
患者フォローアップの新時代!小規模薬局が選んだLINE活用ツールとは?【導入事例Vol.2】
こんにちは、服薬期間中フォローアップの自動化ツール「あなたの調剤薬局」です。弊社では薬局業務支援ツールの開発・運用と並行して経営課題解決に向けたコンサルティングサポートなども行っています。
前回の記事では、導入事例vol.1ということで、株式会社ソメヤ様の事例についてご紹介させていただきました。※まだの方は、こちらからぜひ。
さて今回は、大阪府メディセレ薬局様の事例についてご紹介いたします。
大阪市都島区の静かな街並みにたたずみ、地域の健康を支えるメディセレ薬局様は、薬剤師国家試験予備校を全国展開する株式会社Medisere様が母体です。
同社が2012年に「メディセレ薬局」を開局し、それ以来10年以上にわたり、地域の方々に親しまれる薬局として成長を続けてきました。
そんなメディセレ薬局が、2020年に選んだのが、薬局向け業務支援ツール「あなたの調剤薬局」です。導入後にどのような変化があったのか?そして、「あなたの調剤薬局」が果たす役割とは?
今回、同薬局の責任者である密原先生に詳しくお話を伺いました。
地域密着型の小規模薬局が抱える課題
メディセレ薬局は、1日の処方箋受付枚数が平均約40枚の小規模薬局です。近隣には、呼吸器を専門とする内科クリニックと眼科があり、さらに一駅先には総合医療センターがあります。駅から徒歩3分という立地の良さから、総合医療センターからの処方箋を受け付けることも少なくありません。
薬剤師は常勤1名(責任者)で、非常勤として予備校講師を務める薬剤師が数名在籍。医療事務はフルタイム1名とパート2名、さらに実務実習生を1年を通して受け入れています。このように、薬剤師1~2名と実習生、医療事務スタッフで運営する、地域密着型の薬局です。
メディセレ薬局では2020年11月に「あなたの調剤薬局」の導入を決定しました。IT導入補助金の申請を行ったため、実際に稼働を開始したのは翌年2021年2月頃です。
薬局業務において、かつては服薬指導が終わればそこで役割が完結するというのが一般的でした。しかし、患者さんにとっては薬を受け取ってからが本当のスタート。服薬期間中のフォローアップが義務化され、対物業務から対人業務へと薬局の役割がシフトしています。
メディセレ薬局でも、義務化前から地域の勉強会などでフォローアップの重要性を認識し、電話でのフォローを行っていましたが、マンパワーには限界がありました。そこで、業務をサポートしてくれるツールの必要性を感じ、検討を始めたのです。
「あなたの調剤薬局」を選んだ理由
ツール選定のきっかけは、ある記事で「あなたの調剤薬局」が紹介されていたこと。導入店舗では服薬期間中のフォローアップが積極的に行えるようになったと知り、興味を持ちました。
他社ツールも検討しましたが、「あなたの調剤薬局」がメディセレ薬局の規模や業務フローに最も適していると判断し、導入を決定しました。
LINEを活用した服薬期間中フォローアップ
「あなたの調剤薬局」を導入したことによる最も大きな変化の一つが服薬期間中のフォローアップです。LINEを活用したメッセージの自動配信は非常に効果的だと感じています。
来局当日には「今日はありがとうございました」というお礼メッセージを。さらに服薬期間の中間地点では、体調に変化がないかを確認するメッセージ、最終日には「そろそろお薬がなくなります」とリマインダーを送る仕組みになっています。
患者さんからは「忘れがちな薬の服用や病院の受診を思い出させてくれる」といった声が寄せられ、役立っていると評価されています。薬局としても、患者さんの健康を継続的に支える上で、非常に頼れるツールとなっています。
副作用や体調変化への迅速な対応も可能に
フォローアップメッセージに対する患者さんからの返信は、ほとんどの場合「特に問題なし」といった内容ですが、中には副作用や体調に変化が起こったケースもあります。こうした場合、薬局として迅速に対応することで、服薬情報等提供や医師への連携に繋げることができています。
