パズルのピースと音符を集め、いざ魔女退治
小学校の入学祝いでDSLiteと『おいでよどうぶつの森』を買ってもらって以来、私はずっとゲームが好きだ。
最近はやることが多くてなかなかゲームに手が回らず、スマホゲームのログインすらもおろそかになってしまっているが、特に小中学校の頃は、ゲーム中毒寸前と言ってもいいほど熱心にゲームをやっていた。
当時の友達との遊びといえばやはりゲームが中心で、よくマリオの通信プレイやポケモンバトルに熱中したものだ。
そういえば、去年あたりに中古で買ったブラック2がまだ途中までしか進んでなかったな……。
1.「みんなに推したいゲームは?」と聞かれたら……
私が今まで遊んできた中で、様々な観点から見て特に推したいゲーム。
それは、「バンジョーとカズーイの大冒険」だ。
1998年にNINTENDO64向けに発売された、レア社開発のアクションゲーム。昨年には、NintendoSwitch版のスマブラに本作の主人公たちがファイターとして参戦した。
私が実際にプレイした64のゲーム機は、母が昔買ったもので、カセットも、ゼルダの伝説やバイオハザード2などの様々な名作があり、やりたいものに次々を手を伸ばした。
64コントローラーの最大の特徴と言えば、『3Dスティック』による操作の痛快さと言ってもいいだろう。3Dスティックは主に、アイコンの選択やプレイヤーの操作に使い、360度、どの方向にもグリグリと自由に動かせる。
↑こんな感じ。
早く始めたいなぁ……とウズウズしながら、ゲーム機本体をテレビと接続したり、カセットをガチャンと差し込んだり様々な準備をするあの時間は、今でも忘れられない。
今や主流となっているスマホ向けのものや携帯型のものでは味わえない、テレビゲームの醍醐味と言ってもいいだろう。
そのワクワク感を知って欲しい、あるいは思い出して欲しいという意図も含めて、私はあえて一昔前のゲームを『特に推したいゲーム』としてピックアップすることにした。
2.本ゲームの主な目的~単純なストーリーと作りこまれたゲーム性~
物語のあらすじは、「主人公のバンジョーが、悪い魔女に連れ去られた妹を助けるために相棒のカズーイと共に冒険に出る」といういたってシンプルなものだ。
しかし、ゲームの仕組みは決して単純ではない。
ゲームを進めるうえでバンジョーたちは、『グランチルダ』という魔女の拠点である『グランチルダのとりで』を探索し、その中にある9つのステージを攻略していくことになる。
しかし、各ステージを開放するためには、『ジグソー』と呼ばれるパズルのピース(以下:ジグソー)を集めてそれぞれのステージの絵を完成させなくてはならない。
ジグソーは全部で100個あり、最初のステージを開放するための1個と、各ステージに10個ずつ散らばっているもの、そして各ステージに1つずつある『魔女スイッチ』を押すととりでの何処かに出現するものがある。
ステージ内にあるジグソーは、仕掛けを解いたり、謎の生き物(恐らく精霊)『ジンジョー』を5体集めたりすることで手に入る。
ステージの絵を完成させるのに必要なジグソーの数はどんどん増えていき、プレイヤーは、各ステージでなるべく多くのジグソーを集める必要がある。
むしろ、できる限り各ステージでコンプリートさせるのが望ましい。そうでないと、ゲームの終盤で若干苦しくなる。かもしれない。
更に、各ステージで集めるものは他にもある。
魔女のとりでには、いたるところに『オンプドア』という扉がある。これは、各ステージに100個ずつある『オンプ』をトータルで一定数以上集めないと開かない仕組みになっていて、奥へ進めば進むほど、ドアを開くのに必要な数は増えていく。
前半のステージは比較的オンプを集めやすいが、後半になるにつれて、気づきにくいところや、足場の悪いところに配置されるようになる。これがまた、ゲーマー魂をくすぐってくる。
