3層の"読める"|教科書が読めるってどういうこと?【代ゼミと考える読解力#10】
こんにちは!代ゼミ教育総研note、編集チームです。
国語力育成チームのメンバーと、「読解力」について話をしていたときのこと(ちなみに参加メンバーは、国語力育成チームのMさんとGさんと編集Aです)。
高校の先生から「教科書が読めるってどういうことでしょう?」という質問があった、という話題が出ました。
Mさん執筆記事☟
Gさん執筆記事☟
国語力育成チームとしては、「●●●を読める」状態は3層に分かれると考えているそうな!ふむふむ。どんな3層なのか見てみましょう。
1層
単純に識字ができているという意味で「読めている」段階。目で見て口頭で読み上げることはできても、脳は内容を一切感知していない。
2層
書かれていることを〝額面通り″に理解できている段階。表層的な理解にとどまっており、表現に込められた真意やそこから導き出せる情報にまではアクセスできていない。
3層
字面で示す内容はもちろん、言外の意味まで読み取れている段階。自分の言葉で言い換えたり、芯を捉えた深い質問にも答えられる。
なるほど、一言で「読める」と言っても、これだけ異なる状態にあるというわけですね。
予習や授業の冒頭で教科書を読ませても、読みの深さは生徒によって千差万別。
集団授業においては、生徒がどの層まで到達したか(≒どの層の生徒が一番多いのか)を把握して授業進度を調節することが学びを定着させるためのポイントになるでしょう。
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生徒の現在地を知る1つの方法が「音読」です。生徒は軽視しがちな「音読」ですが、先生方はその意義と重要さを既にご存じのことでしょう。
特に1層の生徒は、言葉と言葉のつながりを意識して文脈を捉えられていないことから、区切れの位置がおかしかったり、極端に小さな声で読み上げたりする様子が見て取れます。
反対に主述の関係や文節の区切りも含めて違和感なく読み進められる生徒は、書いてある内容をある程度は理解できていると言えるでしょう。
このように「音読」は一つの有効な手段なのですが、実際の授業内に取り入れることを考えるとかなりの時間がかかってしまいますね。
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そこでもう一つ、今後の開発を期待するのが、ノートテイクの状態をAIで判定できる機能です。
1層にいる生徒は文節や語彙を無視して3文字ずつや、極端に悪い例だと黒板を見上げては一文字、見上げては一文字…という気の遠くなるようなノートテイクをしているはずです。
一方、2層にいる生徒は少なくとも文節ごと、良ければある程度まとまった文節でノートテイクをし、3層にいる生徒は意味込みで読み取って再現するので、よりまとまった文節・文脈でノートテイクができます。
普段のノートテイクの様子をデジタルで記録し、時間や書き写しの精度などからスコア化することができれば、新たな「読解力」の指標になるのでは?という話でその日の休憩時間は終了しました😊
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