【旧帝大 一般選抜2025変更点】出題範囲や第1段階選抜基準など変更が目白押し
「今日から使える!大学入試まるっとポイント解説」略して「まるポ」。第5回からは数回に分けて2025年度入試一般選抜の主な変更点とそのポイントをお知らせしていきます。
2025年度入試は新課程に便乗して多くの変更点が発表されています。
そのすべてを追っていくのは難しいもの…。そんなときは代ゼミにお任せください!現段階での公表内容をもとにそのポイントをお伝えしていきます。
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本記事では北海道大学・東北大学・東京大学・名古屋大学・大阪大学・京都大学・九州大学、いわゆる【旧七帝大】の一般選抜の変更点を追っていきましょう。
※掲載したすべての内容は大学が公表する募集要項を必ず確認してください。
北海道大学
◆共通テスト
『情報Ⅰ』は受験必須となりますが、配点されません。ただし、成績同点者の順位決定にあたり、2次試験の成績も同点だった場合は活用されます。
また、『地理総合/歴史総合/公共』は選択できません。
配点は2024年度入試までと変更はありません。
◆2次試験
国語の出題範囲については、「現代の国語」・「言語文化」・「論理国語」・「文学国語」となっています。
地理歴史の出題範囲は、「歴史総合、日本史探究」、「歴史総合、世界史探究」、「地理総合、地理探究」となっています。
数学の出題範囲については、
文系と医学部保健学科看護学専攻・作業療法学専攻では、数学Ⅰ・Ⅱが全範囲、数学Aが「図形の性質」・「場合の数と確率」、数学Bが「数列」、数学Cが「ベクトル」
理系(医学部保健学科看護学専攻・作業療法学専攻を除く)では、上記の出題範囲に「数学C(平面上の曲線と複素数平面)」も含まれます。
「数学A」は全範囲とする大学が多いものの、「数学と人間の活動」は範囲外となっています。
🔎変更のポイント🔎
✅『情報Ⅰ』は点数化されませんが、受験必須となるので要注意!必ず受験を。
✅実質2024年度までの入試からの変更はなし。
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東北大学
◆共通テスト
『情報Ⅰ』は受験必須となります。配点は50点です。
また、『地理総合/歴史総合/公共』は選択できません。
◆2次試験
国語の出題範囲は「現代の国語」・「言語文化」・「論理国語」・「文学国語」・「古典探究」です。
数学の出題範囲は、
文・教育・法・経済(文系)・医学部保健学科看護学専攻で、
「数学Ⅰ」、「数学Ⅱ」、「数学A」、「数学B(数列)」、「数学C(ベクトル)」
経済(理系)・理・医(保健学科看護学専攻を除く)・歯・薬・工・農では、
上記の出題範囲に「数学C(平面上の曲線と複素数平面)」も含まれます。
🔎変更のポイント🔎
✅東北大はもともと2次比率の高い大学。一部の学部でより一層その性格が強まる。
✅経済・理・工学部では2次比率が4%アップ。合格するためには2次試験での得点率をこれまで以上に高める必要あり!
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東京大学
◆共通テスト
『情報Ⅰ』は受験必須となります。配点は100点ですが、一般選抜の最終合否判定ではこれまでと同じ110点に換算されますので圧縮後の配点は11点です。
『地理総合/歴史総合/公共』は選択できません。
◆2次試験
2次試験の配点・満点は440点でこれまでの入試と変更はありません。
国語は全科目が出題範囲に含まれます。
地理歴史は探究科目のみからの出題となります。
数学は特徴的です。文科の各類では、
「数学Ⅰ」、「数学Ⅱ」、「数学A」、「数学B(数列、統計的な推測)」、「数学C(ベクトル)」
理科の各類では、
上記の出題範囲に「数学C(平面上の曲線と複素数平面)」も含まれます。
◆その他の変更点
理科三類を除いて第1段階選抜の予告倍率が変更されます。
🔎変更のポイント🔎
✅第1段階選抜の予告倍率変更によって、例年よりも多くの第1段階選抜不合格者が出るのは必至。共テ比率は低いが侮ることなかれ。
✅2次試験数学の出題範囲に「統計的な推測」が含まれるなど他大学とは異なる変更あり。出題範囲に注意して対策を!