また、オンプはジグソーと異なり、ステージ攻略中に体力がゼロになるか、途中でステージから出ると集めた数がリセットされ、また1から集めなおすことになる。
後半のステージはオンプの配置が絶妙になるうえ、ステージそのものの難易度も上がるので、オンプとピースをコンプリートさせるのに苦戦したプレイヤーは決して少なくないだろう。
良く言えば、『非常にやりごたえがある』。
各ステージで集めるものは他にもある。
そのうち一つが、『マジックドクロ』と呼ばれる、頭蓋骨をかたどったアイテムだ。
イーガンボーガン。
これは先ほどの二つとは違い、ステージ内にあるすべてを集める必要はないが、ある程度数に余裕を持たせたほうが後々安心できる。
マジックドクロの用途については、次の章で述べていきたい。
ここで紹介した以外にも、このゲームには冒険を手助けしてくれるアイテムは他にもある。
特に先程述べた『魔女スイッチ』や、6個集めると体力ゲージが増える『ハニカム』は若干見つけにくい所にあるケースが多く、ステージを隅から隅まで探索する甲斐が充分にある。
この2つを見つけた時の嬉しさはとても大きい。
3.シロアリ?カボチャ?様々な姿に七変化!
バンジョーとカズーイは、ステージによって他の姿に変身することができる。
『マンボ・ジャンボ』という、カタコトで喋るガイコツの仮面を被った魔術師が、彼らの冒険を手助けするために魔法で様々な姿に変えてくれる。
そのために必要なのが、先ほど述べた『マジックドクロ』だ。
魔法で他の姿に変えてもらうには、ステージによって異なる数のマジックドクロを彼に支払う必要がある。ただし、アイテムを支払うのはそのステージで初めて変身するときのみで、二回目以降はタダで変身できる。
魔法で変身すれば、通常の姿では攻略ができない場所(小さい通路、ダメージを受ける足場など)を楽に進むことができ、そのステージをクリアする鍵にもなる。
ステージによって変身する姿は異なり、どの変身も、それぞれのステージの世界観によくマッチしている。
その上、可愛い。
ちなみに、弘法も筆の誤りではないが、マンボの魔法が失敗することもまれにある。
一体何が起きるかというと、なんと、バンジョーが洗濯機に変身してしまうのだ。
「なんて事してくれるんだよ……」とカメラ目線で困った表情を浮かべる、真四角のバンジョー。実際にその姿で操作することはできず、マンボが謝りながら正しい姿に変えてくれる。
このような、クスっと笑える小ネタを挟んでくるのも、このゲームの魅力の一つだ。
4.相棒カズーイ大活躍、種類が豊富な痛快アクション!
このゲームは、とにかくアクションが気持ちいい。
その上種類も多くて楽しい。
バンジョーたちは、魔女のとりでに入る前にジャンプや基本攻撃などの基本アクションを習得してから、各ステージで様々なアクションを覚えることになる。
その中でも私が特に好きな技が、『くちばしバスター』だ。
世界的に有名なアクションゲームで言う『ヒップドロップ』にあたる技で、空中から、カズーイのくちばしによる強烈なアタックが下方向に炸裂する。
カズーイのくちばしによる攻撃技は他にもいくつかあるが、この技は迫力が違う。
そして彼らは、地上で攻撃をしたり水の中を泳いだりするだけでなく、空を飛ぶこともできる。
これはフィールド上にある専用のパッドがなければできないが、専用のアイテムを消費することで高度を上げられたり、3Dスティックで自由に方向転換することができる。
高いところに行けばステージ全体を見渡すこともでき、どこに何があるかがわかるので攻略を進める手がかりにもなる。
余談だが、本作においては、主役であるバンジョーよりもカズーイのほうが活躍してるのではないかという説も浮上している。
一部の通常攻撃、泳ぎ、一段ジャンプを除けば、バンジョーのリュックからカズーイが飛び出して何らかのアクションを繰り出している。
特に、通常より速く移動ができる上、きつい坂も楽々と上れる『カズーイダッシュ』という技については、万能な上、体力がすり減るなどのデメリットが一切なく、主な移動手段として使っているプレイヤーもいる。
