手軽にできる!UXデザイン「体感」ワークショップのご紹介
こんにちは。イルグルムUXデザインチームの柳本です。
先日チーム内で「UX検定」の合格者が増えて、チームがまた一つレベルアップしました。他にもテクニカルライティングの資格やHCD-Net認定資格を目指すメンバーもいて、なかなか勉強熱心なチームです。(UX検定についてはこちらの受験記もどうぞ。)
さて今回は、少し前に社内で部門横断的に実施したワークショップの共有と、自分なりの考察について書きたいと思います。
ワークショップ開催のきっかけ
HCD-Net認定資格を持つ私に、とある役員の方から「社内にUXの可能性を拡げたい」「HCDな組織をどうすれば実現できるか?」と相談があったのがきっかけです。
それまでにも社内では、デザイン思考の必要性やUXデザインとは何か?についての勉強会が何度か開催されていましたが、業務での実践にまでは繋がっていないようでした。
UXデザインの実践事例の共有なども考えましたが、やはり「体感」しなければ伝わらないと思い、ワークショップを開催することにしました。
ワークショップ計画
どのようなワークショップ構成にするか悩みましたが、初学者にもUXデザインの効用を体感してもらうには、特定の手法に特化するよりも「デザイン思考」プロセスに沿って一通り体験してもらうのが分かりやすいと考え、私が過去に社外で参加したワークショップを参考にプログラムを組むことにしました。
今回、特に体感してもらいたいと思ったのは、仮説を検証せずものづくりを進めることの危うさ、インタビューで本当のユーザーニーズを聞き出すことの難しさだったので、インタビューとプロトタイプ検証は、受講者同士で行うのではなくリアルな被験者でやってもらうことにしました。(新入社員の若手3名に協力依頼)
また、ワーク中にできるだけ多様な価値観を織り交ぜるため、プランナー、デザイナー、カスタマーサポート、エンジニアなど幅広い職種の参加者を集めました。
最終日は、発表会という形で参加メンバーの上長も招待し、講評をいただくことにしました。参加者のモチベーションも上がりますしね。
計画したワークショップは以下のとおりです。
ワークショップのお題
「次世代の新しいWeb広告のかたち」をテーマに、新しいサービスを考えよう
プログラム
チーム構成
ワークショップの様子
ワークショップは3チームに分けて実施。毎回、前半は事前知識と進め方のレクチャー、後半はZoomのブレイクアウトルームでチームごとにワーク、という構成で行いました。
今回は同じ社内で面識のあるメンバー同士だったこともあり特にチームビルディングの時間は用意していなかったのですが、どのチームも和気あいあいと取り組んでもらえたのは助かりました。(入社したときから感じてましたが、イルグルムにはコミュニケーション能力の高い方が多い……!)
ワーク中、ブレイクアウトルームを巡回しながら特に印象的だったのは、アイデア出しのワークがみなさんとても楽しそうだったのと、最後のプロトタイプ検証で被験者にアイデアを見てもらったとき、想定どおりの反応がもらえず頭を抱えていた様子でした。
各チームから出たアイデアはこんなイメージです。
主催者として工夫したこと
ワークショップの計画からファシリテーションを行う際には、以下のような点を工夫し、結果的に功を奏したように思います。
参加者構成について
多様なメンバーを集める、チーム分けでは部署をバラけさせる、仲良し同士も分ける
チームの状況をある程度把握できるよう、各チームにスパイ(良い意味で)を配置しておく
プログラム構成について
業務の割り込みが入らないよう、各部の上長とスケジュール決め
本気で取り組めるよう業務に関連する身近なテーマを設定
プロトタイプ検証時にリアルな(辛辣な)評価が出るよう、ペルソナに近い被験者をアサイン
最終日のアイデア発表会に参加者の上長を招待し講評をいただく
ワークショップの進め方について
アイデアの質には口出ししない(進め方や考え方のみアドバイス)
ワークショップ中、おいてけぼりのメンバーがいないかスパイにこっそり聞く
ワークは必ず決まった時間内に終わらせ、持ち帰りを発生させない
参加者の声
すべてのワークが完了したあとに行った参加者アンケートや、発表会での講評の中でいただいた感想です。
タイトな時間の中で(私のレクチャーも雑になってしまいました笑)、どこまで「体感」してもらえただろうかと不安だったのですが、思った以上の反応がもらえて感慨深かったです。
休日に、もっと良いアイデアがないか考えるくらい楽しい研修だった(エンジニア)
今回のプロセスを、カスタマーサクセスやサポート業務の改善目的でやりたい(カスタマーサポート室長)
ユーザーに共感できていると思っていたが、予想以上に価値観が違っていた(事業推進)
作り手と使い手でこんなに視点が違うのか(テクニカルサポート)
机上の勉強会ではなく、グループワークで実体験できたので内容がすっと入り理解しやすかった(PjM)
普段のやり方では絶対に思いつかなかったアイデアが出せた(UXデザイン)
他部署のメンバーとワークすることで、チーム内では出ないような意見が出て新鮮だった(UXデザイン)
短時間で物事をまとめる点が業務にかなり活用できそう(UXデザイン)
こんな短期間でサービス立案からプロトタイプ作成にまで至れたことに驚いた(マネージャー)
またワークショップ後、参加したメンバーが自身の業務へ自発的にワークショップで行ったプロセスを取り入れようとする動きも出てきています。
今後やってみたいこと
改めて振り返ってみて、次に同じワークショップをやるなら改良したいなと思ったポイントです。
アイデア出しの手法については、もう少し色々取り入れてみたい。一度目の発散が終わると手が止まってしまうので、次の発散につながるようなまとめ方や、別の視点を取り入れる良い方法を模索したい。
アイデア発表会では、特にフォーマットを決めていなかったので講評者に伝わりづらかったかもしれない。サービスのチラシを作ってもらうような形でコンセプトをまとめると良さそう。
ワークショップ後の活動にうまく繋げられていない。せっかく参加いただいた他チームの方々とも、継続的に情報交換したり、UXデザインを業務に活用するための相談の場が作れないか。
Zoomのブレイクアウトルームをもっと華麗に扱えるようになりたい……
以上、社内で開催したワークショップの内容を紹介いたしました。
ワークショップに限らず、よりよいサービスづくりに繋がるような学びの場を今後も作っていけたらなと思っています。
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