ツアーの研究から実践へ。そして決意表明
南アルプスで外国人観光客向けツアーをつくってみようというプロジェクト。いよいよ研究から実践の段階へ。
2018年12月14日、南アルプスの古民家「Yolo宜Sawanobori」に13名の方が集まり、勉強会が開かれました。勉強会のテーマは、2つです。
1つは、2018年12月9日に学生が行なった人気ツアーの視察報告です。参加したのは、Satoyama experienceで知られる飛騨古川のタウンウォークツアー。(視察の簡単なレポートはこちらに→https://note.mu/ypu_yamanashi/n/n65ff28692a03)
学生2名が発表してくれました。発表のポイントは、ガイドの方の工夫です。
一人目の中込美鈴さんは「特別有名な観光地をまわるわけでもなく、神社巡りでもなく、普通の町並みを歩いていてここまで面白いと思えるのは、シンプルな町の面白さにガイドの人の想いとそれをうまく伝えることができているから。町を歩いているときに近所の人に挨拶している感じが好き。地元の人とのつながりを持って、私たちの生活をガイドしたい、ツアーを実際に作ってみたいと思った」と話してくれました。
二人目の石射蘭奈さんは、視察の経験を踏まえ、自分だったらどんなツアーをしてみたいか、提案してくれました。
そのうえで、ツアーガイドのポイントとして、以下の項目を挙げていました。
・笑顔、親しみやすさ
・引き出しの多さ
・異文化への理解
・上手な質問をして聞き上手に
・名前で呼んであげる
・一人一人に話しをふる
・地元の人との仲の良さ
・時間配分、うまくまとめる
続いては、翌15日に行うテストツアーの説明です。このプロジェクト初のテストツアーです。山梨県立大学の留学生2名(スウェーデンからの男子学生とフィリピンからの女子学生)を案内します。ガイドは、依田直大さんと上田睦美さんです。依田さんが、コースの概要を説明してくださいました。
説明のあと、依田さんがこう話していました。
「今回、ツアーをすることになり、地元のことを調べていたら、これまで全く気づいたことがない地元の魅力に気づくことができました。これを外国の人に紹介できるのがとてもうれしい」
続いて上田さんからも決意表明がありました。
「私の目標は世界平和です。友達になった人が住んでいる国とは戦争をしないと思うんです。ひとりでも多くの人に南アルプスのことを知ってもらい、友達になり、世界平和に貢献したいです」
この上田さんの言葉には、拍手とともに、「私もそう思う」と手を差し出し、上田さんに握手を求める方もいました。
ガイド役のお二人の決意表明が、この勉強会の場の熱を一段高めてくれたような気がしました。
勉強会では、英語版ホームページの作成など、IT部門のインフラを学生と制作してくださっている古川翔太さん・京子さんご夫妻もお見えになり、「ホームページは3月の公開を目指して作業中」と報告してくださいました。
6月に始まったこの勉強会。市民の方々の熱い思いが少しずつ形になってきています。
この記事は、山梨県立大学国際政策学部の兼清慎一が書きました。(2018年12月16日)
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