英語に関するQ&A(58)英語長文が1度で理解できません
本を出版しました。 英会話のやり直しと土台作り
2000年から現在まで20年以上、英語を教えたり、留学カウンセリングをしたりしながら沢山の英語に関する質問に答えてきました。その経験をコツコツと書いていきますのでよろしくお願いします。
Q:英語長文について悩んでいます。
英語長文が1度で理解できません。
戻って読み返してしまったり、2週目にやっと理解できるような感じなので、読みながら設問を解いているもののとても時間がかかります。
初見の文章でも1度で大体の内容を把握する力を養いたいのですがどのような勉強をすればいいのでしょうか?
A:年末になって、だんだんと受験シーズンが近づいてきました。
受験生にとって長文読解は英語の問題の中でも頭を非常に悩ませる設問の一つでしょう。
これがすぐに日常的な、或いは実践的な英語と結びつくわけではないかも知れませんが、似たような質問が多くあったのでアドバイスをさせて頂こうと思います。
①ありきたりになりますが、ある程度の単語、熟語の役割、文法の知識をつけるようにしましょう。
語彙について個人的にはよくある受験用の単語集をやる必要はないと思いますが、教科書に出てくる単語、熟語をちゃんと把握していてほしいと思います。
特に大切なのはその単語、熟語の役割を意識してほしいです。
名詞なのか動詞なのか形容詞なのか等です。
さらに同じ単語で名詞にもなったり動詞にもなったりする単語は少し注意が必要です。
文法については、高校受験や英検3級などの長文の場合は、”関係代名詞”と呼ばれる文法のルール、大学受験や英検2級などの長文の場合は、学校の授業で”仮定法”と呼ばれる文法のルールまで理解しておけば大丈夫だと思います。
そこまでやっていると言う事はその前の文法ルールにも触れているはずです。
文法に不安がある方は一度、教科書、参考書、問題集などで、それぞれの文法のルールに該当するところまで復習してみて下さい。
ある程度の語彙、ある程度の文法知識の上で長文問題が作られていると思ってください。
②これもよく言われていますが、設問を見てから問題を解く方が多くの方にとって効率的です。
設問を前もって把握しておいた方が、ある程度長文の内容が把握できますし、長文の中のどの部分に注目すべきなのかを見極め易くなります。
ふんわり読む事が少なくなります。
もしネイティブ並みの英語力(語彙力)、黙読しても長文の内容を全部覚えることができる方であれば、文章を読んでから設問に取り組んでも問題ないと思いますが、なかなか難しいと思います。
③教科書で見たことがない単語(固有名詞除く)が出て来ることを恐れる必要はありません。
それは多くの受験生にとっても見たことがない単語のはずだからです。
例えば、多くの大学受験を控えた方が受ける共通テストで”concussion”いうが長文問題の中で出てきていました。
(脳)震盪、震動という意味の単語ですが、頻出する単語ではないのでおそらくこの単語を見かける人は一般的に多くはないと思います。
ただ、実際にはまず最初に” ice hockey has a high rate of concussion”というフレーズの中で出てきたり、その後の文章で、より簡単な単語でこの単語の意味を説明しています。
また、難易度の高い単語の意味を出題する問題もありますが、その場合は文中に必ずヒントがあるはずです。
そのヒントを見つけることができるかという力を測る問題です。
そういう問題をクイズだと思って楽しむようになれればきっと長文問題も少しは楽しくなるかもしれません。
④話の流れを作る単語やフレーズに注意することで話の流れを予測する。
簡単な例えだと、”and”や”but”や”however”などの単語からその後の話の展開がある程度わかります。ディスコースマーカーとも言われていて、それまでの内容と逆の展開になるのか(主にbut howeverなどがあります)、具体化、例証化されるのか(主にin other words, for exampleなどがあります)を判断するフレーズに注目、そしてその後を予測しつつ長文を読むことで分からない単語を推測したり、話の展開における誤解が生まれにくくなります。
ちなみに”while”は典型的なディスコースマーカーと言えます。
”while~”=<~している間>にという意味という意味と<~である一方で>という意味を表す事もあります。特に、後者の意味で使われる際、難関大学の入試や英検の準1級レベル以上で頻繁に出てきます。
以前の英検の問題で以下の様な文章で使用されます。(文章の一部を抜粋します。)
”While this is a positive move for riders, it is a negative response from
companies”この場合、コンマ以下の部分の方が、より筆者が伝えたい内容となります。
もう一度まとめると、
・基本的な語彙力、文法を学び、
・設問を先に読んで長文内容をある程度把握して、
・見覚えのない単語に必要以上にとらわれず、
・その後の話の展開を決める単語に注目しながら読んでみる
他にもいくつか長文に取り組むコツはありますが、まずは上記のことを実践して長文に臨めば正解率は上がるはずです。
アドバイスVol.27.の中で英検の長文問題のコツを載せています。(英作文などのコツも伝えています。)参考になる部分もあると思うので、そちらのアドバイスについても一度ご覧になってみてください。
英会話のアドバイス.27英検直前対策
記事の内容に関するご質問はコメント欄にお気軽にお寄せください。
また、「話し上手より聞き上手の英語」にご興味がある方もお気軽にご連絡いただけますと幸いです。