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東大・京大(+共テ)〈2024分析&2025変更まとめ〉【東京大学・京都大学AtoZ】①最新入試状況

SAPIX YOZEMI GROUP で毎年刊行している『医学部AtoZ』『東京大学・京都大学AtoZ』『早稲田大学・慶應義塾大学AtoZ』。

AtoZのネーミングの通り、各大学・学部の基礎知識から最新情報まで盛りだくさんの内容です。

本記事では『東京大学・京都大学AtoZ』の中から、「①入試概況・変更点」をお届けします。

テーマ①~③の分割版はそれぞれ、前半の内容は無料で閲覧でき、後半が300円の有料記事です。
(テーマ④のみ、全て無料)。
テーマ①~④まとめ版は500円です。

東大・京大受験生の皆さま・保護者さま・指導担当の先生方に必要な内容をギュッと詰め込みました!ぜひご活用ください。


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※本記事の内容は、2024年6月時点の情報です。最新情報は各自でご確認ください。

■ 東京大学 2024年度入試概況

一般選抜実施状況

 一般選抜前期日程の志願者は2023年度から126人増加し、9,432 人(対前年101.4%)となりました。前期日程の志願者は2019~2021年度に3年連続で減少しましたが、2022 年度以降は増減の隔年現象が続いています。2024年度は共通テストの平均点アップも追い風となり、強気・積極的な志願状況でした。

 第1段階選抜は文一と文二で不実施でした(2023 年度は文三のみ不実施)。2つ以上の科類で不実施となったのは2016年度(文一・文二・理二の3つ)以来8年ぶりのことでした。前期日程の合計の志願者は増加していますが、志願者の増減と第1段階選抜の実施状況は科類によって動向が異なるのが2024年度の大きな特徴です。

 最終合格者の最低点(総合550点中)は文科と理科でアップ・ダウンが異なっています。まず文科はいずれも2023 年度から2%前後のダウンとなりました。この要因としては2次試験の英語と文系数学の難化(分析:代々木ゼミナール)の影響が考えられます。また文科の最低点は2021 年度から3つの類がほぼ横並びとなっているのが特徴です。理科はいずれも2023 年度からアップしています。これは理系数学や物理の易化(分析:同上)の影響と考えられます。理一と理二は2023 年度は同程度でしたが、2024年度は約2%差となりました。(図表❶❷)

図表❶ 2024 年度 一般選抜実施状況
図表❷ 一般選抜 最終合格者の最低得点率


学校推薦型選抜実施状況

 9回目の実施となった学校推薦型選抜は志願者が256人(2023 年度から+3人)で、2021 年度(267 人)に次いで2番目に多い人数でした。

 書類審査などによる第1次合格者は174 人( 同-6人)で、また最終合格者は91 人(同+3人)でした。最終合格者の91 人は志願者と同様に、2021 年度(92 人)に次いで2番目に多い人数です。2024 年度で最終合格者が予
定の募集人員を満たしたのは全11 の学部・学科のうち4つにとどまっていますが、これまでと同様この選抜の合格者としてふさわしい人材が合格している状況です。また合格者中の女子割合は46.2%で、全9回のうちの最
高値となりました。(図表❸)

図表❸ 2024年度 学校推薦型選抜実施状況



■ 京都大学 2024年度入試概況

一般選抜実施状況

 一般選抜前期日程の志願者は2023年度から383人増加し、7,800 人(対前年105.2%)となりました。東京大学は対前年101.4%でしたので、京都大学は東京大学よりも増加率が大きくなっています。志願者は2021年度に7,045人にまで減少していましたが、2022 年度から3年連続で増加しています。個別の状況をみると、総合人間学部[理系]や経済学部[文系]などは10%以上の増加です。一方で教育学部[理系]は約24%の減少、また医学部[人間健康科]も約10%の減少となっています。

 女子の合格者は2023年度に7年ぶりに600人を超えていましたが、2024 年度は再び500 人台に減少し、女子割合も22.2%→ 21.1%にダウンしています。

 最終合格者の最低点(共通テストと2次試験の総合点中)は全て2023 年度からダウンで、特に理学部と薬学部などは10%以上もダウンしました。2次試験の問題は日本史・理系数学・物理などが難化(分析:代々木ゼミナール)ですが、最低点のダウンは主に採点基準が厳しくなったなどの影響と考えられます。(図表❹❺)

図表❹ 2024年度 一般選抜実施状況
図表❺ 一般選抜 最終合格者の最低得点率


特色入試実施状況

 導入から9回目となった特色入試は、法学部を除くと志願者が500 人(2023 年度から+ 14人)・合格者が119 人(同+6人)でした。志願者・合格者とも増加の状況ですが、東京大学と同様に合格者は予定の募集人員(152人)を下回っています。個別の状況をみても、農学部[食品生物科]は志願者7人に対して合格者は0人、[資源生物科]は志願者21人に対して合格者は僅か1人でした。

 なお法学部は、2024 年度までは一般選抜後期日程での実施でしたが、2025 年度からは学校推薦型選抜での実施に変更されます。(図表❻)

図表❻ 2024年度 特色入試実施状況

■ 共通テスト 入試変更点解説

2025 年度入試では多くの変更があります。
ここでは、入試の基礎知識とともに、共通テスト、東京大学、京都大学の2025 年度入試の概要を説明します。

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