さらに悲しいことに、バンジョー単体で活躍する数少ない技『ツメツメパンチ』(基本攻撃)は、実際に使う場面が少ないと感じたプレイヤーが多いらしく、続編である『バンジョーとカズーイの大冒険2』では技が廃止されてしまったという噂もある。
5.いろいろな意味で思い出深いステージ・ベスト3
ここからは、私が実際にプレイして特に印象に残ったステージをランキング形式で紹介していこうと思う。
第3位:『フローズンズンやま』
クリスマスのモチーフが取り入れられた、とても可愛らしい雪のステージ。鬱蒼としたステージが続いた後なので、なおさら楽しい気分になれる。
楽しげなBGMに紛れて、雪だるま達が雪玉を投げつけてくるが、ここで覚える新しい技で倒してしまえば大丈夫。
金色の星が輝くクリスマスツリーに、ステージ中央にある巨大な雪だるま(こっちは無害)に様々な要素があったのが印象的。
子供たちのクリスマスプレゼントを探すはずが、何故か道中で"キラキラしたもの"を食べて動けなくなり、元気になったかと思えばソリのレースに没頭してしまう、白熊のダメ親父も名物キャラ。彼とは何度かレースをすることになるのだが、”賞品”のために一体何度彼と戦ったことやら……。
特に世界観が好きなステージの一つだ。
第2位:『クランカーのどうくつ』
とにかく苦戦した。バンカズ屈指のトラウマステージ『サビサビみなと』のつぎに。
このステージは水中がメインで、ステージの中央部にいる機械クジラの『クランカー』が攻略ポイントの中心だ。
彼を水中から引き上げなければ、今後必要になる技も習得できないし、約半数のオンプとジグソーを手に入れることもできない。
しかし、その作業がとにかく大変なのだ。
彼を水中から引き上げるには、めちゃくちゃ深いところまで潜って仕掛けを解く必要がある。
めちゃくちゃ深いところまで潜るということは、その分酸素がもたなくなる。
酸素がゼロになると、もちろん死ぬ。
そのため、仕掛けの近くには酸素をくれるキャラがいるのだが、その酸素を確保するのにも、水中操作のテクニックが要される。
酸素の確保と仕掛けの解除をうまく両立させなければならないのだが、現実世界だけでなく、ゲーム内での泳ぎもヘタクソな私は、何度もクランカーの腹の下で溺死した。
ちなみに、仕掛けを解いてから浮上するのに間に合わず溺死してしまった場合は、ちゃんとクランカーが水上にいる状態でリスタートとなる。
いやあ、本当によかった。あの苦労が水の泡にならなくて……。
3ヵ所目とは思えない難易度のこのステージは、特に苦戦した場所として印象に残っている。オンプとジグソーはどうにかコンプした。
第1位:『カッチコッチなもり』
ステージの絵だけはなぜか前半に出てくる、最終ステージ『カッチコッチなもり』は、1粒で4度美味しい、四季を楽しめるステージだ。
それぞれの季節が流れる同じフィールドが4つあり、その分ステージのボリュームも今までと比べて膨大である。
春から始まり、季節を追うごとに、足場となる木の葉っぱの大きさが変わったり、敵キャラが衣替えをしたりするなど、細かな変化が楽しめる。
ステージの随所には、時間の流れを感じさせられる要素があり、特に、春のステージでヒナドリとして生まれる(バンジョーたちに殻を割って生まれさせられる)、ワシの『エアリー』に是非注目してほしい。
現代風に言うと、とにかく『エモい』。
またこのステージは、これまで攻略してきたステージにあった要素がちりばめられている。一体どんなものがあるのかは、是非自分の目で確かめてほしい。
ゲームの集大成として相応しいこのステージが、私の中のNo.1ステージだ。
6.シュールで不気味な独特の雰囲気
このゲームは、他ではなかなか見られないような独特の雰囲気も魅力の1つと言ってもいいだろう。
まず、本作においては大抵のモノに顔と名前が付いている。