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名古屋大学
◆共通テスト
『情報Ⅰ』は受験必須となります。配点は工学部が35点、その他の学部が50点となっており、他教科と比べてその比率は軽くなっています。
『地理総合/歴史総合/公共』は選択できません。
共通テストの配点に変更があるのは、理学部と医学部医学科のみです。
◆2次試験
国語の出題範囲は「現代の国語」・「言語文化」・「論理国語」・「文学国語」・「古典探究」です。理系学部は「言語文化」の古典分野と「古典探究」が除外されます。
地理歴史の出題範囲は、「歴史総合、日本史探究」、「歴史総合、世界史探究」、「地理総合、地理探究」となっています。
数学の出題範囲は文系で、「数学Ⅰ」、「数学Ⅱ」、「数学A」、「数学B(数列)」、「数学C(ベクトル)」
理系で、上記の出題範囲に「数学C(平面上の曲線と複素数平面)」も含まれます。
理学部と医学部医学科では国語が廃止されます。そのため配点の変更があります。
◆その他の変更点
医学部医学科では第1段階選抜の必要得点率が67%(600/900点)から68%(650/950点)に変更となります。共通テスト『情報Ⅰ』の点数分の基準変更です。
🔎変更のポイント🔎
✅理学部と医学部医学科では2次試験の国語が廃止。入試科目の減少が志願者の増加につながることも。
✅配点変更は理学部・医学部医学科のみ。その他は『情報Ⅰ』の上乗せ分35点から50点の増加。
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京都大学
◆共通テスト
『情報Ⅰ』は受験必須となりますが、学部・学科ごとに配点比率が異なります。配点比率が最も高いのが工学部(50/225点・22.2%)、最も低いのが文学部、教育学部(15/265点・5.7%)です。
『地理総合/歴史総合/公共』は選択できません。
また、法・薬・工・農学部では配点等にも変更があります。
◆2次試験
国語については「現代の国語」・「言語文化」・「論理国語」・「文学国語」・「古典探究」から出題されます。
地理歴史は探究科目のみからの出題となります。
数学の出題範囲は文系で、「数学Ⅰ」、「数学Ⅱ」、「数学A」、「数学B(数列)」、「数学C(ベクトル)」
理系で、上記の出題範囲に「数学C(平面上の曲線と複素数平面)」も含まれます。
また、法学部の配点に変更があり、外国語の重要度が高まります。
🔎変更のポイント🔎
✅工学部や農学部では共通テストにおいて、文系科目の配点比率が下がり、より理系科目の比重が大きくなる。
✅東京大学と同様に2次試験において「地理総合」・「歴史総合」からの出題はなし。ただし、共通テストの出題範囲には含まれているため学習は疎かにしないこと!
