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大人からのヴァイオリンは習得(マスター)が可能か?

大人からの習得(マスター)は難しく、ほとんど不可能と言われるこの魅力的な楽器は果たして本当にそこまで難しいのでしょうか?

最低限の相対音感と楽器経験がある大人のレイトスターターが、本気で習得に取り組んだらどこまで弾けるようになるか?

若いころ短期間クラシックギタリストとして活動してから長期の休止を経て再びプロコンクールに挑戦したり、独学のピアノでアマチュアコンサートに出演したり、フレット付きの弦楽器ヴィオラ・ダ・ガンバを始めたりしました。

初めての擦弦楽器である古楽器ガンバは、ギター弾きの左手と体幹トレーニングと姿勢の専門家としての経験が役に立って、極少ない練習で無伴奏ソロをステージで弾くことができました。

今までやってきたギター、ピアノ、そしてまだ手にしていない憧れのチェロをマスターすることをライフワーク(老後の趣味?)にしようと考えて来ました。

楽器を練習することは個人的楽しみでもありますが、気功体幹トレーニングの指導者として、多くのプロ音楽家の生徒を抱え、音楽家のための身体メソードを開発中ですので、仕事にも直結しています。

各楽器固有の問題もありますが、共通の問題も多く一つの楽器の奏法による気づきが他の楽器にフィードバックすることが多いのです

ギター、ガンバ、チェロの左手の奏法の理解を深め、ボウイングの技術を理解するためには、やはり技術的に、音楽的に最高峰であるヴァイオリンを研究する必要があると思っています。

一年余り前に初めてヴァイオリンを手にして弾いてみた時の衝撃は忘れられません。

実は、数年前に生徒だったピアニストの女性がメキシコでコンチェルトを演奏した時に出会ったメキシコ国立交響楽団の第1ヴァイオリン奏者の方に揺禅のレッスンした時に、その場で音が良くなり、弾き易くなったと証言して頂いたことがあります。またその時に若いチェロ奏者にもレッスンして、姿勢と音が良くなり、コンクールでの成績も良くなったと感謝されました。

また、ガンバのレッスンを初めて受けた時に、ガンビストの方の姿勢を直してあげて、音が変わり、まるでモダンチェロのように良く響く音になったと言われました。その後その方の師匠に、楽器の調整変えたの?と聞かれたそうです。

そして自分で両足の間にガンバを挟んで30分ぐらいで違和感は消え、長年のギター以上に楽に持てるようになりました。後にガンバを始めた人の半分以上は楽器が上手く保持できないので辞めて行くと聞いて信じられないくらいです。

姿勢が一番大事というのは武術家だけでなく、プロ音楽家が常に口にするセリフで、そのプロの方に姿勢をアドバイスする立場の自分としては当たり前のことなのですが、ヴァイオリンを弾いてみた時には驚きました。

いつも腰痛にはなったことが無い、少し違和感を感じたらすぐに、調整できると言っている私ですが、

腰は痛い、肩も痛い、指も痛い。そして音程が全く取れずに自分は相対音感も怪しい音痴だったと気付く有り様です。

何日か、頂いたスズキバイオリンと格闘しましたが、これは無理、と思いました。

今まで専門家であるヴァイオリニストにアドバイスしてきたのがとても無謀な気がして来ました。

友人である有名工房のT氏に選んでもらった弓を購入する前の事ですが、弓と肩当てを購入した直後、ギターのコンクールや、始めたばかりのウクレレ弾き歌いサークルの指導に忙しく、結局弓を購入した日の晩に一度弾いたきり13カ月間ケースを開くこともありませんでした。

そして今週日曜日に、貸して頂けることになっていたチェロが結局借りることができなくなったのを機に、再びヴァイオリンの練習を始めました。

去年、弓と一緒に購入した肩当てと新しい弓の効果もあって今回は少し手応えを感じました。

ガンバと違って人前で弾けるようにはならないかも知れないし、趣味として極めようと思っているチェロと、演奏活動や普及のお手伝いができることを目指しているヴィオラ・ダ・ガンバの方が本命ですが、ヴァイオリンも研究用に、ある程度まで弾けて演奏姿勢や奏法に見識が持てるまでやってみます。

早期教育を受けた人なら小学生からコンチェルトを弾けるのが当たり前の世界ですから専門教育のレベルは無理ですが、演奏会用小品を楽しむぐらいは目指してみようと思っています。

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