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決して他人ごとではありません。お隣り韓国の受験競争の深刻な事情も伺える、衝撃の一作

こんにちは!代ゼミ教育総研note、編集チームです。
今回の【 先生のためのシアタールーム 】では、韓国映画の話題作をご紹介。

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満ち足りた家族

2024年韓国
監督:ホ・ジノ
出演:ソル・ギョング チャン・ドンゴン キム・ヒエ クローディア・キム


日本でも共通テストがはじまり、今年の大学入学者選抜が本格始動するのと歩調を合わせるが如く、まさに、韓国発の“衝撃”の作品が封切されました。

これまで幾度も他の国で扱われてきた原作を、現在注目の監督 ホ・ジノ氏が韓国版にリメイクしたこの作品。

終演後、私は、しばらく茫然とし、席を立てませんでした。

おそらく、われわれ日本人には、よりグサッと刺さる内容となっているのはないでしょうか。

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韓国の或る上流階級の家庭に起こる事件と緊迫の展開―そこに垣間見える深刻な格差社会、高齢化社会。

その根底には極端な学歴社会、受験戦争が存在しているのです。

大学入試の状況は、韓国と日本とではよく似ていると言われていますが、この作品で描かれてる受験生たちと親御さんたちのやりとりは、ほんとうに既視感のあるものであり、自分たちが撮られているのではないか、という錯覚さえ起こるのです。

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ところで、思いもよらぬ結末が待っているこの作品の原題は、『 A NORMAL FAMILY 』。つまり、「普通の家庭」。

このタイトルに込められたメッセージを考えると、

上流階級では、こうした家庭の風景や親子関係は、ごく当たり前、つまり「普通」になっているはずで、その「普通」が、価値観や格差に対する感覚のマヒ、もっと言えば理性や人間性の崩壊、そして、エゴイズムの異常な膨張を引き起こしているのではないか。

そうした警鐘が鳴らされていることに、ふと気付くのです。

古今東西、今も昔も、教育と競争は不可分のものであり、その一つの形が韓国や日本の受験戦争と言えるでしょう。

ですので、受験競争そのものを、そう簡単には否定することは難しいでしょう。

しかし、一方、それが行き過ぎた場合どうなるか、、、

成れの果てがもたらす悲劇を、子を持つ世の親たち、そして教育を預かるみなさんは、しかと心に刻んでおく必要があるのでしょう。


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