従来の電話によるフォローアップは、患者一人ひとりに連絡するために時間と労力が必要で、少人数で運営する薬局では限界がありました。しかし、「あなたの調剤薬局」の自動化されたシステムなら効率よく患者さん全体をフォローできるため、業務負担を軽減しながら質の高いサービスを提供できるようになりました。
少人数運営だからこそ生きる自動化ツールのメリット
メディセレ薬局のような小規模薬局にとって、こうした自動化システムは大きな力となります。LINEメッセージを活用したフォローアップにより、患者さん一人ひとりを継続的にサポートしつつ、業務負担を軽減。少人数のスタッフ体制でも、地域に貢献できる薬局運営を実現しています。

処方箋予約サービスで広がる利用者の輪
「あなたの調剤薬局」を導入したことで、処方箋の受付や予約においても変化が見られました。導入初期はLINEのお友達登録者数が少なかったため、処方箋予約の利用は2~3名ほどにとどまっていました。
しかし、徐々に利用者が増え、中には「家族の分も一緒に予約できますか?」といったお問い合わせをいただくことも。
もちろん「ご家族の分もぜひ」とお伝えしたところ、患者さんがまとめて予約してくださるようになり、登録者数だけでなく予約件数も増加。薬局の利用が家族単位で広がる形になっています。
LINE登録者数の増加とその背景
現在、LINEのお友達登録者数は約300名です。実は、「あなたの調剤薬局」を導入する前からLINEアカウントは保有しており、その時点で20~30人ほどの登録がありました。しかし、導入後に改めてLINE登録のご案内を強化した結果、サービスの利便性もあり登録者数は大幅に増加しました。
さらに、ご家族単位での利用が進んだことで、実際の利用者層は300名という数字を超え、より幅広い方々にサービスを提供できている実感があります。
幅広い年齢層に対応するLINE活用の可能性
メディセレ薬局には、近隣のクリニックや総合病院から幅広い年齢層の患者さんが来局されます。その中で、LINEのお友達登録者は30代~50代が多い傾向にありますが、60代、70代の患者さんの登録も一定数あり、80代の方が登録されているケースもあります。
年齢による利用の難しさはあまり感じておらず、丁寧に説明し声をかけることで、どの世代の方にもスムーズにご利用いただけている印象です。
フォローメッセージの浸透と患者さんとの信頼構築
しかし、LINEでのフォローメッセージを導入した当初、一部の患者さんからは「何のメッセージなの?」といった困惑の声もありました。これは、登録していただくことに注力するあまり、服薬期間中フォローアップに関する説明が十分でなかったことが原因でした。
しかしその後、丁寧に説明を重ねたり、ご来局のたびにコミュニケーションを図ることで、現在では自然な流れとして受け入れられています。今では患者さんからもLINEで気軽に相談をいただけるようになり、薬局と患者さんの信頼関係がより深まっています。
”LINEチャット”がもたらす利便性
患者さんから寄せられる声で多いのが、「電話だと時間が合わず問い合わせを諦めてしまうことがある」という悩みです。
LINEでの問い合わせなら、チャット形式で気軽に質問ができるため、「ちょっと気になるけど電話するほどでもない」というケースにも対応可能です。
LINEを活用することで、患者さんが感じるハードルを下げるだけでなく、薬局としても効率的にコミュニケーションが取れる仕組みを構築。これにより、患者さんの満足度を高めるだけでなく、薬局業務の円滑化にもつながっています。

LINE登録者数の拡大に向けた工夫
LINE登録者数を増やす取り組みでは、定期的に来局される患者さんには関係性ができているため声をかけやすく、最初の100名までは比較的順調に登録者数を伸ばすことができました。しかし、そこから200名に到達するまでには約1年かかり、登録数の伸びが停滞していると感じていました。
そこで、新しい取り組みとして、新規患者さんが記入する問診票にLINE登録の案内を加えました。「LINEのご登録もぜひ」と簡単な説明文を記載し、選択肢を「登録してもよい」「説明を聞いてから判断したい」「登録しない」の3つにすることで、患者さんへの心理的負担を軽減しました。この方法が功を奏し、数カ月で100名以上の登録者を増やすことができました。
