれます。
新しい創造が現れ、完全な平和と喜びが永遠に続きます(黙示録21:5-7)。

ヨハネの黙示録 21章5-7節
5 すると、御座にいますかたが言われた、「見よ、わたしはすべてのものを新たにする」。また言われた、「書きしるせ。これらの言葉は、信ずべきであり、まことである」。 6 そして、わたしに仰せられた、「事はすでに成った。わたしは、アルパでありオメガである。初めであり終りである。かわいている者には、いのちの水の泉から価なしに飲ませよう。 7 勝利を得る者は、これらのものを受け継ぐであろう。わたしは彼の神となり、彼はわたしの子となる。

(3) 永遠の神の王国
新天新地では、神の王国が普遍的かつ永遠に確立されます(黙示録22:3-5)。
すべてのものが神の栄光を反映し、神がすべての者にあって、すべてとなられます(1コリント15:28)。

ヨハネの黙示録 22章3-5節
3 のろわるべきものは、もはや何ひとつない。神と小羊との御座は都の中にあり、その僕たちは彼を礼拝し、 4 御顔を仰ぎ見るのである。彼らの額には、御名がしるされている。 5 夜は、もはやない。あかりも太陽の光も、いらない。主なる神が彼らを照し、そして、彼らは世々限りなく支配する

コリント人への第一の手紙 15章28節
28 そして、万物が神に従う時には、御子自身もまた、万物を従わせたそのかたに従うであろう。それは、神がすべての者にあって、すべてとなられるためである。


【4】まとめ

  • 千年王国は、神の王国の地上的な顕現であり、新天新地への移行を準備する段階です。この期間を通じて、神の計画は最終的な完成に向けて進展します。

  • 新天新地は、神の王国が完全に成就する最終形態であり、千年王国を含む全過程の究極の目的地です。

  • これらは神の計画において密接に関連しており、千年王国は新天新地という究極の神の王国への準備段階として位置づけられます。最終的に、神はすべての悪や悲しみを取り除き、すべてのものが神の栄光に満ちた新しい創造の中で一致する世界が実現します。



シリーズ【神の王国】
「②千年王国の統治者」へと続きます


次回➡️ 【神の王国】②千年王国の統治者



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