英語入試の最高峰に迫る!【東京大学・京都大学AtoZ】②京大入試の英語対策
SAPIX YOZEMI GROUP で毎年刊行している『医学部AtoZ』『東京大学・京都大学AtoZ』『早稲田大学・慶應義塾大学AtoZ』。
AtoZのネーミングの通り、各大学・学部の基礎知識から最新情報まで盛りだくさんの内容です。
本記事では『東京大学・京都大学AtoZ』の中から、「②京大入試の英語対策」をお届けします。
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(テーマ④のみ、全て無料)。
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英語入試の最高峰と称される京大英語。英語で「現代文を解く」イメージを持つ
難解で長い文章を、じっくりと読ませる。問われているのは、英語という言語を超えて文章を理解する力。京大英語の特徴とその対策について、Y-SAPIXの荒木武伯講師と、代々木ゼミナールの妹尾真則講師にお話を伺った。
▶京大英語の特徴:必要なのは国語力。「英語で現代文を解く」のが京大英語
荒木武伯(以下、荒木) 今回この対談のために、十数年分の出題問題を解き直してみたんです。「これ、受験生に出題するんだ……」というのが素直な感想です。格がちがうというのでしょうか。東大が「要領よく、効率よく、スピーディーに解く」ということを求めているのとは対照的です。
妹尾真則(以下、妹尾) 京大は、長くて難しい文章をじっくり読ませますよね。英作文も、時間をかけて解くという感じです。僕は「解答速報」を20 年以上担当しているのですが、毎回、本当にレベルが高いと感じています。
京大の問題は、いわば「現代文の問題」ですよね。象徴的なのが、2020年「大問2」の問題です。
荒木 アメリカ先住民の歴史でしたね。和訳問題がなくて、二つとも「本文の内容にもとづき、日本語でまとめなさい」という説明問題でした。
妹尾 この問題、本文の内容だけでは解けないんですよ。本文から推測したことを補わないと解答がつくれない。
荒木 必要なのは、まさに現代文の力ですね。推測を働かせるとなると、論理力だけでは十分ではないかもしれません。京大英語を克服するには、読書などで培った生きた教養も必要となりそうですね。
妹尾 そう思います。僕は解答速報で論理的に推測できる内容を補いながら、自分の言葉でまとめる形で解答をつくりました。ただ、京大が後に発表した「出題意図」には、「本文に明言されていない内容を論理的思考に基づき補完しながらまとめあげる能力を総合的に評価する」と明記されていたのです。
荒木 京大は、「本文に明言されていない内容」を盛り込むことまで求めてきているということですね。
▶京大英語の出題:機械的に訳さず、「腑に落ちる」和訳を
荒木 和訳にも注意が必要だと感じています。4~5行を和訳するとなると、部分部分がわかっているだけではだめなんです。「ここは関係詞だから先に訳して」などと機械的に作業をするだけでは、よくわからない日本語になってしまう。一度つくった文章を咀嚼し直して、相手に伝わる日本語に組み立て直す必要があります。最終的にどんな日本語にするか。問われているのはここでも日本語力ですね。
妹尾 世間の人は「和訳」という言葉を、完全に間違えて捉えています。
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