問診票で案内を始めてから、新規かつ急性疾患の患者さんや一度断られた患者さんにも改めて説明する機会ができ、LINE登録が進みました。こちら側の思い込みや勝手な判断で案内を諦めていたら、現在のような登録者数の増加は実現しなかったと感じています。
「思い出してもらえる薬局」を目指して
コロナ禍を経て、患者さんが不安や変化を感じたときに、まず「メディセレ薬局に相談しよう」と思い出してもらえる存在になることを今は目指しています。LINEを通じたつながりを活かし、これからも地域に寄り添いながら、患者さんの生活に寄与できる薬局運営を続けていきたいと考えています。
そのためには新しい施策を取り入れながら、登録者数の拡大と患者さんとの信頼構築を継続して取り組んでいきます。
服薬期間中フォローアップにおいても、継続利用の患者さんにはテンプレートメッセージだけでなく、個別にアレンジを加えた内容を送るなど、よりきめ細やかな対応を準備中です。
小規模薬局ならではの強みを活かし、患者さんに寄り添ったフォローアップを実現するため、テンプレートと手動対応を組み合わせて、より高い満足度を提供していきたいと考えています。
導入を検討する薬局へのメッセージ
「あなたの調剤薬局」は、LINEという既に広く認知されたアプリを活用しており、患者さんに新たなアプリをインストールしてもらう手間がなく、日常の延長線上でフォローアップが可能です。これにより、患者さんにとっても安心感があり、薬局側も効率的にフォローアップ業務を行えます。
特に、服薬期間中フォローアップの重要性が増す中で、患者さん全員に平等なフォローを提供する仕組みを整えることは薬局が抱える喫緊の課題です。その際に「あなたの調剤薬局」のようなツールは、薬剤師の業務負担を軽減しつつ、質の高いサービスを提供する助けになります。
「あなたの調剤薬局」を運営する健康サロン株式会社は設立から数年の若い会社ながら、柔軟性と成長性に富んでおり、サポート体制も充実しています。
導入時のIT導入補助金申請から運用サポートまで非常に親身に対応してくださった経験からも、導入を検討されている薬局・薬剤師の方にとって安心できるツールだと感じています。
「あなたの調剤薬局」は時代に合わせた薬局運営を支えるパートナー
「あなたの調剤薬局」を導入したことで、LINEを活用した服薬期間中フォローアップや処方箋予約が円滑になり、患者さんとの信頼関係が深まるとともに業務効率化も進みました。
現代の薬局運営において、患者さん一人ひとりに寄り添った対応をしながらも、効率的な業務を両立させることは、どの薬局にも共通する大きな課題です。その解決策として、ITシステムの力を借りることは欠かせません。
これからも「あなたの調剤薬局」のさらなる進化に期待しながら、患者さんにとっても薬局にとってもより良い形を追求していきたいと考えています。この記事が、ツール導入を検討される薬局の方々の参考になれば幸いです。
まとめ
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。メディセレ薬局 密原先生のお話をご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
「あなたの調剤薬局」は、規模や立地を問わず多くの薬局様でご導入いただいています。それぞれの薬局が抱える課題は異なりますが、国が掲げる「患者のための薬局ビジョン」に基づき、薬局・薬剤師として目指すべき姿は共通しています。
弊社では専任のサポートスタッフが各薬局様のお悩みに対し、きめ細かいサポートで解決・改善に向けて伴走いたします。導入をお悩みの方は、ぜひこれまでの事例も参考にしていただけますと幸いです。
具体的な事例や成功のポイントについては、「あなたの調剤薬局」公式ホームページや、個別説明会でも詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
これからも薬局業界の未来を見据えた情報を発信していきますので、引き続き「あなたの調剤薬局」をよろしくお願いいたします。