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売れるということは、好きが伝わるということ。~顧客体験を通して売れる仕組み、感情的側面から分析してみました!~
■モノがあふれる時代、モノを買う理由って何?
こんにちは!YRK&TOKYOコンサルタントの荒木舞美です。
いきなりですが、皆さんはモノを買うとき、どんな理由で買いますか?
見た目が好き・味が好き・誰かが持っていたから・価値が高いから・おすすめしてもらったから・安いから。
様々な理由があると思います。
最近では安くてもそこそこいいものが手に入る100均や海外製の商品も多いですよね。
そこで出てきた概念が、「ブランディング」。
モノが創られた背景をブランドストーリーに昇華し、消費者やステークホルダーに伝えることでファンを創っていく方法です。
さて、この方法についてはたくさんの手法やテクニックがありますが、その中でも今回はリアル体験。「顧客体験価値の最大化」についてスポットを当てていきます。
顧客体験に興味がある人、どうやったら商品の魅力がリアルの場で伝わるのかを紐解いて生きましょう!
■"好き"が生まれる瞬間は"触れたとき"。
ファンになるというと、アイドルやアーティストを連想する方が多いと思いますが、会社や商品も同様です。どんな時にその商品やサービスのファンになるかというと、大まかに”好き”という感情が生まれた時と言っていいでしょう。
心地いい・応援したい・守りたい・成長させたい、そんな感情が生まれた時、ファンになります。ここでは一度そんな感情をまとめて”好き”と定義してみます。
そんな気持ちが生まれる時はどんな時でしょうか。
その一つの答えは"好きという気持ちに触れたとき"、です。
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好きが伝わるのは、その商品の魅力を本当に理解している人から、好きを語ってもらったとき。
お客さん同士で伝わっていく、口コミもありますが、より効果的な方法があります。
それは、商品をリアル体験を通して購入したいときに、従業員が商品を語る時です。
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最近ではインターネットで簡単にモノを購入できます。
ただ、香りもの・おくりもの・家具・家電など、実際に目で見て購入したいと思うものも多くあります。
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この目で見て購入したいという意識にはどんな心理が含まれているか、好きという気持ちをキーワードにして紐解いていきましょう。
■この目で見て購入したいという意識は情報の質を求めている。
目で見て購入したいということは、大まかにいうと情報をより多く獲得したい、それに尽きると思います。
まず、情報とは、質と量に分けられます。
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●情報の量とは
つまり商品のスペック、サイズ表記・原産地・価格等が上げられると思います。これらは、文字として表示することができますので、ECでも可能ですよね。
●情報の質とは
スペックだけでは伝わらない商品の感触・香り・印象・そして熱量です。
これを伝えられることこそ、商品の本当の価値を伝え魅力的に見せる行為とも言えます。
さて、どうやったら情報の質を伝えることができるのでしょうか?
実はこれ、”好き”がポイントなんです。
■好きで、情報の質を伝える
情報の質を伝える時、伝える方法は二種類あります。
クリエイティブか、人です。
まずは想像しやすいクリエイティブから、
●クリエイティブ
動画やPOP等で表現するクリエイティブ等の資格情報はECでも伝えられることがほとんどです。
例えば
飲食店に入ったとき、店内が明かるくコーヒーの香りがする。(嗅覚)
気になっていたソファーを、実際に手で触れる(感触)
商品がきれいに並んでいて、商品のイメージにあった空間になっている。(ストーリー体感)
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これを体現するために、無駄なものは極力排除し、必要なモノを必要な量置くということが必要です。
●人
情報の質を担保するのに欠かせない人という媒体。
お客さんに対して口コミ・評判を広げる為に活動をすることはもちろん大切です。
具体的な施策になるとグーグルの星評価☆やお客様同士の紹介制度をもうけることです。
ただ、誰よりも注目すべきは、実は従業員。
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現場に立つ従業員こそ、そのブランド・商品・サービスの重要な価値を伝える最後で最大のチャンス。
人から人へ、商品のストーリーを熱量をもって伝えられる唯一の媒体ともいえます。
ただ、従業員から好きを語らせるのは通常非常に難しいことです。
どうやったら商品の魅力を話してくれるのでしょうか?
■従業員に商品・サービスについて語ってもらうには
皆さんは働いたことがありますか?