スタッフロールでキャラクター紹介も同時に流れるのだが、「お前も名前あったのかよ!」と思わず突っ込みたくなるキャラもいる。
軽くネタバレすると、顔のないただの触手にも名前が付いている。
中で私が特に気に入っているのが、バンジョーの故郷『クルクルやまのふもと』で基本アクションの練習相手として出てくる、野菜の姿をした敵たちだ。
一対の目玉が付いたニンジンと玉ねぎが地面をぴょんぴょん跳ねたり、葉っぱつきのカリフラワーがふわふわと浮かんだりしている光景は何ともシュールで、思い出すだけでクスっと笑えてしまう。
また、本作にはトラウマ要素もいくつかある。
このゲームは非常にボリュームが大きいかつ高難度で、一度もセーブせずにクリアすることはほぼ不可能だ。
そこで、ほぼすべてのプレーヤーが避けて通れないのが、セーブ後に流れるGAME OVER画面だ。
残機がゼロにならなくても、必ず"GAME OVER"の文字をでかでかと見せつけられる理不尽さも、他ではなかなかない。
そして、そのムービーというのがまた不気味で、子供にトラウマを与えかねないものになっている。
そもそも魔女がバンジョーの妹・チューティーをさらった目的は、自分が美人になるために彼女の美しさを吸い取ることだ。
GAME OVER画面では何と、バンジョーとの直接対決を待たずにそれを実行してしまう。
怪しい機械から出てきた魔女のグランチルダは、スタイル抜群の美人なお姉さんに。そして美しさを吸い取られてしまったチューティーは……。
けど、これはあくまでセーブ後のデモ画面での出来事であり、彼女はちゃんと元の状態で助けることができるので、ご安心を。
また、敵の種類によっては、倒した時のモーションが若干グロい。
敵によっては、血を流すとまではいかないが、体のパーツが粉々に砕け散る。
あとでこのゲームの対象年齢を調べてみたら『12歳以上』(発売された国によって異なる)とのことで、「うん、確かに全年齢向きではないな」と納得した。
そして、このゲームにおいて主役と同じくらい存在感を示しているのが、声が特徴的な魔女のグランチルダ。
とにかく喋る。とりでを探索していても、ステージを攻略していても、ちょくちょく口を挟んでくる。
グランチルダbot: https://twitter.com/harawta_jelly?lang=ja
とりでそのものも彼女の顔をかたどっており、主張が激しい。
何故バンジョーたちの故郷から至近距離にあるのだろう……という疑問はさておき。
7.まとめ
ここまで長々と『バンカズ』への思いを書き連ねていくうちに、5,000字を超えてしまった。
このゲームには、ここでは紹介しきれない魅力もまだまだある。
私も記憶を消して、また1からプレイしたいものだ。正直、『サビサビみなと』には心を折られたが。
けど、本当に楽しく、細かなグラフィックも含めて完成度が非常に高いゲームということには間違いない。実際にプレイしたい人がいれば、通販やリサイクルショップでゲームを探して実際にやってみてほしいし、実際どんなプレイ画面か気になる方は、YouTubeにいろいろな人が実況動画をあげているので、是非そちらもみてほしい。
その中で私が特に気に入っているのは、こんけあさんという方による実況動画で、声の聞きごごちがいい上、割とサクサク進んでいて見やすいのでおすすめしたい。
こんけあさんのバンカズ実況: https://youtu.be/KxCdY9faBKU
そして、リアクションを楽しみたい人には、ゲーム実況グループ『最終兵器俺達』のメンバーであるフジさんのプレイ動画もおすすめしたい。
フジさんのバンカズ実況: https://youtu.be/c_yhli-78TE
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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