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大阪大
◆共通テスト
『情報Ⅰ』は受験必須となります。配点は3点から40点です。
『地理総合/歴史総合/公共』は選択できません。
◆2次試験
国語の出題範囲は「現代の国語」・「言語文化」です。
地理歴史の出題範囲は、「歴史総合、日本史探究」、「歴史総合、世界史探究」、「地理総合、地理探究」となっています。
数学の出題範囲は文系で、「数学Ⅰ」、「数学Ⅱ」、「数学A(図形の性質、場合の数と確率)」、「数学B(数列)」、「数学C(ベクトル)」
理系で、上記の出題範囲に「数学C(平面上の曲線と複素数平面)」も含まれます。
北海道大学と同様に「数学A」の出題範囲に特徴がありますの注意してください。
◆その他の変更点
外国語・工・基礎工学部では募集人員の変更があります。
工学部電子情報工学科では28名もの増加となります。
🔎変更のポイント🔎
✅2次試験の出題範囲に特徴あり。把握したうえで学習をすすめること。
✅募集人員が増加する外国語・工・基礎工学部では志願者の変動にも注意。
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九州大学
◆共通テスト
『情報Ⅰ』は受験必須です。
配点は25点から70点と学部によって異なり、共通テストの配点に占める割合は法学部の14.3%が最も高くなっています。
『地理総合/歴史総合/公共』は選択できません。
◆2次試験
国語では文学部が「国語表現」を除いた5科目からの出題となっていますが、その他の学部では「国語表現」、「古典探究」を除いた4科目が出題範囲となっています。
地理歴史の出題範囲は「歴史総合、世界史探究」、「歴史総合、日本史探究」、「地理総合、地理探究」です。
数学の出題範囲は文系で、「数学Ⅰ」、「数学Ⅱ」、「数学A」、「数学B(数列)」、「数学C(ベクトル)」
理系(医学部保健学科看護学専攻を除く)で、上記の出題範囲に「数学C(平面上の曲線と複素数平面)」も含まれます。
後期日程での主な変更点は法学部の「講義に関する理解度確認試験」が200点から250点へ上がる点と、薬学部の2次試験は面接のみとなります。
◆その他の変更点
これまで第1段階選抜を実施してこなかった薬学部臨床薬学科ですが、前期日程で約3倍で実施します。
また、芸術工学部では出願の際に志望理由書の提出が必須となります。
🔎変更のポイント🔎
✅文系学部だからといって共通テスト『情報Ⅰ』の比率が低いとは限らないので注意。
✅薬学部臨床薬学科の志願倍率は、2022年度の前期日程から3.2倍→3.8倍→3.3倍で推移。例年並みに集まれば第1段階選抜が実施される可能性も。
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まとめ 旧七帝大の入試変更からわかること
✅共通テスト『情報Ⅰ』は全ての大学で必須。配点は素点よりも低い。ただし北海道大学は配点せず。
・比率が高い募集単位でも15%程度。旧七帝大は2次試験の比率が高いため、総合点から判断すると『情報Ⅰ』の影響は極めて限定的です。とはいえ、1点が合否を分ける世界において貴重な得点源であることは間違いありません。模試や問題集を活用しましょう。
✅2次試験の出題範囲の基本パターンはあるものの、一部では異なるため併願校との兼ねあいも重要に。
・国語
大学によって範囲が異なります。共通テストが「現代の国語」と「言語文化」を出題範囲としていることからわかるようにこの2科目で現古漢を網羅することはできています。それに科目範囲を追加している場合でも大きく出題内容が変化することは考えにくいでしょう。
・地歴
東京大学、京都大学は探究のみからの出題。その他大学は総合も出題範囲になっています。
歴史総合は日本史と世界史を融合しなおかつ近現代以降を扱う科目。どのような出題がされるか大学からサンプル問題等の公表はありません。これまでの入試と比較して近現代以降からの出題が増えることは十分考えられますので注意しましょう。
なお、東京大学、京都大学が探究からの出題としているのはそれぞれの出題範囲についてより深い知識の理解を測る、高卒生志願者も一定数いるために配慮するといったねらいがあると考えられます。
・数学
特徴的な範囲設定をしているのは北海道大学、大阪大学の「数学A」、東京大学の「数学B」です。特に東京大学・京都大学については他の旧帝大では出題されない「統計的な推測」の学習が必要になります。過去問が多い分野ではないため、模試や問題集を用いて対策しましょう。
✅第1段階選抜の基準変更・募集人員の変更等が目白押し
・各大学は大きな入試変更がある際は、2年前までに変更を予告する「2年前ルール」にのっとって変更を公表しています。しかし、7月末までに各大学から発表された入学者選抜要項をみると、新たな変更を加えたり、予告からさらに変更している場合が散見されます。
・今後、追加の変更が加えられることは考えにくいものの、学生募集要項が出るまでは油断できません。大学のHPをこまめにチェックして新たな変更が生じていないか確認しましょう。
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