難しくなったリアルな交流を補うようにバーチャルにつながろうとする試みが各地で誕生。学生によるアプリ開発から、大学がネットワークを提供する事例を紹介。
教科書には書いていない・・・
ここまで、リアルなキャンパスの大切さについてクローズアップしてきましたが、北海道大学では、教員や学生たちが新型コロナウイルスに見舞われたキャンパスライフについて語り合っています。
小篠隆生・北海道大学工学部准教授はリアルなキャンパスの大切さを次のように語っています。
小篠先生がおっしゃる大学の定義は、言われてみれば至極当然ですが、コロナの時代にある今となってはとても新鮮に感じますね。
リアルが駄目ならバーチャルで
一方、リアルなキャンパスでの交流が難しくなったなか、新たにバーチャルな学生同士のつながりが、さまざまなかたちで生まれています。
新型コロナウイルスの影響で入学式が中止され、授業もオンライン形式が続いた時期、細川さんは、分からないことを聞ける相手もおらず、孤独に陥り、当たり前に感じていた友達の大切さに気づいた。そのようなか、「起業マインドの醸成」という一般教養の授業で、アプリ開発に取り組む起業案を披露したところ、審査員の大学OBの目に留まり、このOBが経営する会社からから1000万円の出資金を得て、アプリ開発会社を設立することに。
開発中のアプリ名には、三重大生が出会う(Meet)との意味が込められている、とのこと。
金沢大学(石川県)では、大学が学生向けのネットワークも提供しています。
2021年4月からスタートした金沢大学の先端科学・社会共創推進機構が主催する教育プログラムの集合体「Project: AERU(アエル)」。
この3つのコンセプトのもと、地域をフィールドに本学学生向けのプログラムを実施し、学生の地域参加および課外活動支援、ひいては地域活性化に貢献。
学生と地域に「出会いと学び」を、みんなに「笑顔」を。
このキャッチフレーズで、コロナ禍で減ってしまった学生同士、学生と地域の出会いの機会を創出しています。
海外で500万人が利用する大学生ユーザー専用のSNSが日本に登場した、という話しもあります。
注目の新技術・仮想空間メタバースを大学が活用する事例も現れてきています。
羽衣国際大学(大阪府)の取り組みには、留学がしずらい今だからこそ、この技術が生きているのですね。
「お互いアバターなので対面やビデオ会議システムでのオンライン英会話レッスンより、緊張が少なく話しやすいと学生達から好評」だったとのこと。
新たな連携が、概念を変革
こうやってみてくると、新たなバーチャルなつながりは、単なるリアルなキャンパスの代替ではなくて、今まではつながることができなかった学生同士がつながる、という新たな連携のありかたの誕生であることに気づきます。
中世ヨーロッパで、人と人が集うことにより、その歩みを始めたユニバーシティ。
コロナ禍を潜り抜けた暁には、国内だけでなく、海を越えて、様々な国の大学生たちがオンラインでつながり、新たな人と人が日常的に交わる場が生まれる。
それが、従来の大学の概念を、大きく変革してしまうのかもしれませんね。
ここから未来型のイノベーションが生まれる、そんな予感に期待いたしましょう。
次回は、国のサポートと各大学の新たな取り組みを見てまいります。
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