何を言っているんだと思いましたよね、アルバイトや会社やフリーランス・自営業等ほとんどが働いたことがある人だと思います。
それでは、皆さんは本当に好きなことで働いたことがありますか?
さっきの質問よりもすこし答えにくくなりましたね、これが"肝"です。
給料を得ることが目的になっていると、
商品の本当の魅力を伝えなくてもお給料がもらえる雇用形態であるアルバイト等は、好きを伝えなくても目的が達成されてしまいます。
(当たり前かもしれませんが…)
本当に好きが伝えられるのは、その商品の魅力を本当に理解している人だけ。
従業員が商品を語る時、それは好きという気持ちを持っているときです。
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私はそれを学生時代のアルバイトで身をもって体験していました。
・好きすぎて働く
当時私はりんご飴にはまっていました。
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当時、東京都内に数店舗しかないりんご飴専門店に足しげく通い、POPUPSTOREができればすぐに現地へ行き購入する、だいぶコアなファンでした。
そんな中、POPUPSTOREでしか取り扱いしていなかったりんご飴のブランドが店舗をオープンするとのことで、早速オープン日に並びます。
ドがつくほど寒い雪の日に並び、2番目に入店し、りんご飴を食べました。
その数日後、なんと私はそこでアルバイトを始めます。
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りんご飴の商品はもちろん、お店、店員さん、どれも魅力的に映り、
インスタで直接応募してしまったのです
オープンしたてのお店もスタートアップ企業同様、
チェーン店に比べると様々なことが整っておらず、
もちろんマニュアルもありませんでした。
しかし、りんご飴を好きすぎるあまりに独自の営業トークを展開。
お客様に商品の魅力が伝わると追加購入が発生します。
売れた理由をオーナーに直接話すなど、商品やマーケに即反映されていく環境でした。
売上も上がり、商品の価値を伝えてくれるお客様が多く発生し口コミもぐんぐんとよくなっていきます。
相乗効果としてSNSに力を入れていたこともあり、結果今では行列のできる大人気店です。
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このりんご飴屋さんでは3年半程お世話になり、
今でも一緒に働いていた人と交流を続けており、懐かしのお店に行ってみることも…
こんなに長く働けたのも、退職した今もファンであることも、
そこで働くこと・商品を手に取って喜んでもらえることが
何よりも嬉しかったから。
そしてその源泉は、りんご飴という商品が、
誰よりも好きだったからです。
3年間という長い月日を過ごしていると、初期に持っていた好きという気持ちは薄れてしまいがちです。
なぜここまで好きを伝えることに重きを置くことができたのでしょうか?
■好きを伝えた従業員が喜ぶことを準備する。
それは単純ですが、好きを伝えた従業員が褒められるように設計されていたことが大きく関係しています。
一般的な会社だと、評価制度・インセンティブの設計にあたります。
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好きを伝えている人を積極的にほめ、
売上が上がったらインセンティブを用意する。
さらに、それに再現性を持たせる。
その人に続く人を生み出すために、
マニュアルをその人基準で作成したり、採用時の基準にしていく。
こういったことを持続的に続けていくことによって最終的には、
いてほしい人が増えていき、
いてほしい人がいやすい組織に変わっていきます。
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好きなきもちをたくさん持った人が接客するということは、
”お客さんにダイレクトに情報の質を伝えられている”ということです。
結果として顧客満足度が上がる。
好きを伝えられる環境により、従業員のエンゲージメントも向上する。
という好循環が生まれていきます。
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■”好きだから働く・好きだから伝えられる”
が叶う仕組みがあるから、商品価値が伝わる。
商品の本当の魅力を伝えるには、商品の魅力を本当に理解している人からしか伝わりません。
なぜなら、好きを伝えるには語る必要があるから。
商品を売る人と買う人。
反対の行動をしているように見える人達ですが、
どちらも思っていることはおなじ。
”好き”という気持ちから行動が生まれるのです。
それは消費財からはなれていけばいくほど効果を発揮したりもします。
このコラムを読んでくれている方の中には、
お店などのリアル接点を持っている方もいるでしょう。
思い浮かべてください…そこで働く人は、商品のことが好きでしょうか?
何よりも大切なのはそこで働く人が、商品のことを好きであること。
お客さんにはその気持ちが確実に伝わっています。